え、君に任せたのに…|他力本願な人に仕事をさせる3つの方法
こんにちは、デジタルコンテンツ事業部のこんぎつねです。
私はドラえもんが昔から好きなのですが、このまえネット上で
「のび太はすぐにドラえもんを頼って自分では努力をしない他力本願な子どもだ。しかもドラえもんはドラえもんで、すぐに道具を貸すのも良くない。のび太のママはそんな2人の関係を見ているだけで、のび太がテストで0点を取っても、勉強を教えるわけでなくただ叱るだけ。親としてそれはどうかと思う。昔好きだったドラえもんを自分に子どもができてから見たら印象が変わってしまった」
と言っている人があり、そういう考え方もあるのかと少し驚きました。
そういえば私の母も昔そんなことを言っていたような気がします。
でものび太くんに限らず、あなたの周りには自分がやるべきことなのに、人に頼って他人任せにする他力本願な人はいないでしょうか。
もちろん自分では手に負えない仕事だから得意な人を頼るのはいいと思いますが、自分がやることを簡単に人に任せて自分は他ごとをしていたり、反論はするのに代替案は自分で出さなかったり、「誰かできる人いない?」と言われてじっと黙っていたりと自分がやることを避ける人って時々いますよね。
そのような人を部下に持った上司としては、どうすれば動いてくれるのか悩みどころではないでしょうか。
これについて
- 期待アピール
- 口で言わせる
- 選択させる
の3つの方法をお伝えします。
期待アピール
誰でも期待されるのは嬉しいものです。
「どうせおまえは何やらせてもダメなんだ」
と言われるより
「君は優秀だから何をやらせてもうまくやってくれるな」
と言われたほうが嬉しいのは当然でしょう。
そこであなたは他力本願な人に何かを頼むときには
「君ならこれをうまくやってくれるだろうから頼むよ」
と「君に期待してるよ」アピールをします。
1964年、アメリカの心理学者ロバート・ローゼンタールによって発見されたピグマリオン効果という心理効果があります。
ピグマリオン効果とは「指示を与える側が相手に期待することによって相手のやる気が上がる」という効果のことです。
この効果は、期待をする側が「この人はきっとこれをしてくれるに違いない」と思うことで気遣ったり、根気よく教えたりすることにより相手の能力が上がっていきます。
期待される側は「自分はあの人から期待されているからがんばらなきゃ」という気持ちが起き、期待される通りの自分になろうとします。
この双方の心の向きと力により、こちらの指示を相手が聞くようになります。
口で言わせる
私たちには「自分で決めたことは最後までその立場を貫かねばならない」という心理があります。
これを一貫性の原理とか一貫性の法則とか言われますが、これを使うと相手がやりたくないことでもさせることができます。
この力は強力で、朝鮮戦争中に中国軍が捕虜のアメリカ兵に行っていた「洗脳」でも行われていたことです。
中国軍は捕虜に対して、アメリカの悪いところや共産主義のいいところを紙に書き出させ、それを大勢の前で言わせました。
これを続けた結果、アメリカ兵たちは「アメリカといってもいいことばかりじゃないな。共産主義といっても悪いことばかりじゃないな」と思うようになり、戦争が終わって祖国に戻ってもその思想はずっと変わらなかったそうです。
それだけ自分の口で言わせるというのは強力なのです。
自分の仕事を他に任せてしまう他力本願な人には、きちんと自分の口で「私は○○の仕事をいつまでにします」と宣言させてメールでも報告させるのがいいでしょう。
選択させる
あなたはお店に何かを買いに行ったときに店員さんから
「今ならオプションとしてこちらとこちらと選べますが、どちらがいいですか」
とオプションを付けること前提の質問をされたことはないでしょうか。
別にオプションは付けなくてもいいのですが、そう聞かれるとどちらかを選ばなければならないような気がして「じゃあこちらで」と答えてしまいます。
このような質問の仕方を誘導尋問と言い、裁判では禁止されるほど強い力を持ちます。
やり方としては何かをやること前提として質問をすればいいだけです。
具体的にビジネスの場では
「この仕事とこの仕事、どっちがいいかな」
と聞きます。
まだ相手が仕事をすると承諾していないのに承諾していること前提で話を進めてしまうのです。また
「この仕事急ぎなんだけど、今日か明日できるかな」
と聞けばやはり仕事をすること前提の聞き方になります。
相手に「じゃあこっちの仕事をやります」「今日は忙しいので明日やります」と言わせてしまえば、一貫性の原理が働きますから相手はやらざるを得なくなります。
まとめ
上の3つをもう一度まとめますと、
- 期待アピール
- 口で言わせる
- 選択させる
具体的な例では
「○○くん、今急ぎの仕事が2つあって、AとBとどちらかやって欲しいんだけど、どっちがいいかな?(ではAで)じゃあこっちね、ありがとう。今日か遅くとも明日の昼までには終わらせてほしいんだけどいつまでにできるかな?(では今日中に終わらせます)うん、ありがとう。○○くんならこれぐらい余裕でできると思うよ。じゃあお願いね、頼りにしてるよ」
のように何の仕事を、いつまでにやるか自ら選ばせて公言させ、期待していることをアピールするようにします。
これで他力本願な人でも自分で時間内に終わらせずにはいられなくなるはずです。
他力本願とは
先ほどから「他力本願」という言葉を使っています。
この「他力本願」は、一般的には「人任せにする」という意味で使われていますし、私も本文中ではそのような意味で使いましたが、そもそも仏教から出た言葉で本当の意味は別にあります。
このことを知らずに使った政治家や企業や脚本家が批判を受けた例が過去にありますので、正しい「他力本願」の意味も知っておきたいところです。
まず「他力」とはどのような意味かと言いますと、仏教の書物には
他力というは、如来の本願力(ほんがんりき)なり(教行信証(きょうぎょうしんしょう))
「他力とは阿弥陀仏(あみだぶつ)の本願力である」と書かれています。
ここで「阿弥陀仏の本願力」と、新しくわからない言葉が出てきましたが、「阿弥陀仏の本願力」について
阿弥陀仏の本願力とは、私たちの心の闇(苦悩の元凶)を打ち破って、大安心・大満足の心にするお力です。
「親鸞聖人の花びら 藤の巻」より
と仏教の書籍に解説してあります。
以上のことから、「他力本願」とは「阿弥陀仏が持つすべての人を幸福にする力」のことだと言えます。
元の意味は「人任せ」とは全く違う意味ですので、「人任せ」のことは「他力本願」と言わずに、そのまま「人任せ」と言っておくのが無難なようですね。
仏教で言う「他力本願」の詳しい意味はこちらの記事へ
→「他力本願」の誤解と本当の意味とは?|「他力本願」は他人まかせ?
こんぎつね
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