暗記が苦手な人でも簡単に暗記「皿回し暗記法」(4)
勉強に疲れたら「気晴らし」ではなく「切り替え」を勧めている、あさだです。
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続けて暗記の説明をしたいと思います。
どの試験でも、暗記を避けて通ることはできません。試験によっては、暗記のみで、合格点をとれる試験もありますし、暗記だけでは合格点がとれない試験でも、基本的なことは暗記した上で、応用問題を解くことになります。
試験に合格しなければ、次のステップに進めないのならば、覚えることに意味があるかどうかの問題ではなく、合格するために、覚えなければなりません。
だからこそ、効率的に覚えることが大事になります。
どうすれば、効率的に覚えることができるのか。
勉強のコツも、学んだことは復習することにありますが、暗記のコツも「忘れる前に反復する」ことにあります。
その暗記のコツを方法化したのが「とにかく回転法」「皿回し暗記法」です。
目次
「とにかく回転法」とは
- とにかく声に出して読み始める
- 速く読めるようになる
- 短い時間でたくさん読めるようになる
- ある時、一気に定着度が増している感じがする。ラストスパート!
- いつの間にか暗記している
今回は「4.ある時、一気に定着度が増している感じがします」について、説明したいと思います。
「学びの成果はガウス関数」
ガウス関数とは
高校数学にガウス関数があります。
ガウス関数とは、ガウス記号の関数で、グラフが階段状になっている関数のことです。(大学で学ぶ、ガウス関数ではありません)
階段状になっていますので、比例関数ではありません。
(数学が苦手の人には申し訳ありません)
学びの成果
学びの成果が比例関数でしたら、勉強したら、すぐに理解ができる、すぐに成績が上がるということです。
もし、そうだったら、どれほど勉強がはかどるか、わかりません。
しかし、実際は、なかなか、そうはいきませんよね。
教科書を読んでも頭に入らない、日本語なのに読んでもわからない、1時間勉強したが振り返ってみると何もわかっていないのではないか、などなど、すぐに結果が現れてこないことも多いと思います。
ところが、そこを我慢して勉強を続けていくと、ある時期に突然視界が開けたように分かってきます。
そんな経験をされたことはないでしょうか。
「おっ~」「やっとわかった」「さとった!」「ひらめいた」「つながってきた!」
しかし、またしばらくすると閉塞状態になります。
それにもめげず、続けていれば、また新しい理解へとつながります。
このように、階段のように「停滞」と「前進」が繰り返されていきます。
まさに「学びの成果はガウス関数」のように伸びていくのです。これが学びの成果なのです。
閾値(いきち)
科学では「閾値(いきち)」という言葉で説明されています。
閾値(いきち)とは、ある刺激によって、ある反応が起こる時、刺激がある値以上に強くなければ、その反応は起こらない。
その限界値のことをいいます。「しきい値」ともいいます。
「学びの成果はガウス関数」ですから、実感のわく成果が出るまでは、ある程度、努力しなければならないということです。
学びの習慣を身につけるのは難しくなっている
最近は、昔に比べて、学びの習慣を身につけるのが難しい時代かもしれません。
ゲームも、ニンテンドー3DSやPlayStation Vitaなど、携帯できる面白いゲームがあります。
スマートフォンでも、かなり面白いゲームがあります。
無料という言葉に魅かれて、インストールして、ひとたび遊び始めると、思わず課金している、そんな人もあるでしょう。
音楽も、iPod(アイポッド)の登場、また、スマートフォンで、ちょっと暇ができたら、イヤホンをつけて、音楽を聴いている人もたくさん見かけます。
ゲームや音楽は、簡単に、短い時間で、快楽を得ることができます。
簡単に快楽を得ることに慣れてしまいますと、快楽を得るのに時間がかかる、そういうものに取り組むことが難しくなります。
また私たちは、スマートフォンで興味のおもむくままにウェブサイトを次々にクリックして読むことに慣れてしまいました。
1冊の本を集中して読むのではなく、ウェブサイトの各ページを10~20秒で流し読みをしていると「飽きっぽい」「注意散漫」になりやすいです。
「学びの成果はガウス関数」ですから、成果が出るまで時間がかかります。
成果が出ると、小さな成功体験から、学ぶのが楽しくなり、習慣化へつながっていくのですが、成果を実感するまで、時間がかかりますので、それだけ、学ぶ習慣を身につけるのが難しい時代になったといえるかもしれません。
「学びの成果はガウス関数」を知る大切さ
「学びの成果はガウス関数」であることを知らず、「比例関数」のように思っていたら、どうでしょうか。
ちょっと勉強しても、わからないですから、「私は勉強が苦手」と決め付けてしまうことになります。
暗記もそうです。
1回読んで、暗記できる人はよっぽどの天才です。「そんな天才になりましょう!」といわれたら、困ります。
暗記も、まさにガウス関数のように、ある程度、繰り返し努力していって、はじめて成果が出てきます。
それを知らないと、1回、2回、何回か、読んで暗記できないと、「私は暗記は苦手」とすぐに思ってしまいます。
暗記が得意と言っている人は、1回読んで覚えられる人ではなく、人が見ていないところで、繰り返し、努力している人なのです。
努力すれば必ず覚えられると自信をもっている人が、暗記が得意な人です。
自分は苦手と思って、すぐに結果があらわれてこないからと、あきらめてしまっては、永久に、視界が開けた状態にはなりません。
視界が開けるまで、続けるのが大事です。それには、工夫が必要となります。
その点、とにかく声に出して読む「とにかく回転法」は非常に続けやすいです。
能力にも関係なく、いつでもどこでもできます。
こま切れ時間も、活かすことができます。
そして、ガウス関数のように、しばらく続けていれば、必ず視界が開けた状態になります。
「学びの成果はガウス関数」、これを知っているだけでも違います。
知らないよりは続けようという気持ちが強くなります。
さらに、知っているだけでなく、それを、強く信じましょう。
強く信じられるようになるには、小さな成功体験が自信になりますので、小さな成功体験を、実際に体験してみてください。
暗記でしたら、「とにかく回転法」を実際にやってみましょう。
まず、ほんのわずかな範囲で、「とにかく回転法」をやってみてください。
以前よりも、暗記しやすくなっているのに、気がつくはずです。
そして、「視界が開ける」体験をしてください。
その小さな成功体験が、エンジンとなって、自分を動かしてくれます。
必ず、1→2→3→4→5 になります。
- とにかく声に出して読み始める
- 速く読めるようになる
- 短い時間でたくさん読めるようになる
- ある時、一気に定着度が増している感じがする。ラストスパート!
- いつの間にか暗記している
まとめ
- 「学びの成果はガウス関数」
- 実感のわく成果が出るまでは、あきらめずに努力しましょう。
「とにかく回転法」を聞かれた方から、「本当に読んでいるだけでいいのでしょうか、書く必要はないのでしょうか」という質問をよく受けます。
「音読」と「書く」関係について、次回、説明したいと思います。
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あさだ よしあき
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