なぜ線香を立てるのか?|線香の香りに見る自己の姿

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心穏やかアドバイザーのヒロカズです。
仏壇の前に座り、線香を立てると良い香りが漂います。
亡くなった人を思い出すと悲しくなる心が線香の香りで落ち着くということがありますが、今回は線香を立てる意味について香りを通して考えてみたいと思います。

香りと臭いについて

一般的に良い香りは嫌な臭いをかき消す為に用いられています。
スメルハラスメントと言われるくらい臭いの取り扱いには敏感な人が多く、人付き合いの中で大きな影響を与えているものが『におい』です。

消臭剤や香水がいろいろあるのはその為ですし、香りによって交渉を有利に進めている人もあるかもしれません。

あるコーヒー店がイベントの出店で販売をしていた時、その場でコーヒー豆を挽いて入れたコーヒーの時に一番、長い列ができていました。
ちょうど花の香りに蜂や蝶が集まるように、コーヒーの香りに惹かれて人が集まってきた光景が目に焼き付いています。
「コーヒーは香りを楽しむ」と言われるくらい、香りが人に与える影響は大きいのでしょう。
逆に言えば、嫌な臭いは人に大きな悪い影響を与えます。

線香を立てる意味を考える

仏前で線香を立てるのも嫌な臭いをかき消す為だと言われています。
たとえ、身なりを整え、香水をつけ、スーツを着て仏前に座ったとしても仏前では線香を立てます。
仏前で線香を立てる意味とは、どれだけ身なりを整え香水をつけても、私たち人間は穢れた身であることを知らせる機会なのかもしれません。
線香は亡くなった人の為に立てるのではなく自分自身に向けて立てるものなのでしょう。

いつでもどこでも変わらない人間の姿

浄土真宗の開祖、親鸞聖人は人間のことを「有漏(うろ)の穢身(えしん)」と言われています。
有漏とは仏教で煩悩(ぼんのう)のことを言われますので、「有漏(うろ)の穢身(えしん)」で「煩悩で穢れているのが人間」「煩悩で苦しんでいるのが人間」だと言われています。
有名な古典の『歎異抄』(たんにしょう)の中には「煩悩具足(ぼんのうぐそく)の凡夫(ぼんぶ)」と記され、煩悩でできている、煩悩100%が人間(凡夫とは仏教で人間のこと)だと教えられています。

煩悩については以下に詳しく書かれてありますので、参照してもらいたいと思います。

どうせなら、「怒り」を「喜び」に転じてしまおう(1から分かる親鸞聖人と浄土真宗)

まとめ

葬式や法事の時、線香の香りとともに自己の姿に思いを馳せ、真剣に人生で求めるべきものと向き合う機会になれば、亡くなった人もきっと喜ぶことになるでしょう。

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ヒロ☆カズ

チューリップ企画のヒロ☆カズです。 31歳で肝臓の病気にかかり、2度の入院を経験しました。朝起きて仕事に行く。休日は友人と出かけるという当たり前の日常を失い、初めて、朝起きて仕事に行けることが当たり前でないことに気が付きました。 当たり前の1日がかけがえのない1日であることに気づけば、悩みが感謝の心へ変わるのかもしれません。闘病中に読んだ本や勇気をもらったさまざまな言葉からヒントを紹介したいと思います。
心が穏やかになった人へ
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