いつも頑張って接客しているのにノルマが辛いと悩んでいる人へ(1)
こんにちは。“伝わる”技術研究家のみさきです。
つい先日、某メーカーのイベントスタッフの後輩と話をしたのですが、彼女は接した人となかなか成約までつながらないことを悩んでいました。
私も10年以上、接客の仕事をしていたので、彼女の悩みはよく分かりました。
私も同じことに悩んでいた時期があったからです。
ノルマ達成につながる接客力とは
当時、私は旅行販売の仕事をしていたのですが、最初のころはなかなか成約まで結びつかず、毎月のノルマも達成できなくて悩んでいました。
数ヶ月してこのままではいけないと思うようになり、尊敬していた先輩に相談したところ、その先輩から「接客で新人にもできる大事なことは、『信頼の預け入れ』だよ」とのアドバイスをいただきました。
先輩が言うには、旅行プランの商品に価値があるかどうか、勧める人の信頼でお客さんは判断する、とのことでした。
だからこそ『信頼の預け入れ』なんだよ、と。
銀行口座にお金を預け入れると貯金がプラスになり、引き出せば残高がマイナスになるように、自分が接する人の心にも、私という人間に対しての信頼口座があり、「私に対する信頼」がプラスになったりマイナスになるんだと教えてくれました。
このアドバイスは全く自分にない視点だったので、驚きました。
そのときの自分は売ろう、売ろうと焦ってしまっていて、相手の信頼口座を増やそうという視点が全くなかったことに気付かされたのです。
それからはお客様に信頼していただけるよう、望んでいらっしゃる情報や聞かれたことに誠意を持って答え、とにかく信頼の預け入れをしようと努めたところ、徐々に成約が増え、当初の悩みを克服できました。
今から振り返ると、新人のころはお客さまのニーズを聞こうとせずに、自分が身に付けた専門知識を売り込もうとばかりしていました。
接客力をアップさせるために必要な心がけとは
接客に携わるには「布施」(ふせ)の精神が必要だと、よく聞きます。
「布施」とは、親切のこと。
相手が望んでいるものを与えることです。
「布施」の反対語は「慳貪」(けんどん)。
自分のことばかり考えて、与えようとしないことです。
自分のノルマや成約件数のことばかり考えているのは、お客様に与えようとせず、奪おうとする「慳貪」の発想ですから、信頼されないのは当然です。
一流のサービス企業の精神を知ると、この「布施」の信念が根底にあることを知らされます。
与えることは最高の喜びだ。
他人に喜びを運ぶ人は、自分自身の喜びと満足を得る。
-ウォルト・ディズニーー
人にしてもらいたいと思うことを、ほかの人にする。
-フォーシーズンズホテル&リゾートー
まず与えること。
「信頼の預け入れ」だけを考えて接すること。
その2つを心がけたらいいよ、と後輩に話をしたのですが、なかなか先輩のようにうまく話ができなかったかなと反省します。
自分にとっても大事なことを改めて思い返すいい機会になりました。
まとめ
仕事でノルマを課せられると、目的がノルマを達成させることに傾注してしまうことがしばしばあります。
しかし接客の仕事は、お客様のご要望を聞き、自分が取り扱う商品とお客様をつなぐ役目であることを抜け落としてはなりません。
「信頼の預け入れ」「布施」の精神を心がけて接客力を磨きたいですね。
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みさき
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