約束をうっかり忘れることはありませんか?|約束を守る6つの方法
こんにちは、暮らしを良くする研究家のこんぎつねです。
あなたは約束を忘れてしまって迷惑をかけたことはないでしょうか。
私は先日上司から「この資料を作っておいて」と言われたのですが、すぐにメモを取らなかったために忘れてしまいました。
そのようなことが時々あります。
たいていは「やっといて」と言われたことを忘れてしまうのですが、相手に迷惑ですし、人間関係も崩れますし、全体の予定も変わってしまいます。
約束を破ることほど
信頼をあっという間に壊すものはない。
逆を言えば、
約束を守れば強い信頼関係が築かれるのである。
スティーブン・R・コヴィー(『7つの習慣』の著者)
人と会う約束ができることは、相手の信頼を得たしるしである。もし約束を破れば、相手から盗みをしているのだ。といっても金を盗んでいるのではない。「人生」の銀行から時を盗んでいるのだ。相手にとって一生取り返しがつかない時を。
デール・カーネギー(『人を動かす』の著者)
「約束を守る」ということは信頼を得ることであり、「約束を破る」ということは信頼を壊すことだと多くの人が言っています。
しかし私も含めて「それはわかってるけど、ついうっかり忘れちゃうんだ」という方も多いでしょう。
どうすれば約束を忘れるのを防いで、守れるようになるのでしょうか。
約束を守る方法を調べたところ、約束を守らせる方法について分析した論文がありました。
約束を守らせる方法が分かれば、その逆である約束を守る方法も分かるはずと思い、読んでみました。
目次
約束を守らせるための6つの方法
今回参考にしたのはこちらの論文です。
そもそもこの論文は、精神科やメンタルクリニックに通う患者さんには約束の時間に来ない人や、途中で通院をやめてしまう人が多く、診察する予定だった時間が空いてムダになったり、来るはずの患者が来ないことで病院の経営を圧迫したり、セラピストが自信をなくしたりすることを防ぐために、イギリスのシェフィールド大学の心理学者マリー・オールドハム博士が多くの文献を分析して、患者さんに診察に来る約束を守らせる方法をまとめたものです。
分析の結果、以下の6つの方法が効果があることがわかりました。
- 予定の時間を決めさせる
- 診て欲しいセラピストを選ばせる
- 動機づけ面接法
- 宿題を与える
- しっかりと情報を与える
- 予約時間の少し前に連絡する
予定の時間を決めさせる
次の診察予定を「○月○日に来てくださいね」と病院側が決めるのではなく、患者さんに「○月○日でお願いします」と決めさせる、ということです。
診て欲しいセラピストを選ばせる
「あなたを診察するのはこの人です」と病院側が決めるのではなく、患者さんに「この人に診てもらいたいです」と選ばせる、ということです。
動機づけ面接法
動機づけ面接法は心理カウンセリングの手法の1つで、「あなたはこういう精神病だからこれをしなさい、これはしてはダメです」と強制するのではなく、病気に効果がある行為を患者さん自ら進んで行うように考えを変えていくやり方です。(詳しくはこちら)
宿題を与える
「次に来るときまでに○○をしてきてくださいね」と課題を出すことです。
しっかりと情報を与える
「あなたの精神病はこういう病気で、このようにして治療していきます」と医者や臨床心理士が持っているその病気に関する情報を与え、これからのことを想像させることです。
予約時間の少し前に連絡する
予約の日の少し前に「○月○日の何時に予約が入っています」という内容のハガキが着くようにしたり、予約時間が近づいたら電話をしたりして、約束の時間を思い出させることです。
約束を守るためにできること
上の6つの方法は約束を守らせる側が約束を忘れさせないようにするための方法ですが、約束を守る側としてはどう使えるか、守る側主体で言い換えて考えてみます。
自分で時間を決める
予定の時間を自分で決めるようにします。
相手から言われて「じゃあそれで」となるのではなく、「この日のこの時間がいい」と自分で決めると、約束を忘れにくくなります。
人と会う約束なら「この時間でお願い」
資料を作る依頼ならば「この時間までに終わらせます」
などです。
自分で場所や手段を選ぶ
場所や手段をこちらから指定します。
「この場所で待ち合わせしよう」や「エクセルで作ってメールで送ります」などです。
なぜ約束を守らねばならないか考える
どうしてその約束を守らなければならないのか、約束を守ったらどうなるのかという約束を守る動機を自分の中で作るということです。
「友達と遊びに○○へ行くから」「この資料を作らないと部長が会議で困るから」
と約束を守らなければならない理由を考えます。
課題を自らに課す
自分で自分に課題を出します。
「友達に会ったときにこれを渡そう」「○時までに終わらそう」のように自分でハードルを作って、それをクリアするようにします。
約束を守った後を想像する
約束を守ったらどうなるかを想像します。
友達と遊びに行ってどんな楽しいことがあるか、資料を作成したらどうなるかを頭に思い浮かべます。
忘れていても思い出せる工夫をする
忘れないようにするというより、忘れていても思い出すような工夫をします。
「リマインダー」とも言われますが、例えば紙に書いて机に貼ったり、スマホや携帯のアラームをセットしたり、自分で自分宛にメールをしたり、家族に電話をして「家に帰ったら『○○をする』って言って」とお願いすることで、たとえ忘れていても思い出せるようにします。
約束を守るためにこんなに色々しなきゃいけないのかと思いますが、これだけやれば確かに約束を忘れることはなさそうです。
約束を破れば迷惑をかけ、信頼を失いますから、少々やり過ぎくらいがちょうどいいのかもしれません。
お釈迦さまの教えられた持戒(じかい)
仏教では「幸せになりたければ悪いことはやめて良いことをしなさい」と教えられますが、良いことの1つに持戒(じかい)が教えられます。
持戒とは約束を守ることです。
表裏相応(ひょうりそうおう)、言行一致(げんこういっち)で
「約束を破っていては幸せにはなれませんよ。人が見ていようと見ていまいと、やると約束したらやり、やらないと約束したらやらないようにしなさい。そうすれば幸せになれますよ」
とお釈迦さまは言われます。
記事冒頭の言葉にも、約束を守れば信頼され、約束を破ったら信頼を失うとありましたが、6つの方法を使って約束を破らないようにしたいですね。
まとめ
約束を守るには6つの方法があります。
- 自分で時間を決める
- 自分で場所や手段を選ぶ
- なぜ約束を守らねばならないか考える
- 課題を自らに課す
- 約束を守った後を想像する
- 忘れていても思い出せる工夫をする
これは自分が約束を守るためにも使えますし、論文本来の趣旨であった相手に約束を守らせることにも使えます。
私も6つの方法で約束を守って信頼を築いていきたいと思います。
約束を守って多くの人から信頼されるためには相当の努力が必要です。
こちらの記事もごらんください。
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こんぎつね
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