失敗した時に信頼を得る人と失う人の違いは?|心からの謝罪が大事

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こんにちは。こころの悩みサポーターのこうへいです。

「仕事で失敗をしてしまった。もう続けられない」という声を聞きました。
ある手続きをするのに、締め切りの確認を怠ったために、期限を過ぎてしまい、上司や同僚に迷惑をかけてしまったそうです。
職場での信頼を失い、居場所がなくなってしまうことをすごく恐れていました。

仕事でも、それ以外の場面でも失敗をしてしまうことはあると思います。
特に自分の失敗によって、他人に迷惑をかけてしまった場合は、信頼を失い、居場所がなくなってしまうのではないかと悩む人は多いのではないでしょうか。

失敗しない人はいない、大切なのは繰り返さないこと

ハッキリ言って、全く失敗をしない人はいません。
誰にだって、失敗や間違いはあります。
だから一度、失敗をしたからといって、すぐに信頼を失うことはありません。

松下電器(現在のPanasonic)を創業し、一代で世界的企業にした松下幸之助さんは、

一度目は経験、二度目は失敗

と、お詫びにきた部下に言ったという話があります。

対策を立てて、失敗を二度と繰り返さないことが大切なのです。

失敗を繰り返さないために大切なのが、反省です。
反省の大切な心がけはについては、こちらの記事をご覧ください。
後悔と反省の違い|後悔を反省に活かすために必要な心がけとは?

失敗したときは心からの謝罪がまず大事

その前に重要なことがあります。
それは、迷惑をかけてしまった人に対して、心から謝罪をすることです。
失敗のない人はいませんから、失敗をした時に心から謝罪をするかどうかで、信頼を失うか、信頼が得られるかが変わってきます。

先ほど紹介した松下幸之助さんにも、次のようなエピソードがあります。

昭和39年、高度経済成長に支えられた空前の家電ブームが過ぎ去り、家電業界は成長鈍化の時期を迎えていました。
松下電器にも減収減益の兆しが見られていました。
そんな中、松下幸之助さんは、数字に表れる以上の事態の深刻さを感じ取りました。
そこで急遽、全国の販売会社、代理店の社長に集まってもらい、熱海で会議を開催しました。
案の定、多くの販売会社、代理店が赤字に苦しんでおり、会議では松下電器に対する不満の声があがってきました。
販売会社・代理店、ひいてはお店の努力不足なのではないか—-。
幸之助さんはそんな思いが抑えられず、出席者の発言に激しい反論をせずにはいられませんでした。
激論は平行線をたどり、いつ終わるとも知れない様相を呈していました。
会議は3日目に入り、誰もが結論は出ないのではと感じていました。
「皆さんの言い分はよく分かった。この松下が悪かった」
突如、松下幸之助さんは頭を下げ、こう話しはじめました。
この幸之助さんの姿に、非難で埋め尽くされていた会場は団結に変わりました。
この会議の後で、大胆な改革を打ち出し、全国の販売会社・代理店と力を合わせて、危機を乗り切ったと言われています。

引用は、Panasonicのホームページの松下幸之助物語からです。
松下幸之助物語7-1. 熱海会談

この熱海会談での1コマがなければ、「松下電器は信頼できない」と離反していく販売会社や代理店が多く出てきて、さらなる苦境に立たされたかもしれません。
自分が悪かったと素直に自分の非を認めることが人の信頼を得ることにつながるのだと知らされます。

心からの謝罪を邪魔する慢心

私たちは自分の非を素直に認めることは難しいものです。
政治家や有名人などが謝罪会見を行っているのが、テレビで放映されています。
頭は下げていても、「誰だってやっていることでないか」「頭下げてやっている」という気持ちが態度にあらわれている人や言い訳や自己弁護ばかりの人もあります。
信頼を失うために会見を開いているのかなと思うような人もあります。
心から謝罪することの難しさが知らされます。

仏教では、自分が悪いと思えない心をと言われます。
うぬぼれて自分を毛頭悪く見られない心のことです。
そして、この慢の心から離れきれないのが人間だと教えられています。
素直に自分の誤りを認めて謝罪することは簡単なことではないのです。
簡単ではないからこそ、心から謝罪のできる人は信頼されるのかもしれません。

たった一言の言い訳が命取り

つい出てしまった、たった一言の言い訳のために、相手を怒らせてしまったという話を聞きましたので、紹介します。

ある人がチラシを家のポストに一軒一軒配る仕事をしていました。
ある家にチラシを届けようと門をくぐって前庭に入った所、庭のコンクリート工事をしたばかりで乾ききっておらず、足跡がくっきりとついてしまいました。
しまった!と思って、その人はその家のご主人に頭をさげて丁寧にお詫びをしました。
ご主人は穏やかに接して下さり、大きなトラブルにはならないかと思いましたが、この後、そのご主人は激怒し会社に怒りの電話をかけてこられる事態となります。
その怒りの電話の内容は

「おたくはどういう教育をしているのか。人の庭に足跡をつけながら、『分かるように、柵をしていなかったそちらが悪い』と言われた。どうなっているんだ」

チラシを配っていた当人に聞くと、

「そちらが悪い」など、一言も言っていないです。
ただ「何もなく、分からなかったもので」と言ってしまいました。

この一言で、相手のご主人は、「お前が悪い」と言われたと受け取られたようでした。

たった一言の弁明が命取りになるのだと感じました。
気を付けたいと思います。

まとめ

失敗してしまったと落ち込み、自分はダメだと思う必要はありません。
失敗のない人は1人もありません。
失敗し迷惑をかけてしまっても、心からの謝罪をすることで、信頼が得られます。
素直に自分の非を認め、謝罪をすれば、誰も軽蔑したりはしません。
その時には、言い訳や弁明は一切言わないよう、気をつけましょう。
自分が思っている以上に素直に自分の非を認めることは難しいことですが、心がけたいものです。

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こうへい

チューリップ企画で動画制作を担当しています。 大学生のときに同じことの繰り返しの毎日にどんな意味があるのかと悩みました。しかも友人に相談しても分かってくれる人がなかったことが大きな苦しみでした。 その時に読んだ仏典の言葉に励まされました。その後、講演会の運営の手伝いをする機会があり、さまざまな悩みを持って参加した多くの人たちの声を聞かせてもらいました。私も学びながら、皆さんの悩みに寄り添っていける情報を発信していけたらと思っています。
心が穏やかになった人へ
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