後悔と反省の違い|後悔を反省に活かすために必要な心がけとは?
こんにちは。暮らしを良くする研究家のこんぎつねです。
あなたはメールを送るとき、送信をした瞬間にミスに気付くことはないでしょうか。
そこで慌ててキャンセルするのですが、間に合わずに送信されることが私はよくあります。
メールに限らず、何かのことで失敗すると
「なんであんなことしたんだろう」
「あそこでもっと確認しておけばよかった」
「早めに準備しておくべきだった」
などと後悔します。
しかしそこで終わってしまってはまた同じことを繰り返します。
後悔と反省は違います。
辞書によると、
後悔とは「してしまった事について、後から悔やむこと。」
反省とは「普通のとらえ方や自分の普段の行動・あり方を振り返って、それでよいか考えること。」
ということで、後悔はただ「あんなことしなきゃよかった」で悔やんで終わりですが、反省は後悔した後に行動を振り返って「あそこでああしておけばよかったんだ。次は失敗しないようにしよう」と行動を修正して同じことをしないようにします。
ですから後悔で終わらせず反省をすべきですが、後悔で終わる人と反省して向上していく人とは心がけがどのように違うのでしょうか。
後悔で終わる人と反省する人の心がけの違い
ネガティブな経験や心理状態を生かす方法について研究している筑波大学の上市秀雄教授はこちらの論文「後悔を生かすためには何が必要か?」で、人生において後悔したことを、その後活かせた場合と活かせなかった場合との差がどこにあるのかを調べました。
その結果、後悔を活かせた人(=反省した人)は反省しなかった人に比べて、その出来事を元に自分の行動をよりよい方向へ修正するだけでなく、その出来事が自分の成長になっていると実感していることがわかりました。
反省しない人は後悔する出来事が起こると
- 運が悪かった
- たまたま起こった
- 周りのせいだ
のように原因を他のせいにして
- 自分は間違っていないと思う(自己正当化)
- 考えないようにする(逃避)
といった思考に至ります。
そして後悔を活かすことができません。
一方で後悔する出来事が起きたときに
- 自分のせいだ
- 問題の責任を取るべきだった
- 努力が足らなかった
のように「原因は自分にある」と考える人ほど反省し、自分の行動を変えて、同じような失敗をしないようにしたり、今までの自分の考えを改めて成長していました。
そして「あの時の失敗を反省したことでよい経験になった」と、過去の失敗を良いものと感じていました。
まとめますと、
- 反省しない人のパターン
後悔→原因は外にある→自分は間違っていないと自己正当化
後悔→原因は外にある→考えないようにして逃避→何もしない
- 反省する人のパターン
後悔→原因は内にある→反省→行動の修正→成長
と、原因をどこに置くかで、後悔で終わるか、反省するか、が別れるのです。
反省しやすい人としにくい人
またどのような人がより後悔を反省に結びつけ、成長しやすいかということを調査したのがこちらの論文です。「後悔対処メタ認知が後悔・対処法・適応的行動に及ぼす影響」
この論文は後悔したときにどう対処するかについて、自分を客観的に見つめる能力がどれだけ反省に影響するかを調べたものです。
この調査によると、より自分を客観的に見つめることができる人、自分のやっていることを自分で把握できている人ほど、後悔する出来事が起こった後に反省して、同じことが起こらないための適切な行動を取っていました。
自分を客観的に見つめる、ということは何かが起きたときに別の自分としてその出来事を見るということです。
他人から見たら自分はどういう行動を取っていたのだろうか、と考えると後悔の中から反省点が見えてくるのです。
心を静めて反省する「禅定(ぜんじょう)」
仏教に禅定(ぜんじょう)という善があります。
心を静めて反省することを言います。
仏教に説かれる「因果の道理」では、結果が起こるためには原因と縁とが結びつく必要があり、原因と結果には
「善因善果 悪因悪果 自因自果」
良い原因は良い結果を引き起こす
悪い原因は悪い結果を引き起こす
自分のやったことが自分の運命を引き起こす
という関係があると教えられます。
「悪い結果が起こったならば原因は自分にあるのだから、他のせいにせず、心を静めて自らの行いを反省しなさい」
とお釈迦さまも勧められています。
まとめ
後悔する出来事から反省をして成長する人は、原因を自分に置いています。
自分を客観的に見られる人ほど反省ができます。
「今の自分の行動を他人から見たらどう見えるだろう」
と考えることで自分を客観的に見ることができます。
お釈迦さまは「悪い結果が起こったならば心を静めて、自分の行いを反省しなさい」と因果の道理を教えられています。
因果の道理では「良いことをすれば良い結果がきますよ。だから幸せになりたければ善に心がけなさいよ」と教えられますが、本当でしょうか。
こちらの記事では「返報性」と言われる心理学から考えてみました。→
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こんぎつね
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