『ディア・ファミリー』から学ぶ|限りある命が教えてくれる人生で本当に大切なこと
こんにちは、みさきです。
生まれつきの心臓疾患で、9歳の時に余命10年と宣告された娘と家族の実話を原作にした映画『ディア・ファミリー』が話題を呼んでいます。
この作品は、ただ悲しみを描くのではなく「人生とは何か」「諦めないことの真の意味は何か」「家族とは何か」多くの重要なメッセージが詰まっていて、とても心に響いてきました。
人生のタイムリミット
9歳で余命10年を宣告された娘を「必ず助けたい!」
父親である主人公は、自分で人工心臓を10年で作り、娘を助けると決意し、壮絶な挑戦に挑みます。
医療従事者でもない、何十億という莫大な研究費、人の命という倫理的な課題・・・という誰もが不可能という挑戦を、 自分が娘を必ず助けるという一心で突き進む「絶対に諦めない父親」の姿に驚き感動します。
人工心臓研究をしている医科大学の協力を得て、そこの研究者たちも一生懸命なのですが、それでも娘の親は「若い研究者たちはみんな真剣だけれど、タイムリミットがない」と言います。
娘には10年のタイムリミットがあるから、最優先に、もっと真剣に急がなくてはならないのに、そこまでの気持ちが 研究者たちにはないことが歯がゆくて、沈痛な面持ちになるのでした。
普段、私たちは健康でいる間は、なかなか人生のタイムリミットを意識することはありません。
「明日も生きている」ことが当たり前で、今、考える必要がないと思っているからです。
自分もいつかは死ぬとは納得していても、まだまだ先のことだと先送りにして、自分の死について考えようとはしていません。
自分自身や大切な家族が深刻な病気を患ったときに、初めて人生にタイムリミットがあり、 近づいていることを意識します。
すべての人に人生のタイムリミットがある
仏教に「老少不定」という言葉があります。
「老少不定」(ろうしょうふじょう)とは、老いも若きも定まらず、ということで、「老いた人が先に死に、若い人が後になるとは決まっていない」という意味です。
死ぬのは老いた人からとは限りません。
死ぬ順番と年齢は明確ではありません。
私たちは健康なときは、平均寿命までは生きるつもりでいて、現在が30才ならあと50年はあると思っています。
しかしそれはあてになるでしょうか。
「老少不定」であることは毎日のニュースからも知らされます。
交通事故、震災、通り魔、病気・・・・・・
若い人でも、突然「死」が迫ってきて、人生を一変させられてしまうことがあります。
普段は死はまだ先の向こう側にあると思っていますが、実は日常の中に潜んでいて、自分の人生のタイムリミットも突然やってくるかもしれないのです。
限りある命が教えてくれる人生で本当に大切なこと
人生のタイムリミットを意識することは、本当に人生で大切なことを見つけるのに大事なことだと、仏教で教えられています。
「無常を観ずるは菩提心の一(はじめ)なり」
「死をみつめることは、本当の幸せのはじまり」だということです。
映画『ディアファミリー』は、「絶対に諦めないお父さん」の、一刻も早く人工心臓を、と毎日を全力投球で行動し、挫折にもくじけないその姿に、娘も妻も感動し、家族中が強い絆をつくり、23年の娘の人生に夢と希望を与えていく家族の奇跡の物語でした。
限りある命の人生で、本当に大切なことを見つけ、そこに全力を注ぎたいですね。
みさき
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