70代からの人生を充実させる-死への恐れを乗り越えるために知っておきたいこと
こんにちは、みさきです。
令和6年も残すところ、約1か月となりましたね。
年齢を重ねるにつれて、体感として1年が短く感じることを「ジャネーの法則」といいます。
最近、73歳の男性とお話しする機会があり、その方がしみじみとおっしゃっていたことが心に残りました。
60代の時には自分の死を考えることなんてなかったけど、70代になった最近は違う。親しかった友人が75歳で亡くなったと聞くと自分もあと2年しか生きられないかも…と考えるようになった。
パリオリンピックが終わって「4年後にロサンゼルスで会いましょう」とテレビでやっていたが、その時まで自分は生きているだろうか、ともふと思う。
自分の死を意識することを仏教では「無常観」といい、「無常を観ずるは菩提心の一(はじめ)なり」と教えられ、自分の死を見つめることが本当の幸せの始まりである、と教えられています。
老いと病と死に向かう人生に悩まれたお釈迦さま
シッダルタ太子(後のお釈迦さま)は、インドの国王の太子として生を受け、大変裕福な身分でした。
さらに、子どもの頃から文武両道で、世間の評価は高まる一方でしたが、成長するにつれ、物思いにふけることが多くなりました。
財産・地位・才能・妻子に恵まれ、誰もがうらやむ境遇のシッダルタ太子でしたが、「やがて老いとともに失うものばかりだ。いつどんな病気にかかるかわからない。そして必ず死んでいかなければならない」という厳粛な事実を前に、人生が空虚に感じられたのです。
「何が足りなくて、こんなにむなしいのか」
「誰もが幸せだと言うほど恵まれているのに、どうして心が寂しいのか」
「心から満足できる本当の幸福を知りたい」
と、ついに29歳の時、城を飛び出し、山奥深くに入られるのでした。
そして、35歳の時、最高無上の仏の覚りを開かれ、ブッダとなられ、すべての人が真の幸福になる道を説き明かしてゆかれました。
その教えを仏教と言います。
お釈迦さまの出家の動機についてのエピソードが残されています。
いよいよ死んでいくときにも「実りのある人生だった」と言える心の幸せ者になる
人生100年時代と言われるようになりました。
100年健康に楽しく生きるには、貯金も大事、コミュニティや介護してくれる人との人間関係も大事、健康のために運動や食事も大事です。
「アンチエイジング」のための抗酸化作用の高い食物や化粧品・スポーツ用具などの情報を、お店やテレビで見聞きしない日はありません。
また、認知症防止にはカラオケや俳句が人気です。
心穏やかに過ごすためにも、こうした生活や健康が安定していることは大事です。
しかし、ここで無視できないのは、たとえ80、90年元気に過ごすことができたとしても「老いとの闘いに勝ち目はない」ということです。
生きている限り、どんな人にも老いや病がやってきます。
そんな人間の苦しみを乗り越える幸せを探求されたのがお釈迦さまであり、仏教です。
仏教は、私たちがいよいよ死んでいくときにも「実りのある人生だった」と言える心の幸せ者になるために説かれた教えなのです。
みさき
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