知恵を持って、嫌いな同僚の言動にストレスフルな日々から脱出しよう
こんにちは。”伝わる”技術研究家のみさきです。
嫌いな同僚に「売り言葉に買い言葉」になっていませんか?
30代の友人から聞いた話です。
彼は介護施設で働いているのですが、職場に口うるさい50代のパートの女性がいて、いつもイライラさせられるとのことでした。
最近ではこんなことがあった、と彼が言うには、その職場では夜勤の人が朝になると、窓を開ける取り決めがあるそうですが、ある夜勤明けに、彼がうっかり1つの窓を開け忘れたそうです。
するとそのパートの女性がとても不機嫌そうに、刺々しい口調で
「開け忘れてましたよ。ちゃんとしてください」
と注意してきた、とのこと。
「自分も今まで夜勤明けの人が窓を開け忘れてるのを発見したことがあったけれども、そんな時は自分が開ければいいだけの話なんですよ。
いちいち目くじら立てて指摘することでもないんです。正直、何だ、その言い方は、と思いましたよ」
と彼も相当カチンときたようで、女性の言葉を無視したところ、その女性が「わかったんですか」とムキになってきたそうです。
「この1回だけではない。今までも何度も、こんなことばっかり」
と訴える彼の表情は、怒りが冷めやらず、という様子でした。
その女性は、仕事に責任感を持って取り組んでいる人なのかもしれませんが、刺々しい言い方のために、相当人間関係で損をしていると思います。
また彼もこんな時、売られた喧嘩を買うような態度を示さなければいいのに、損をしているなと感じました。
相手の態度にムッとしても、そこで相手と喧嘩したり、不機嫌な顔をしてしまえば、それは相手の売った喧嘩を買ったことになります。
嫌いな同僚のストレスが爆発しそうな時に思い出したい|お釈迦様と邪教徒のエピソード
この話を聞いて思い出したお釈迦さまのエピソードがあります。
あるとき、邪教徒の若い男がお釈迦さまの所に来て、さんざん悪口を言い、ののしった。
黙って聞いておられたお釈迦様は、男が言い終わると、静かにたずねられた。
「おまえは祝日に、家族や親せきたちを招待し、もてなすことはあるか」
「そりゃ、あるさ」
「親族がそのとき、おまえの出した食べ物を食べなかったらどうする」
「食わなければ、残るだけさ」
「私に対して悪口を言い、ののしったとしても、私がそれを受けとらなければ、その悪口は、そこに残るだけで、誰のものにもならない」
「いや、いくらあんたが受けとらなくとも、与えた以上は与えたのだ」
「私は受け取っていないのだから、与えたとはいえない」
男はだんだんムキになってきた。
「それなら、どういうのを受けとったといい、どういうのを受けとらないというのか」
するとお釈迦様は、厳かに答えられました。
「ののしられたとき、ののしり返し、怒りには怒りで報い、打てば打ち返す。闘いを挑めば闘い返す。
それらは与えたものを受けとったというのだ。しかし、その反対に、なんとも思わないものは、与えたといっても受けとったのではないのだ」
「それじゃあなたは、いくらののしられても、腹は立たないのか」
お釈迦さまは静かにうなずかれ
「智慧ある者に怒りなし。
よし吹く風荒くとも、心の中に波たたず。
怒りに怒りをもって報いるは、げに愚かもののしわざなり」と偈(うた)で答えられた。
男はお釈迦様の偉大なお徳に心打たれ、思わず、
「私は、ばか者でありました。どうぞ、お許しください」
と涙を流し、仏教を聞くようになったという
お釈迦様の80年のご生涯には、人々が幸せに生きる様々な心残るエピソードが多く残されています。
時空を超えて、現代の私たちにも、光を注いで心の安穏をもたらしてくれます。
まとめ
イライラしている人に何か言われて、売り言葉に買い言葉で、同じようにイライラして返すと、相手と同レベルになってしまいます。
イライラしている人に、自分も同じようにイライラした対応を取れば、「自分とその人は同レベルです」と宣言しているようなものです。
ここで怒ったり、ムキになっていがみ合ったりしたら、この人と同じレベルになってしまう、と自らに言い聞かせ、泰然と乗り切っていきたいものです。
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みさき
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