「どうして私だけが苦しむの」と悩む学生の心が晴れた仏教の教え
こんにちは。こころの悩みサポーターのこうへいです。
最近、御朱印がブームになっている影響か、仏教に関心を持つ若い人が増えているようです。
先日も仏教講師を招いての講座に学生さんが参加していました。
講座の後に参加者でお茶を飲みながら話をしていると、その学生さんがこんなことを言っていました。
「僕は今、大学の寮に住んでいるんですが、夜遅くまで隣の人が友達と飲み会をしているのか、うるさくてなかなか眠れなくて困ってるんです。注意をしても全然効果がないし。どうして僕だけがこんなつらい思いをしないといけないんでしょうか」
夜にしっかりと眠ることができないと心身共にまいってしまいますから、この学生さんの悩みはよく分かります。
「どうして自分だけがこんなにつらい思いをしなければならないのか」
この学生さんに限らず、トラブルに巻き込まれ、つらい思いをしている人は同じように思うのではないでしょうか。
その時に仏教の講師の方からこんな話がありました。
私の運命は私の行為の生み出したもの
仏教では私たちの運命は自分の行いによって決まると教えられているんですよ。
自業自得という言葉がありますが、これは仏教の言葉なんですよ。
「業」という字は仏教では「ごう」と読みますが、これは行いのことです。
ですから、自業自得とは、自分のやった行いが自分の運命を生み出すのだということです。
○○君が隣の人がうるさくて苦しんでいるというのは、そもそも大学の寮に住むことを選んだからではないかな。
大学の寮の場合は、家賃は他と比べて安いけれど、同じ大学の学生ばかりが住んでいるし、飲み会をする人もあるなど、考えられたことだったんじゃないかな。
アパートとか他の下宿先を探すこともできたのに、それでも寮を選んだのは○○君ではなかったのかな。
もちろん、隣の人が全く悪くないと言っているわけではないよ。
仏教では、縁と言って、私たちの行いが運命を生み出すのを助ける働きのあるものを言います。
ちょうど、米を作るには、まずモミダネがないと米を作ることはできませんね。
ではモミダネさえあれば、米は収穫できるでしょうか。
モミダネを机の上に置いておいても米はとれませんね。
モミダネが米になるのには、土や水、日光、肥料などがないと米はできませんね。
それら土や水にあたるのが、縁なんです。
隣で夜遅くまで飲み会をしている人は悪い縁ですから、寮を管理している所があるはずだから、控えるように注意してもらうことも大切なことですよね。
だけれどもあくまで、私の行いに原因があるわけだから、「どうして自分ばかりが」と隣の人に腹を立てたり、恨んだりしても自分が余計に苦しむことになりますよ。
この話を聞いたその学生さんは、「確かに寮を選んだのは僕でした。何だかスッキリして心が軽くなったようです」と喜んでいました。
まとめ
私たちは、つらい思いをしている時に「あいつのせいだ、こいつが悪い」と他人を恨み呪うと、余計に苦しみが深まっていきます。
「自分の行いに原因があった」と知らされると不思議と心が軽くなるものです。
今回はある大学生の悩みを通して、自業自得ということを話しました。
仏教で教えられる「自業自得」の教えは実はもっと深いものです。
仏教の教えがよく分かるとこの学生さんのように心の向きが変わります。
詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
「自業自得」の正しい意味は?|自業自得の語源
こうへい
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