どうして心が寂しいの?|幸せになれない自分から抜け出したい人へ
こんにちは。”伝わる”技術研究家のみさきです。
先日テレビで、合気道に惚れ込んで単身、日本にやってきた20代のロシア人女性が紹介されていました。
現在は、茨城県の安アパートに住まいし、道場で朝5時から21時過ぎまで練習に励んでいるそうです。
彼女は子供の頃から学業優秀で、両親にとって自慢の娘でした。
大学卒業後はモスクワで外交官として勤め、将来を約束された輝かしいエリートでした。
ところが数年後、彼女は官僚のキャリアを捨て、日本で合気道を学びたいとご両親に打ち明けます。
ご両親は、彼女の決断に驚きました。
「なんでこんな安定した仕事を辞め、そんな不安定で苦しい道を進むのか」
猛反対するご両親を押し切って、ロシアの地を発ったのでした。
周囲からは順風満帆(じゅんぷうまんぱん)に見えた彼女の人生を変えたものは、いったい何だったのでしょうか。
「幸せとは何か」と聞かれたら
彼女の周りは、親も、友人も、恩師も、なんで今の幸せをもっと大事にしないのか、と言ってきたそうです。
しかし彼女にとって外交官の仕事は「とても幸せとは思えなかった」のです。
同僚との競争をあおられ、焦燥する日々。
憎しみや嫉妬が常にうずまく職場。
ずっと苦しくて耐えられなかったものでした。
そんなときに、友人から紹介されたのが合気道だった、とのこと。
”平和の武道””守りの武道”といわれる合気道に興味が膨らみ、本格的に学びたいと思うようになって、日本行きを決意するにいたったのです。
現在の夢は、合気道をしっかり学んでロシア人に広めることだ、と笑顔で語っていました。
彼女の姿は「幸せとは何か」考えさせられるものでした。
お金があり、名声が高い人は、周りからは幸せに見えますが、幸せとは、本人の心が決めること、人が決めることではない、と当たり前のことですが、改めて間違えてはならないことだと感じました。
私の幸せを決めるもの
以前読んだ『ハーバードの人生を変える授業』にもこんな言葉がありました。
富でも名声でもなく、幸せこそが人生の価値を決める究極の通貨だ
おカネや名声があるから幸せなのではない。
周りがそう言ってくれるから幸せなのでもない。
自分の心が「幸せだ」と思うかどうかです。
私たちは日々、幸せを求めて生きていますが、忙しい日常に追われているうちに、一番肝心な「自分の幸せとは何か」を考えることを忘れてしまっているのかもしれません。
「私にとって幸せとは何か」を明確にしておかないと「私自身の幸せ」を他人の評価や思い込み、古い常識に委ねることになってしまいます。
毎年、都道府県の幸福度ランキングが発表されています。
年間収入や就業率、健康状態、教育環境などから決められており、私の住む富山県は幸福度ランキング5位でした。(2018年 日本総合研究所データより)
一方で自殺率も全国6位と、高い県です。
幸福度は客観的な指標ですが、幸福度が高い県だからといって、すべての県民が幸せとはいえないことが分かります。
幸せはあくまでも、その人の心の問題です。
幸せの第一歩を踏み出すのに大切なこと
世界三大聖人のトップにあげられるお釈迦様も、シッダルタ太子とよばれる20代の頃に「幸せとは何か」に非常に悩まれた方でした。
シッダルタ太子は、インドの国王の御子息で、大変裕福な身分でした。
さらには子供の頃から文武両道で、世間の評価は高まる一方でした。
しかし成長されるにつれ、太子は物思いにふけることが多くなりました。
心配した国王は、太子にあらゆる贅沢、娯楽を与えますが、太子の顔はまったく晴れません。
それならばと国王は、インド一の美女といわれたヤショダラ姫と結婚をさせますが、太子の暗い表情が変わることはありませんでした。
財産・地位・才能・妻子に恵まれ、世の人がうらやむ境遇のシッダルタ太子でしたが、ご自身の心を見つめられると、幸福を感じられなかったのです。
「何が足りなくて、こんなにむなしいのか」
「誰もが幸せだと言うほど恵まれているのに、どうして心が寂しいのか」
心から満足できる本当の幸福を知りたいと、ついに29歳の時、城を飛び出し、山奥深く入られました。
そして35歳の時、ついに仏のさとりを開かれ、お釈迦さま、ブッダとなられたのでした。
それから80歳で亡くなられるまで、仏として教えられたことが仏教です。
シッダルタ太子のエピソードでも、幸福は他人の評価や価値観に委ねるものではないことを、今日の私たちに教えてくれているといえます。
昔、あるお金持ちの男がお釈迦様の教えを聞いて、本当の幸せとは何かを気付かされたという有名な話があります。ぜひ読んでみてください。
みさき
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