逆境を克服する日記の書き方|ただの日記から「ジャーナリング」へ
わかりやすく仏教を伝える研究家、あさだです。
「私は日記を続けて書いています」という方に出会うと、素晴らしいと思います。
日記といえば、三日坊主の代名詞で、せっかく日記帳を用意して書き始めても、いつの間にかやめてしまっていた、そんな方もあるかもしれません。
交換日記のように人に読んでもらう為に書く日記もありますが、日記は、基本、誰にも読ませないものです。
日記には、いろいろな効果がありますが、今回は、苦しい時、逆境を克服する日記の書き方を紹介します。
ただの日記から「ジャーナリング」へ
「ジャーナリング」と聞いても、初めて聞かれた方もあるかと思います。
「ジャーナリング」とは、一言で説明すると「表に現れたコミュニケーションを記録すること」と言われています。
ですから、今日一日何があったかを備忘録のように書くことでもなければ、ふっと思いついたアイデアを記録することでもありません。
大きな違いを挙げれば、感情を言葉で表現していくことです。
「ジャーナリング」の効果
感情を言葉で表現して記録していく「ジャーナリング」は、逆境を克服するのに役立ちます。
ある心理学の実験結果です。
数十年前、ある心理学者が、実験で大学生を2つのグループに分け、毎日15分ずつ4日間連続で課題を行ってもらった。
1.日常の出来事について感情を抜きにして書いていく。
2.人生最大のトラウマ体験なども書いていく。書き始めた初日は、グループ2の方が幸福感は低く、血圧が高かった。
かつての嫌な思い出に触れる訳ですから、当然といえば当然です。ところが、6ヵ月後の追跡調査では逆の結果が出たのです。
グループ2の方が、心身共に良好な状態にあったのだ。
このような、感情をひたすら書き出す「ジャーナリング」の効果は、その後に行われた100を超える実験でも実証されているそうです。
思い出したくない嫌なことでも書いていくことで、不安や怒りを鎮め、負の感情を和らげるだけでなく、健康にもプラスの効果もあります。
ただ、その「ジャーナリング」の記録を誰かに見られたら、おそらく嫌われてしまうので、必ず誰にも見られないところに置いて下さい。
誰かに見られたらどうしようという新たな不安が出ないように。
プレッシャーの強い仕事をしている人へ
プレッシャーの強い仕事をしていると、ストレスもたまりやすいです。少しでもストレスを軽減する為に、ジャーナリングをやってみてはどうでしょうか。
心理に関する研究をしているPsychotherapy Researchが行った実験によると、負の感情を吐き出して書いた人は、心配事や鬱症状をかなり抑えられたと言います。
自分一人でためるのは、心身ともによくないようです。
まとめ
負の感情は、自分一人でためるのではなく、「ジャーナリング」、紙に書き出していきましょう。
必ず負の感情が和らいでいきます。
仏教では「惑(わく)・業(ごう)・苦(く)」が教えられています。
自分が苦しいと負の感情が出てきて、誰かを恨んだり、憎んだりします。この心を仏教では「愚痴」といいます。
愚痴がたまると、恨んだり憎んだりしている相手に対して、不快な言動をとってしまいます。
行いのことを仏教では「業(ごう)」といいます。
ここでの業は不快な言動のことですので、悪い行いです。
悪い行いなので、「悪因悪果、自因自果」で、自分に悪い結果が現れて、一層、苦しみます。
これを繰り返していく悪循環を「惑(わく)・業(ごう)・苦(く)」といいます。
「惑(わく)・業(ごう)・苦(く)」の悪循環が回り始めないように、「ジャーナリング」をやってみてはどうでしょうか。
(関連)
→ 過去の嫌なことをずっとひきずる人にどんなアドバイスがよいのか
あさだ よしあき
最新記事 by あさだ よしあき (全て見る)
- 任せる力 「ハインリッヒの法則」があてはまる - 2018年9月23日
- 任せる力「人間は必ず失敗するもの」の前提で業務システムを構築する - 2018年9月16日
- 任せる力 「暗黙知」と「形式知」のそれぞれの引継ぎ方法 - 2018年9月9日