「人生がつまらない」仏教が明かすこの心の正体とは
こんにちは、みさきです。
今年の春に放送されたドラマ「日曜の夜ぐらいは…」の中で主人公が言ったセリフに多くの共感を呼び、SNSで話題になりました。
そのセリフとは
「楽しいことがあると、きついのが耐えられなくなる」
「きついだけの方が楽なんだよ。何も考えなければいいんだし」
「一緒にいて楽しい友達とかができるときつい」
というものでした。
ドラマの中で「楽しいって、きつい」と言う主人公に、周りの人は驚きを隠せない様子でした。
ふつう私たちの営みは、人生に楽しみ、幸せを求めてのことです。
やりたい仕事を見つけ努力するのも、趣味や生きがいに打ち込むのも、子育てを最優先にするのも、私たちの日々の行動のすべては、幸せになるためです。
自分にとって楽しい何かを求めることが、充実感にもなります。
ところが主人公は「楽しいって、きつい」と言うのです。
それを聞いた周りの人は驚きを隠せない様子でした。
1話目で、あるイベントで3人の若い女性が知り合い、会話がはずみ、楽しい一日を過ごします。
帰り際に、1人が「LINEを交換しましょ!」と声をかけますが、主人公は「だんだん連絡が来なくなるのがイヤだから」と拒否します。
今はLINEで簡単に繋がることができますが、連絡が来なくなったり、既読のまま返信がなく、寂しいと感じる人も多いのだと思います。
楽しいことが崩れてしまう空しさや寂しさが、自分の人生の一場面に重なった、と共感した人が多かったことが、このドラマの反響を呼んだのかもしれません。
仏教で「求不得苦(ぐふとっく)」という人生の苦しみを教えられています。
求めることが得られない苦しみのことです。
オリンピック選手が金メダルを獲得したいと求める。
学者がノーベル賞を求めて、研究する。
億万長者になりたいと富を求めて、起業する。
このような偉業を求めている人たちは、狭き門なので得ることは大変だと納得しますが、仏教では「求不得苦」は、すべての人に共通する苦しみだと教えられています。
これから夢に向かって頑張ろう、という時に事故に遭い、夢を失った。
競争の激しい就職活動を乗り越えて就職した一流企業が倒産。
20数年、大事に育ててきた子供が就職、結婚して自分の元から離れていく。
40数年汗水流して勤めてきた会社を定年退職、その後、生きがいが無くなってしまった。
可愛がっていた愛猫が死んでしまった。
などの大きな悲しみ、喪失感もありますし、
些細なことで言えば、LINEで連絡先を交換したのに、メッセージが来なくなった、というのも友人とのつながりに喜んでいたのに、途絶えてしまった寂しさです。
大切に、大事にしている人間関係や物ほど、自分から離れていったときの苦しみも大きくなります。
自分にとって幸せや楽しみだったものが、やがては自分から離れていく。
求めている幸せがいつか壊れるのが分かる、その時に苦しい思いをするくらいなら最初から期待しなければいい、という価値観に共感する人があるのでしょう。
仏教では、この世のすべては諸行無常で、手に入れたものすべては、いつ崩れてもおかしくはない、薄氷を踏むようなものだから不安が無くならないと説かれています。
そんな不安な人生に、心から手に入れてよかったと思える最高の幸せとは何か。
仏教は、問題提起し、私たちの人生に大きなヒントを与えてくれます。
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みさき
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