恨み呪うよりも大切なことがある|お釈迦さまが勧められることとは
こんにちは。こころの悩みサポーターのこうへいです。
先日、ブログで「憎い人に復讐をしたい」という人の声を紹介しましたが、こんな声も聞こえてきました。
私はある人に裏切られ、苦しんでいます。
私はこんなにつらい思いをしているのに、私を裏切った人は楽しそうにしています。
それを見ると許せなくて、何とかあの人を不幸にしてやれないかと思います。
私が苦しい思いをしているのに、自分を裏切った人、自分を苦しめた人が幸せそうに生きているのを見ると腹が立ちますし、相手を不幸にしてやりたいという心になるのは、よく分かります。
では、こんな場合に相手を恨み呪って、復讐することがよいのでしょうか。
恨み呪うよりも大切なのは、幸せになるタネまくこと
仏教を説かれたお釈迦さまは約2600年前にインドに現れられた方です。
80歳でお亡くなりになられるまで、インドの各地を回られ、教えを説いていかれました。
そのお釈迦さまの説かれたことのすべては、一切経と言われる膨大なお経に書き残されています。
その一切経を貫いているのが因果の道理です。
ですから因果の道理は仏教の根幹と言われます。
因果の道理とはどんな教えかといいますと
まいたタネは必ず生える
まかぬタネは絶対に生えない
ということです。
そしてまいたタネと生えてくるものとの関係をこう説かれています。
善いタネをまけば、善い結果があらわれる
悪いタネをまけば、悪い結果があらわれる
自分のまいたタネの結果は自分にあらわれる
善い結果も悪い結果も自分の受ける結果のすべては、自分のまいたタネの生み出したものなのです。
そして今から私がどんなタネをまくかでこれからの結果が変わってくるのです。
この因果の道理に照らして考えてみると、自分を苦しめた相手を恨み呪って復讐することよりも大切なことがあると分かると思います。
今、私が苦しんでいるのは自分のまいたタネの結果ですから、自分のまいたタネを振り返り、反省することが大切です。
そして幸せになるために、善いタネをまいていこうと努めることがもっと大切なことではないでしょうか。
恨み呪いは苦しみを生み出すだけ
「理屈はそうだけど、でも許せなくて……」と思われる気持ちはよく分かりますし、私も同じ立場に立たされたら、同じことを考えると思います。
しかし、相手を恨み呪う、そして復讐をするというのは悪いタネまきです。
悪いタネをまけば悪い結果が自分に返ってきますから、恨めば恨むだけ、呪えば呪うだけ、自分が苦しまねばならないのです。
自分を苦しめた人を恨むことで、自分がさらに苦しまねばならないと思うと、こんなバカなことはないと思います。
それなら、相手のことは忘れてしまって、自分が幸せになるために、善いタネをまいていくことに力を入れた方がよいのではないでしょうか。
この苦しい出来事をきっかけに、幸せになったならば、やがて「あの出来事があったから、今の私の幸せがあるのだ」と喜びの元になることだってあります。
ひたすら幸せになるタネまきをしていきたいですね。
この記事を読まれた方には、「裏切った人は悪くないの?」「無罪放免でいいの?」と思われる方もあると思います。
もちろん、お釈迦さまはそうは教えておられません。
それを知るには、因果の道理は正確には因縁果の法則と言われることを知っていただきたいと思います。
今回はそこまで触れる余裕がありませんので、“縁”について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
「ご縁がある」「ご縁がない」|大事なご縁とは!!
まとめ
自分を苦しめた相手を恨み呪う気持ちは誰だって起きてくるものです。
そして相手が幸せそうにしていると許せなく思って復讐してやりたいと思う気持ちも多くの人が理解できると思います。
お釈迦さまは、「相手を恨み呪って復讐をしても、幸せにはなれませんよ。幸せになりたければ、善いタネをまきなさい」と仰っておられます。
ひたすら幸せになるタネまきをしていきたいものです。
幸せになるには、どんなタネをまけばよいのでしょうか。
その1つが心からの感謝の言葉を述べることだと言われます。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
感謝が幸福感を生む?|「ありがとう」が幸せを生むことが判明!
(おまけ)
鎌倉時代に日本で仏教を伝えられた親鸞聖人にも、激しい憎悪で苦しむ女性を幸せに導かれた話が伝えられています。
こちらのブログに紹介されています。
親鸞聖人と肉親の無常に導かれた門弟たち
こうへい
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