結果ばかりに目を向けると苦しくなる。結果よりも大切なこととは?
「なんとか今月の目標を達成しないと」
「数字をあとこれだけ上げられたら…」
仕事では結果・数字が求められます。
しかし、ややもすると、結果ばかりに目を向けて、思いやりの心を忘れてしまうこともあるのではないでしょうか。
たとえば、
・顧客にそこまでの気持ちがないのに、強引に営業して契約を取る
・社員を「使える」「使えない」という視点で判断してしまう
・周りが信用できず、結局自分で抱え込んでしまう …など
そうした果てに結果を達成できたとしても、お客さんや周りの社員からの信頼が得られず、独りよがりになってしまうでしょう。
もちろん、結果や数字を出すことは義務ですので、努力しなければなりません。
ただ、結果に至るまでの【過程】も大切ではないでしょうか。
結果がすべてと思われる勝負の世界でも【過程】を重視する言葉を残しています。
結果とプロセスは優劣つけられるものではない(-元プロ野球選手 イチロー)
勝ち負けには、もちろんこだわるんですが、大切なのは過程です。結果だけなら、ジャンケンでいい(-将棋棋士 羽生善治)
自信を持つべきは順位や数字ではなく、辿ったプロセスそのものにある(-元日本代表監督 アルベルト・ザッケローニ)
勝ち負けで判断される勝負の世界で、プロの勝負師たちは、なぜここまで過程・プロセスを重視するのでしょうか。
それは、きっと挫折や努力を繰り返すなかで、自分自身が磨かれるからではないでしょうか。
努力に対するもっとも価値ある宝石は、努力の末に得られる成果ではなく、その過程でつくられる、我々自身の姿だ(-評論家 ジョン・ラスキン)
仏教でも結果よりも、それを生み出す原因・行いを重視します。
これを「於因説果(おいんせっか):因に於いて果を説く」といいます。
行いに応じた結果が現れるのだから、結果ばかり見ずに、行いを善くしていくことが大事なのですね。
そこでもがきながら育んだ、人との信頼関係や、あきらめない力、思いやりの心こそ大切な財産なのではないでしょうか。
九条えみ
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