大切な家族や友人の「心の重石」を取り除く存在になるには
こんにちは。みさきです。
梨木香歩の小説に、クラスのいじめにあい、親から転校を勧められ、悩んでいる中学生の孫娘にお祖母ちゃんがこう諭す場面があり、心に残りました。
自分が楽に生きられる場所を求めたからといって、後ろめたく思う必要はありませんよ。
サボテンは水の中に生える必要はないし、蓮の花は空中では咲かない。
シロクマがハワイより北極で生きるほうを選んだからといって、だれがシロクマを責めますか。
こういうおばあちゃんのような存在は子供にとって大事だなと思います。
そもそも子供のいじめを大人は軽視しがちです。
大人からすれば、事業失敗による借金の苦労や、リストラ、癌になった、離婚問題など、もっとヘビーでディープな案件に悪戦苦闘しているので、子供が無視されたとか、嫌がらせを受けたと知っても、たわいもない子供同士の感情のもつれだと受け流してしまうのです。
ところが子供にとっては決してそれは軽い問題ではない。
子供には狭いクラスが世界のすべてというところがあって、そこでいじめに遭うとこの世の終わりのような絶望感が襲います。
「たかだか一年間のことではないか」
「いざとなれば転校してリセットしてもいいんだし」
「クラスの誰かから否定されても別にすべての人から否定されたわけではないんだから」
と、大人は視野を広く持って考えることができます。
しかし子供はなかなかそういう視点を持てません。
子供にとっての一年間は十分長いし、いじめで転校なんてダメな人間と思い込んでしまって、我慢するしかないと耐え、限界に達すると「死のうか」と思いつめてしまいます。
そこはこのおばあちゃんのような大人の存在が、人生にはいろいろな選択肢があることを示してあげなければならないのだと思います。
これは大人も一緒です。
上司のパワハラやノルマのストレスから心を病む人もありますが、「どうしたら上司とうまくやれるか」「どうしたらノルマを果たせるか」「どうしたら、どうしたら」と悩む人に、場合によってはそのストレスの元であるその上司のいる部署から違う部署に変えてもらうとか、営業ノルマのない部署に変えてもらうとか、しかるべき立場の人に相談してもいい。
または、会社を辞めてもいい。
会社を辞めて個人で稼げる道もいくらでもあるし、なにしろ人生はその一本道ではないことをアドバイスする人が時に必要なのです。
人生のいろいろな選択肢を提供できる幅広い視野を持つ人間が近くにいることは、幸せな人生を歩むに大切なポイントの一つといえるかと思います。
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