暗記が苦手な人でも簡単に暗記「皿回し暗記法」(5)
通勤通学時間は暗記に最適と思っている、あさだです。
高校生対象に勉強法についてセミナーを行っています。
続けて暗記の説明をしたいと思います。
どの試験でも、暗記を避けて通ることはできません。
試験によっては、暗記のみで、合格点をとれる試験もありますし、暗記だけでは合格点がとれない試験でも、基本的なことは暗記した上で、応用問題を解くことになります。
試験に合格しなければ、次のステップに進めないのならば、覚えることに意味があるかどうかの問題ではなく、合格するために、覚えなければなりません。
だからこそ、効率的に覚えることが大事になります。
どうすれば、効率的に覚えることができるのか。
勉強のコツも、学んだことは復習することにありますが、暗記のコツも「忘れる前に反復する」ことにあります。
その暗記のコツを方法化したのが「とにかく回転法」「皿回し暗記法」です。
目次
「とにかく回転法」とは
- とにかく声に出して読み始める
- 速く読めるようになる
- 短い時間でたくさん読めるようになる
- ある時、一気に定着度が増している感じがする。ラストスパート!
- いつの間にか暗記している
「とにかく回転法」を聞かれた方から、「本当に読んでいるだけでいいのでしょうか、書く必要はないのでしょうか」という質問をよく受けます。
「音読」と「書く」関係について、説明したいと思います。
「黙読」「音読」「筆記」の比較
「私は書いて覚えるタイプなんです」、このような方もあると思います。私も、高校時代までは、そうでした。
ところが、大学に入ってからは、音読に変更しました。
「私は書く派」「私は読み派」と、それぞれ派閥をつくるかもしれません。(笑)
「黙読」「音読」「筆記」の3つを比較してみたいと思います。
「黙読」と「音読」の比較
「黙読」は、目からの情報だけです。(「1」の情報)
「音読」は、目と口と耳からの情報があります。(「3」の情報)
音読しますと、目からの情報だけでなく、口でも言いますし、自分の声が耳にも入ってきます。
単純に考えると、音読は、黙読の3倍の情報が入ってきます。
もっと考えてみますと、黙読は、ザーッと読んでしまうことはないでしょうか。
もしかすると「1」の情報もなく「0.5」ぐらいかもしれません。
音読の場合、声に出して読みますので、しっかり文字を見なければなりませんから、目からの情報も「1」となります。
そう考えると、音読は、黙読の3倍以上の情報が入ってくることになります。
同じ情報を短期間に繰り返す、忘れる前に反復することが暗記のキモですから、黙読よりも、音読の方が、圧倒的に良いことは明らかです。
「筆記」の比較
そうすると「助さん角さん」ならぬ「書くさん」が登場してきます。
「だから、私は書いているんです」
「読みながら、書いたら、なお、いいんじゃないですか。声に出さなくても、口でいうよりも、書く方が大変だから、より、インパクトを与えるんじゃないでしょうか。やっぱり書いて覚える方がいいでしょう」
確かに、そうかもしれません。
ほとんどの試験は、口頭試験ではなく、筆記試験なので、当然、書く必要はあります。
どれだけ口で言えても、正しく書けなければ、合格できません。
最近は、パソコンやスマートフォンで入力することに慣れて、正しい漢字を書けない人も増えているので、なおさら書く練習が必要だと思います。
しか~し!
最初から覚える段階で、書いて覚えようとしますと、書くのに時間がかかるため、回転させるスピードが遅くなります。
また、ずっと書いていると手が疲れます。指にペンダコができます。
「ドクターグリップ」などの、特別なペンを買いますが、やっぱり疲れます。
回転の効果を出すためには、最初は書いて覚えるのではなく「とにかく回転法」で覚えた方がよいです。
「音読」はいつでもどこでもできる
「筆記」は、机の上でなければできませんが、「音読」は、いつでもどこでも可能です。
電車やバスで立ちながらでもできます。歩きながらでもできます。
自転車をこぎながらでもできます(笑)。
信号待ちの時に覚えたいものを口ずさみ、信号が青になったら、そのまま口ずさんで自転車をこぎます。
こま切れ時間の有効利用
こま切れの時間でもできますから、こま切れの時間を有効に利用することもできます。
私は覚えたい言葉は、手帳にはさんでおいたり、スマホに入れておいたりして、こま切れ時間ができたら口ずさんでいます。
学生時代は、机の上で勉強する時間を確保しやすいですが、社会人になると、なかなか机の上で勉強できません。
勉強する習慣を失っている人もあります。
また、勉強時間をまとめて確保するのは難しいですから、こま切れ時間を有効に利用できるかどうかが、合否のカギになります。
「筆記」のタイミング
「とにかく回転法」で覚え始めると「なかなか覚えられないところ」が出てきます。
また「特に重要なところ」もあります。そのような箇所は書いて覚えるようにしましょう。
最終的には、筆記試験ですので、書いて覚えているかどうか、正しく書けるかどうか、確認する必要があります。
口で言っているだけだと、曖昧なところがありますので、書くことによって曖昧さを取り除き「見える化」します。
- こま切れの時間を利用して「とにかく回転法」で忘れないようにする。
- 時間がある時は、書いて、正確に書けるかどうか、確認する。
- 間違えたところはチェックして、試験が近づけば、間違えたところを再チェックする。
まとめ
- 最初は「とにかく回転法」で始める
- ある程度、覚えられたら、書いてみる
- こま切れの時間を利用して「とにかく回転法」で忘れないようにする。時間がある時は、書いて、正確に書けるかどうか、確認する。間違えたところはチェックして、試験が近づけば、間違えたところを再チェックする。
では、具体的に、どのように「とにかく回転法」を使って覚えるのか。
それが「皿回し暗記法」です。
次回、説明したいと思います。
(関連)
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あさだ よしあき
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