他人の意見を気にしないようにするには?立場によって見方はさまざま


いつもお読みいただき、ありがとうございます。
お悩み解消研究家のわかです。

「自分の好きな作品を、別の人が面白くないと酷評していて悲しかった。その意見を見てからしばらく落ち込んでいる」
知人がこのように話していました。

自分の気に入っているものを他の人が悪く言っていたら、当然ショックでしょう。
できれば気にしないようにしたいですが、それにはどう心がければよいのでしょうか。

今回は、他人の意見を気にしないための考え方について書きたいと思います。

10人いれば10通りの意見がある

ほんの10年か20年前までは、他人の意見を聞く方法は限られていました。
周りの家族や友人、知人同士で会話をする中で知る。
もしくはテレビやラジオ、本などをとおして、著名人の意見を知るなどです。

ところが、今はSNSが普及し、個人が自由に自分の意見を発信できる時代です。
私もまったく会話したことのない、赤の他人の感想などをよく目にするようになりました。

私たちは、一人ひとりが異なる人生を生きています。
当然ながら、同じ作品を見ていても、同じものを食べていても、一人ひとり感じ方は異なるのです。
その中には肯定的な意見、否定的な意見、さまざまなものがあるでしょう。

10人いれば10通りの意見があるので、母体数が増えれば、それだけさまざまな意見に触れることになります。
SNSにより、自分と真逆の生き方をしてきた人の意見も目に入るので、衝撃を受けることも少なくないかもしれません。

まず、世の中にはさまざまな受け止め方があるという点を知っておくのは大切なことでしょう。

人の言うことに「絶対」はない

意見を言う人の中には、発言力の強い人、影響力の強い人がいることもあります。
それらの人の言葉にショックを受けることもあるでしょう。

しかし、その時に覚えておきたいのは、絶対正しいことを言える人は一人もいないということです。
聖徳太子の十七条憲法の中に、このような言葉があります。

「我必ず聖に非ず。彼必ず愚かに非ず。共に是れ凡夫のみ」
(私がいつも正しい訳ではない。相手がいつも間違っている訳でもない。
私も相手も、ともに凡夫、誤った判断をする人間である)

仏教では人間を「煩悩具足の凡夫」と言われますが、例外なく欲や怒りの煩悩に動かされているのが私たちです。
どんなに影響力が強くても、立場がある人でも、私たちはお互いに凡夫(人間)という点では同じなのです。

自分のことで考えてみても、都合によってAと言う日もあれば、Bと言う日もあります。
それが正しいから言っているのではなく、ただ単に自分に都合のいいものを肯定し、都合の悪いものを否定しているだけです。

そう考えれば、変に他人の意見に喜んだり落ち込んだりする必要はないと思えるのではないでしょうか。

他人の意見から学べることもある

ただ、まったく他人の意見を聞き流していいかというと、そうでもありません。
他人の意見を聞くことで、自分にはない視点をもらえることもあるからです。

意見に耳を傾ける時には、相手がどういう思いで言っているのかを確認するのが大切だと思います。

たとえば一つの映画について話をする時、私は面白いと思ったけれど、AさんとBさんは否定的な評価だったとします。
好き嫌いだけ聞くと落ち込みますが、このときに理由を掘り下げてみると、意見の受け止め方が変わってきます。

Aさんは、主演している俳優が好きではないので、映画も面白くなかったと言いました。
これは完全にAさんの好みの問題なので、私が気にしても仕方のないことです。

一方Bさんは、俳優の演技や音楽は良かったけれど、最後の終わり方が納得いかなかった。
もっとこういう展開ならば楽しめたと思う、と言いました。
理由を聞くと、「自分は全然別のところを楽しんでいたけど、映画にはそういう見方もあるんだな」と思えるかもしれません。

自分と正反対の意見を持つ人は、自分にはない新しい視点をくれる人とも言えるのです。

一定の距離を保つことが大事

人が言うことに絶対ということはない。
一方で、他人の意見から学べることもある、とも書きました。

他人の意見を重視しすぎると疲れるし、かといって完全に流してしまっては学びがありません。
一定の距離感を保って、受け取るべきところは受け取る、受け取る必要のないことは流すことが大切です。

趣味嗜好は人それぞれですし、人がどれだけ言ったところで好きなものを嫌いになれないし、嫌いなものを好きにはなれません。
他人と自分の好きなものは違って当然、感動するところは違って当然と受け止めればよいと思います。

また、自分が選択に迷ったとき、他人に意見を聞くことがあるでしょう。
この時、相談した相手の数だけさまざまな意見が出てくるはずです。

忘れてはいけないのは、最後に決めるのは自分だということです。
他人は意見はくれても、私の選択に責任を持ってくれるわけではありません。
参考にできる意見を受け取って、判断材料程度に考えておくのがよいのではないでしょうか。

まとめ

人の意見は十人十色とはよく言われますが、同じものを見ていても、受け止め方は本当にさまざまです。
特に今は、個人が自由に思いを発信し、見ず知らずの人の意見も確認できる時代。
価値観のまったく違う人の意見に触れることも多いでしょう。

そんな時に大切なのは、他人の意見とは一定の距離を保つこと。
意見を鵜呑みにするのではなく、参考程度に考える。

そうすることで、必要以上に落ち込んだりすることも減っていくのではないでしょうか。

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わか

チューリップ企画コールセンターのわかと申します。 静岡の温暖な気候の中で育ったせいか、のんびりと構えていることが多く、周囲からはよく「いつも安定しているね」と言われます。 日常の様々な出来事を物語化することが好きです。学生時代、家ではほとんどの時間を机の前で過ごし、ノートに散文を書きためる日々を過ごしていました。そんな小さい頃からの癖で、日常の出来事を無意識に観察していることがあり、見ているうちに周囲の人間関係も客観的に把握することができるようになりました。 今まで見てきた人間関係、自分自身の悩んだ経験や、日々の電話応対の中でのお客様の声などを通して、皆様の悩みに寄り添える記事を書いていきたいと思います!
心が穏やかになった人へ
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