妻を亡くしたことを悲しみで終わらせないために|仏教に学ぶ生きる意味
いつもお読みいただきありがとうございます。
お悩み解消研究家のわかです。
「妻を亡くして生きる意味が見いだせません」
そのようにお電話を頂くことがあります。
ひどく落ち込んだ声に、その悲しみの大きさが表れているようです。
大切な人との別れは、誰しも決して他人事ではありません。
中でも、長年連れ添った奥さんとの別れは、受け止めるのがとても難しいことだと思います。
今回は、妻を亡くした悲しみにどのように向き合っていけばいいのか考えてみたいと思います。
なぜこんなにも悲しいのか
男性にとって、妻を亡くした悲しみは特に大きいそうです。
いろいろと理由はあると思いますが、妻がそれだけ大きな心の支えとなっていたからなのでしょう。
愛する人や物との別れを仏教では「愛別離苦(あいべつりく)」と言われます。
愛する人や物は、私たちに幸せを届けてくれるもの。
しかし一方で、大切にする気持ちが強ければ強いほど、失う悲しみは大きくなります。
妻を亡くした悲しみがこんなにも大きいのは、それだけ大切な存在だったということの表れなのです。
別れはいつも突然としか感じない
「会者定離 ありとはかねて 聞きしかど 昨日今日とは 思わざりけり」
浄土真宗の親鸞聖人が、恩師と慕う法然上人の元を去らねばならなくなったときに詠まれた歌です。
私たちが別れの悲しみに直面する時も、同じことを思うのではないでしょうか。
仏教にはすべてのものは続かないという「諸行無常(しょぎょうむじょう)」が説かれています。
ですから、出会いがあったならば必ず別れが訪れることは親鸞聖人も知っておられたと思います。
しかし、それがまさか昨日今日やってくるものとは思ってもいなかった、と言われているのです。
大切な人とはいつまでも一緒にいたいと思えばこそ、別れが来るなんて考えたくないものです。
しかし、その時は必ずやってきます。
考えないようにしていたところへやってくる別れは、いつだって突然にしか感じないでしょう。
妻が教えてくれる限られた人生
私たちは、命に限りがあるということは知っています。
しかし、その事実をありのままに受け止められる人が果たしてどれだけあるのでしょうか。
4歳でお父さん、8歳でお母さんを亡くされた親鸞聖人が、9歳の時に詠まれた次のような歌があります。
「明日ありと 思う心の 仇桜 夜半に嵐の 吹かぬものかは」
明日もきれいに見ることができると思っていた桜は、夜中に吹いた一陣の嵐であっという間に散ってしまった。
人の命はこの桜の花よりも儚いものと言われますが、明日自分の命がないかもしれないとはどうしても思えないのが私たちです。
親鸞聖人は、ご両親の死をご縁に、次は自分の番だと考えられたそうです。
同じように、妻を亡くした悲しみが縁となって、自分の人生を真剣に考えるようになったと言われる方があります。
それは、妻を亡くしたという悲しい経験を通して、自分の命にも限りがあることが身に染みて感じられてくるからなのかもしれません。
妻を亡くしたことを悲しみで終わらせないために
身近な人の無常を縁に、仏教を学んでみたいと思われる方はとても多いです。
仏教にはなぜ悲しくても苦しくても生きていかなければならないか、その答えが教えられていますから、学べば学ぶほど生きる意味が分かってきます。
妻を亡くしたという経験は、とても悲しいことです。
生きる気力を失ったと言われる方もありますが、それは無理のないことだと思います。
しかし、あなたが意気消沈して、元気をなくした姿を見て、奥さんはどう思われるでしょうか。
決してそんな姿は望んでおられないと思います。
妻を亡くしたという現実を受け止めきれず、悲しみに沈む時期はしばらくあると思います。
ただ、その悲しみを悲しみのまま終わらせては、奥さんも悲しまれるのではないでしょうか。
この悲しみをご縁に、自分の人生を見つめて生きる意味が分かったなら、生きる力が出てきます。
大切な奥さんにも、より心から感謝できるのではないでしょうか。
まとめ
妻を亡くした悲しみは簡単に癒えるものではありません。
世の中には、大切な人を亡くし悲しんでいる人がたくさんおられますが、悲しみをご縁に、人生について真剣に考えるようになる方も多いようです。
「憂きことも 悲しきことも ご方便」
生きる意味が分かれば、この悲しみもこれを知らせるための方便だったのか、と、奥さんにより感謝できるかもしれません。
わか
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