「大事だと分かるけど、なかなか……」という感情との付き合い方
こんにちは。こころの悩みサポーターのこうへいです。
先日、大学時代の友人に久しぶりに会いました。
以前に会ったときに、ある試験の勉強していると言っていたので、その後どうかと聞いてみました。
すると、「大事だとは思っているのだけれど、仕事が忙しくて勉強ができていないので、未だに受けていない」との返答でした。
以前の彼の決意を聞いたときに、この試験に合格すれば素晴らしいことだなと思ったので、「受けられていない」との彼の言葉には本当に残念に思いました。
「善いことだとは分かっているのだけど、忙しくて……」
「やればいいと思うのだけど、こういう事情があって……」
「大事なことだと思うんだけれど、時間がなくって……」
こんな言葉を言っている人はないでしょうか。
「忙しくて……」と言っているうちに、大事なことができずに後悔した経験のある人もいるのではないでしょうか。
私にも「忙しくって…」「時間がなくって……」と言っているうちに、大事なことができずに後悔したことが何度もありました。
こんな後悔しないためにはどうしたらいいのでしょうか。
目次
本当に大事だと分かっていないからやらない
できないのは、まだ本当に大事だと分かっていないからだと言われます。
本当に大事なことだと思えば、どんなに忙しくてもその中で時間を作って取り組むものです。
まとまった時間はなくても5分や10分の細切れな時間ならば取れるという人もあるでしょう。
また今忙しくやっていることでも、すべてやらねばならないことなのかと振り返ってみると、もう少し時間が取れるかもしれません。
今やらねばならないこともありますが、人生にとって大切なことは何なのかを見つめ直すことも重要なことだと言われます。
なぜ理屈では分かっていてもできないのか
本当に重要なことだと心底から理解するのは簡単なことではないかもしれません。
そのために大事なこととは分かるし、時間が全く取れないわけではない。
だけれどなかなか進まないという状態になっている人が多いようです。
なぜ頭では大事なこと、やった方がいいと分かっていても、なかなかできないのでしょうか。
私たちは理屈よりも感情に動かされることが多いと言われます。
先日、100人ほどの人が集まった講演会で「自分は理屈と感情のどちらにより強く動かされていると感じますか?」と参加者に質問される一幕がありました。
結果は、“自分は理屈で動く方”に手を挙げたのはほんの数人で、ほとんどの人が感情により強く動かされると答えていました。
好きなことはやりたい、嫌いなことはやりたくないというのが感情です。
試験の勉強は面倒だからやりたくない。
勉強が苦手な人ならさらにやりたくない感情が強くなるでしょう。
やりたくないという感情があると、理屈の上では理解していてもなかなか腰が重くなってしまいます。
ではやりたくないと思うことにどうやって取り組んでいったらいいのでしょうか。
感情を利用して取り組んでみる
好きになる
そのことを好きになれれば一番いいでしょう。
好きなことはやりたいという感情が強くなりますから、どんなに忙しくてもやりたいと思うはずです。
しかし、いきなり好きになれと言われて好きになれるものではありません。
好きなものとセットにしてみる
苦手なものと好きなものをセットにするという方法があります。
受験勉強をしていたときに、ここまで覚えたらチョコレートを1個食べることができるというやり方で苦手な科目の勉強をしていた友人がいました。
また勉強しているときだけお気に入りの音楽を聴くことができるということで、勉強に対するやる気を上げていた友人もいました。
ご褒美のグレード(質)を上げていかないと効果が薄くなってくるという問題はありますが、効果が期待できる人もあると思います。
もっと嫌なものと並べてみる
苦手なことをする以上に嫌なものを並べて、これよりもマシという感情で取り組むという方法もあると思います。
例えば、できなかったら公園のトイレ掃除をするとか丸坊主にすると決めて取り組んでいる友人がいました。
私たちには、他人に認められたい良く思われたい、バカにされたくないという感情があります。
しかもこの感情はとても強く、私たちはこの思いに強く動かされます。
人間を根本から動かしているのは優越を求める心だと、個人心理学の祖・アドラーは言っています。
私はこれをやりますと多くの人の前で宣言をし、結果を公表しなければならないとなるとやらざるを得なくなるものです。
自分にとって、この人には悪く思われたくないと思う人に宣言をすれば、より効果は大きくなるでしょう。
私は文章を書くのが苦手で、このブログもできれば書きたくないと思っています。
しかし、私がブログを書く日時が決まっていて、できたかどうかを報告することになっています。
さすがに「全く書けませんでした」とは恥ずかしくて言えないので、その日が来るまでに書く内容を必死に考えるようになりました。
まとめ
「これって大事なことだからやった方がいいのだけれど」と思っていても、苦手なことや面倒なことだと「やりたくない」という感情に動かされてなかなかできないものです。
人間は感情で強く動かされるものだとも言われます。
後悔する前に、感情を利用して、取り組んでみてはいかがでしょうか。
苦手なことだとついつい三日坊主になりがちです。
どうして三日坊主になってしまうのか、その対策とは?
こちらの記事で解説しています。
三日坊主で終わらせない!三日坊主にならないための必要な3つのポイント!
こうへい
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