「勉強時間を増やす」前に「勉強密度を上げる」(5)
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「勉強時間を増やす」前に「勉強密度を上げる」(5)
~ 切替のスムーズを行う「時間割効果」と「締切効果」 ~
試験合格請負人のあさだです。
現在、勉強密度と密接な関係がある「集中力」をあげる勉強法について、説明しています。
「集中力」が低い時と高い時では、全く異なります。
高い集中力がずっと続けばよいのですが、どんな好きなことでも、続けていると、疲れて、集中力が落ちてしまいます。
そんな時は、同じ勉強を続けるのではなく、違う分野の勉強に切り替えるのが一番望ましいです。
疲れた時に「気晴らし」をするのではなく、「勉強の切り替え」ができるかどうかがポイントです。
前回は、気晴らしではなく、切り替えをしやすくする為には、勉強する環境を考えましょうということで、「カフェ勉強法」を説明しました。
今回は、より切り替えをしやすくする為のポイントとして「時間割効果」「締切効果」を説明したいと思います。
学校の時間割
「レバレッジ時間術(本田直之著)」には、以下のようにあります。
時間割のおかげで、次に何をやろうかという雑念が入ることなく、行動に集中力を増し、常に平常心で、自分の持っている力を発揮させるベースになります。
学校の授業は、時間割が決まっています。
1限の授業が終われば、2限の授業、2限の授業が終われば、3限の授業へと、時間がたつと、自動的に「勉強の切り替え」が行われます。
もし、次の科目をどうするか、考えるとしたら、どうなるでしょう。
おそらく10分の休憩では済まず、次の科目の勉強にとりかかるのに、時間がかかってしまいます。
「時間割効果」とは
勉強時間があれば、時間割の枠をつくりまして、その枠に、ちょうど、大学の時に、どの授業をとるか、決めるように、勉強を始める前に、何の勉強をするか、埋めていきます。
時間割が埋まれば、学生が時間割にそって、授業を受けるように、枠に埋めたことを、ひとつひとつ、実行していきます。
時間割をつくっておくことによって、スムーズに切り替えができます。
授業ではありませんから、1つの枠が、60分、90分と決まっているのではなく、時間にあった枠で決めればよいですし、必ずしも60分たったら、切り替えなければならないのではなく、勉強の状況に応じて、臨機応変に切り替えればよいのです。
例えば、勉強時間が3時間あるとします。
1.3時間、ただ勉強する
2.3時間を、1時間3つに分けて、時間割を考えて、勉強する。
2の方が勉強の切り替えがうまくできます。
また「カフェ勉強法」をやる場合、家から教科書や問題集を持っていかねばなりません。
その時に、何の勉強をするのか、考えますから、時間割をうめていってはどうでしょうか。
何も考えず、ただ、勉強したい科目の教科書や問題集をカバンに入れると、カバンがパンパンになるかもしれません。
たくさん入れた割には、結局、1冊しか勉強しなかった。そんなこともあるかもしれません。
移動中の筋トレとしてなら、意味がありますが、そうでなければ、重たいだけです。
「締切効果」とは
時間割をつくるだけでなく、その時間内に、勉強内容の目標を立てると、さらに「締切効果」も生じます。
ただ、時間の枠だけつくっていると、何もせず、座っているだけでも、1時間勉強したことになってしまいます。
この1時間に、このドリルを終わらせる、この教科書を読んでしまう、など、勉強内容の目標を立てますと、1時間内に終わらせようと集中力が高まります。
これを「締切効果」といいます。
私たちは、時間がたくさんあると思うと、ゆっくり、だらだらしがちです。
逆に、「時間がもうない!」と思うと、急いでやらねばならないので、集中力が上がります。
この1時間で、このドリルを終わらせる、この教科書を読んでしまう、など、勉強内容の目標を決めますと、集中力が上がります。
「初頭効果」と「終末効果」
締切効果には、「初頭効果」と「終末効果」があります。
やり始めと締切り直前には、集中力は高まる傾向があるのは、みなさんも実感するのではないでしょうか。
例えば、勉強時間が3時間あるとします。
1.3時間、ただ勉強する
2.3時間を、1時間3つに分けて、時間割を考えて、勉強する。
1の場合は「初頭効果」と「終末効果」は1回ずつしか現れません。
2の場合は「初頭効果」と「終末効果」が3回ずつ現れます。
よって、1よりも2の方が、締切効果によって、高い集中力で、勉強し続けることができます。
あまりにも、1つの枠を小さくすると、途中で終わってしまうことになりますから、時間割の1コマを、どれぐらいの時間にするかは、一人一人に状況にあわせて、考えていくことになります。
時間割の枠をつくり、それぞれで、勉強内容の目標を立てて勉強すれば、「時間割効果」「締切効果」によって、高い集中力で、勉強し続けることができます。
まとめ
・高い集中力を持続させるには、疲れたからといって、気晴らしするのではなく、他の勉強に切り替え
・「時間割効果」
時間割をつくっておくことによって、スムーズに切り替えができます。
・さらに、その枠で、時間ではなく、勉強内容の目標を立てれば、締切効果(初頭効果・終末効果)が生じます。
・時間割の枠をつくり、それぞれで、勉強内容の目標を立てて勉強すれば、「時間割効果」「締切効果」によって、高い集中力で、勉強し続けることができます。
(関連)
→ 勉強法って何?知らないと損する目からウロコの勉強法(1)
あさだ よしあき
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