「あの人大嫌い!」そんな人は永遠に敵なの?|敵を味方にする方法
生きていれば色々な人間関係が生まれます。
その中には好きな人もいれば嫌いな人がいると思います。
「あの人大嫌い!」
「あんな人どこかに行けばいいのに!」
「二度と顔も見たくない!」
そう思う相手がいない人はいないと思います。
そんな相手とは一生打ち解けることがないのでしょうか。
いつまでもその相手に対して、怒って憎む日が続くのでしょうか。
その疑問に対して「敵を味方に変えるレッスン」というトークがありましたので紹介します。
敵を味方に変えるには
「敵を味方に変えるレッスン」の実際のトークはこちらです。
内容を簡潔にまとめますと、これはリア・ガーセスという方の実体験です。
リアさんは家畜が劣悪な環境で育てられる状況をなくすために活動している方です。
ある時クレイグ・ワッツさんという養鶏農家の方に、残酷な家畜の扱いを止めるように説得しに行きました。
最初リアさんはクレイグさんこそ世界の悪の元凶で、憎むべき相手で、病気にでもなって苦しめばいいと非常に嫌っていました。
しかしクレイグさんの話を聞くうちに心が変わってきました。
クレイグさんは元々貧しく、暮らしていくために養鶏をしたいと思っていたところにパーデュー社という鶏肉会社が進出してきたため、3000万円ほど借金をして養鶏を始めましたが、始めてすぐに鶏が病気になり始め、なかなか利益が出ず、借金が返せずに苦しんでいたのでした。
自分が憎んでいた相手にも養鶏を始めた理由があり、悩みがあることを知ったリアさんは、養鶏を止めさせるのとは別の方法でクレイグさんと一緒に問題を解決することにし、リアさんとクレイグさんは協力して、養鶏の現状を世間に公表することを決め、クレイグさんの養鶏場の映像がニューヨークタイムズで放送されるや世間で大変な反響が起きました。
その後クレイグさんは養鶏を止めて鶏舎は麻の栽培所になり、鶏が苦しむこともなく、鶏舎を取り壊すこともなく、仕事を探して引っ越しすることもなく、お金を稼げるようになりました。
この経験を元にリアさんは「敵」との境界線を超えるにはどうすればいいか考え、三つの教訓を得ました。
気まずい状況を嫌がらない
嫌っている相手と話し合う以上、気まずい空気になるのは容易に想像できます。
しかしその中に入っていかなければ問題は解決しません。
そしてその問題を解決できる力を持っているのはたいていは自分ではなく相手です。
嫌っている相手にも人間的な面がある
嫌いな相手を見ると、あいつは自分とは違って、人を困らせることに罪悪感がなく、人の不幸を見て楽しみ、嬉々として人を苦しめる人間だ、と思いがちですが、実際はそうではなく、相手にも人生があり、生活があり、考え方があり、おそらく自分との共通点があるということです。
共に益がある必要がある
「敵」を説得してこちらの悩みの種を完全に止めさせるということはおそらくできません。
ですから話し合うときには双方に利益がある道を探さなければならないということです。
怒りや憎しみはどういう心か
怒りや憎しみの感情はどこから出てくるのでしょう。
仏教では「欲」の心が邪魔されると「怒り」の心が出てくる。
怒ってもどうしようもない相手に対しては「恨み憎しみ」の心が出てくると教えられます。
あなたが誰かに対して怒ったり憎んだりしているのは、その誰かがあなたの欲を邪魔しているからでしょう。
このような「欲」「怒り」「恨み憎しみ」の心を煩悩と言います。
「煩悩」とは、私たちを「煩わせ、悩ませるもの」と書き、全部で百八つあるといわれます。
中でも代表的な、
○貪欲
○瞋恚
○愚痴
の三つを「三毒の煩悩」といわれます。
最初の「貪欲」とは、底の知れない欲の心をいいます。
なければないで欲しい、あればあるで、もっと欲しい、もっと欲しいと、際限もなく求める心。
この無限の欲に、朝から晩まで振り回されているのが、私たちではないでしょうか。
その欲が妨げられると、出てくるのが「瞋恚」、怒りの心です。
あいつのせいで儲け損なった、こいつのせいで恥かかせられたと、怒りの心が燃え上がります。
「接客態度が悪い」などと何度もクレームをつけてきた客を、ある牛丼店店長が包丁で刺殺した。
離婚話にカッとなった男が、部屋に灯油をまき、火をつけ、子供も焼き払ったなどの事件も、この瞋恚の心のなせる業です。
次の「愚痴」とは、ネタミ、ソネミ、ウラミ、ニクシミの心をいいます。
欲をおこしても、怒ってみても、とてもかなわぬ相手と知ると、ねたみ、そねみ、恨みの心がわき上がってきます。相手の才能や美貌、金や財産、名誉や地位をねたみ、そねみ、相手の不幸を喜ぶ悪魔の心が出てきます。
災難に遭って苦しんでいる人に、「お気の毒に」と言いながら、心ではニヤリとする、恐ろしい心のことです。
これらの心によって人の不幸を願ったり、人の失敗を楽しむ心が出てきます。
そしてそのような悪いことを思った結果、私に悪い結果が返ってきますので、お釈迦さまは「そのような悪いことを思わないようにしましょう」と教えられました。
まとめ
敵を味方に変えるには
気まずい状況を嫌がらない
嫌っている相手にも人間的な面がある
共に益がある必要がある
に心がけて相手と対話していく必要があります。
仏教には大きな煩悩として
○貪欲
○瞋恚
○愚痴
が教えられており、このような心は悪い心で、「悪い心は悪い結果を引き起こすから悪いことを思うのは止めましょう」とお釈迦さまは教えられます。
いつまでも相手のことを恨み憎んでいてはあなたに悪い結果が来てしまいます。
それよりも相手と一緒に問題を解決して、悪い感情を抱かないようにしていきましょう。
怒りについてはこちらの記事でも解説しています。
こんぎつね
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