まだストレスでイライラしてるの?|ストレス+思いやり=幸せ(後)
こんにちは。暮らしを良くする研究家のこんぎつねです。
前回の記事「まだストレスでイライラしてるの?|ストレス+思いやり=幸せ(前)」
では「ストレスが体に悪い」と信じている人と信じていない人とではストレスによる影響がまるで違ってくることについて話しました。
後編ではストレスを回復させるのに有効な方法を紹介します。
思いやりはストレスから回復させる
前回の研究とは別の研究ですが、アメリカで約1000人の34歳から93歳の成人に
- 去年どれ位のストレスを感じましたか
- コミュニティや近所の人、友達を助けるためにどれ位時間を費やしましたか
という質問をし、その後5年間でその中の誰が亡くなったかを調べました。
お金がなくなったり、家庭危機などの大きなストレスを受けると死亡リスクが30%増加します。
しかし大きなストレスを受けた人の中で、他人への思いやりに時間を使った人はストレスによる死亡がありませんでした。
他人を思いやることが自身の回復力を高めることにつながったのです。
前回と今回の結果をまとめますと、ストレスに対して「ストレスは自分を助けてくれている」と思い、他者を助ける行動を取ることで、自分の中で喜びと勇気が湧き、ストレスからの回復が早まることがわかります。
仏教とケリー博士の研究
仏教では私たちの行いには
- 意業(心の行い)
- 口業(口の行い)
- 身業(体の行い)
の3つがあり、中でも心の行いが一番重いと教えられます。
ストレスに対して「ストレスは悪いもの」と思うか「ストレスは良いもの」と思うかで死亡リスクが変わるという話を聞くと、心の行いがいかに私たちに影響を与えているかが知らされます。
また仏教では「自利利他」ということが教えられています。
「自利利他」とは「自」は自分、「他」は他人、「利」は幸福のことで、「他人を幸せにすることで自分が幸せになれる」ということです。
その逆に「自分さえ幸せになれればいい、他人なんてどうなったっていい」という考えを「我利我利」といい、仏教では最も嫌われます。
「『我利我利』では結局自分も不幸になりますよ。幸せになりたければ『自利利他』の心で、他人を幸せにするよう心がけなさいよ」と勧められたのがお釈迦さまです。
ケリー博士の話では大きなストレスにさらされたとき、自分のストレスばかりに気を取られている人は死亡リスクが30%増加するけれど、他者への思いやりに時間を使った人は死亡リスクが変わらなかった、ということでしたが、他人を幸せにしようとする気持ちが自分の幸せとして返ってきたと言えるのではないでしょうか。
まとめ
ストレスでイライラしたとしても、ストレスはそれ自体が体に悪いものではなく「ストレスは体に悪い」と信じることで本当に体に悪いものになります。
反対に「このストレス反応は体が緊急事態に対処しようとしているんだ。うおおぉぉぉ、やってやるぞ!」と「ストレスは体に良いもの」と考えるようにすれば、血管はリラックスし、喜びや勇気が湧いている状態に似た状態になれます。
ストレスを感じたときはオキシトシンにより「誰かと一緒にいたい」という心が強まり、家族友人との絆が深まります。
またそれらの人たちと交流することでオキシトシンがさらに分泌され、ストレスを緩和することができます。
ストレスを感じたときには自分1人で落ち込むのではなく、同じくストレスを受けている他者を思いやり、助けることで自分もストレスから回復できます。
このことについては仏教を説かれたお釈迦さまも「自分さえよければいいという『我利我利』では幸せになれませんよ。他人を思いやる『自利利他』の心で接すればあなたも幸せになれますよ」と教えられています。
では他人を幸せにする行動とはどんな行動でしょうか。
仏教ではこれを布施(ふせ)と教えられています。
布施についてはこちらの記事をお読みください。
→ギブアンドギブの意味は?|ギブアンドテイクよりギブアンドギブを!
こんぎつね
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