親友が「死にたい」と言ってきたら、自信を持って自殺を止められますか

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こんにちは。伝わる技術研究家のみさきです。

「死にたい」と訴える子供にどうしてあげたらいいか分からないと悩む親の声、あるいはうつ状態の夫が自殺するのではと不安な奧さんの声を、ネットや新聞の人生相談などで見かけることがあります。

私にも身近な友人から「死にたい」と聞いたことがあり、戸惑った経験があります。

親友が「死にたい」と打ち明けてきたら、どう止めますか

大学時代の親友がこんなことを言ってきました。

生きる意味がわからずに、ただ生きている。
何のために生きているのか。
いっそ死んでしまったほうが楽なんだろうか。

普段、隣に座って授業を受けたり、学食を食べながら笑いあっていた親友の衝撃的な言葉に、思考が止まったのを今でも覚えています。

彼女は場を盛り上げるのが上手で明るい性格だったのですが、時々、授業中にイヤホンをして、小さなノートにぎっしり文字を書いていました。そして、まだ授業が残っているのに途中で帰ってしまうことも何回かあり、何か思い悩んでいるように見えました。
「何か悩んでいるの?」と私が声をかけた時に彼女が返してきた言葉でした。

思いもよらなかった彼女の言葉に、何を言ったらいいかわからなくなり、「〇〇がいなくなったらすごく悲しいよ」としか言えませんでした。

あとで一人になった時、どう言えばよかったのか考えましたが、「生きている間にはきっといいことがあるよ」「親より先に死んだらダメだよ」「一度きりの人生だよ」といった、曖昧でたよりない言葉しか頭に浮かばず、彼女の力になれるような言葉は見当たりませんでした。

それから自殺を考えている人にどんなアドバイスをしたら良いのか、他人に聞いたり、何冊か本を読みました。
自殺を考えている人にアドバイスはいらない、ただ話を丁寧に聞けばいいと書いてある本が多く、親身に話を聞くことが大事なのだなと学びました。
しかし一時的に相手の心を落ち着かせることはできても、それでいいんだろうか、という気持ちにもなりました。
相当悩んで苦しんで「死にたい」という思いまでに至ったのだろうと思うと、「死にたい」という気持ち以上に、強く心を動かす何かが必要な気がしたのです。

「死にたい」という心から見えてくること

去年(2018年)の日本人自殺者は2万598人。(厚生労働省データより)
1日に60人近くの人が自ら命を絶っています。
これは交通死亡事故の約4倍です。
自殺未遂者となると、なんと53万5000人です。(日本財団データより)
その数は自殺者の20倍以上もいるのです。

その人たちが「死にたい」という理由は、健康問題・家庭不和・倒産失業・災害・離婚・死別・介護・いじめ・人間関係などさまざまです。

以下は自殺未遂経験のある人が語られていた声の一例です。

看病をしている最愛の妻が生きているときは、ひとりぼっちにさせないという目標がありましたが、妻が逝ってしまった今、この先どう生きていったらいいかわかりません。

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タクシー運転手を7年していましたが、仕事が少なくなり、住宅ローンのことが不安になり、それが理由で夫婦仲が悪くなりました。このまま生きていくのが辛いです。

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母と二人暮らしですが、認知症を患った母の介護に疲れ果てて、一緒に死のうかと思ってしまいました。

そんなに人は強くありません。
生きがいを失ったり、裏切られてしまうと、「こんなに苦しい思いまでして、なんで生きなければならないのかな」と、思い詰めてしまうのでしょう。

自殺を止めるのに知っておいたほうが良いこと

そんな人に「生きていればいいことがあるよ」「産んでくれた親より先に死んだらダメだよ」と言っても、「じゃあ、頑張ろう」とはなかなか思ってもらえないでしょう。
やはり本人が真に「自殺をやめよう、生きるんだ」と決意するには「死にたい理由」に勝る「生きる理由」が必要ではないでしょうか。

では、絶対に自殺してはいけない理由、生きる目的はあるのでしょうか。

仏教にはその「死にたくても絶対死んではいけない理由」が教えられています。
それが「天上天下 唯我独尊」というお釈迦様の言葉です。

とても有名な言葉ですが、意味を誤解している人が多いようです。
「唯我独尊」を辞書で調べると、”世の中で自分だけがすぐれている”と説明されているので、お釈迦様がご自分のことを「私一人が偉いのだ」と言われている言葉のように誤解しています。

本来の「唯我独尊」の意味に、全くそんな意味はありません。
「我」はお釈迦様お一人のことだけではなく、私たち、すべての人間のことです。
「唯我独尊」とは、「ただ我々人間だけが果たせるただ一つの尊い目的がある」という意味です。
だから「天上天下 唯我独尊」とは、私たち人間にはこれを果たすまでは絶対死んではいけない、たった一つの尊い目的(独尊)がありますよ、と宣言されたお釈迦様のお言葉なのです。

お釈迦様が「すべての人に、尊い、かけがえのない人生の目的があるから、それを果たすまで生き抜きなさい、絶対自殺してはいけませんよ」と教えてゆかれたのが仏教です。

「天上天下 唯我独尊」の言葉の後には「三界皆苦 吾当安此」と続いています。
この意味については長くなりましたので、次の記事にゆずります。
詳しく知りたい方は続けてご覧ください。

「天上天下 唯我独尊」お釈迦様の誕生日は4月8日

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みさき

はじめまして、みさきです。 チューリップ企画で「動画で学べる仏教」を制作しています。 10年間、旅のプランニングの仕事を通して、幅広く多くの方々とお話してきました。旅には各々の想いがあり、じっくりとお話をしながら旅のお手伝いをしていきます。人と関わる中で人間関係で悩んでいる人が多いことを知りました。 8年前に仏教とご縁があり、人間の心についてずば抜けた洞察の深さに感動して、今の仕事に至っています。日常の悩みについて仏教ではどう教えられているかを発信してゆきたいと思います。
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