「育ててもらって当たり前?」親子関係を良くするために知っておきたいこと
こんにちは。こころ寄り添う研究家の九条えみです。
親が子を思う気持ちは、子どもがいくつになろうと変わらないと聞きます。
離れて暮らす子どもなら、なおさら心配になるでしょう。
そんな親心が分からない子どもは、親のしがらみから解放されたと思うのか、ぱったりと音信不通になるという声も聞こえます。
「進学や就職で巣立った子どもから連絡が来ない」
「メールを送っても返信がない」
親は子どもが元気でやっているか心配なのに、子どもは知らんぷり。
冷めた親子関係を改善していくために、まず何を知っておくべきか考えてみたいと思います。
当社で扱っている『月刊なぜ生きる』の読者(71歳・女性)からこんなお電話がありました。
「親が育ててくれたのは当たり前と思っていましたが、『月刊なぜ生きる』を読んで感謝が大事だなと思うようになりました。自分がそうだったから、子どもたちが感謝しないのも無理ないのかなと思います。戦後まもない頃に生まれたので、小さい時は食べていくのに必死で教育も受けていませんでした。70歳を過ぎていますが、この年になって反省ばかりです。」
「子どもは親の姿を見て育つ」と言われますが、しみじみと考えさせられました。
先の71歳の女性は、『月刊なぜ生きる』に掲載している「親のこころ」のコーナーを読まれて感想をお寄せくださいました。誌面を引用します。
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「育ててもらって当たり前」と思っていた私
(宮崎県 68歳・女性)
戦争で夫を亡くした母は、再婚して私を生みました。その後、父と離婚し、女手一つで私と祖母を養ってくれました。農作業のかたわら工場に勤めていたので、体が大変だったと思うのですが、いつも周りの人を大切にする人でした。
長崎にいた母の妹がスルメイカを送ってきても、「同じ『ありがとう』を言われるなら、少しでもいいものをあげたい」と、小さくて形の悪いものは自分の家に残し、大きなものはみんな周りの人たちに配っていました。生活が苦しくても、「明日は明日の風が吹く。同じ一生なら笑わにゃ損」と、いつもおどけたように言っていたのを思い出します。
そのようなあまり苦労を感じさせない人でしたので、私はいつも母がしてくれることを当たり前のように感じていました。私も親となり、自分の子が「育ててもらって当たり前」という顔をしているのを見ると、私も同じだったのだなあとつくづく思います。
母は、最初に生んだ子を病気で亡くしたせいか、私をとても大事に育ててくれました。私も子供を亡くしているので、その悲しみは痛いほど分かります。それなのに私は、母が生きていた時、「大変だったね」とねぎらいの一言もかけていません。いろんな悲しみを乗り越えて育ててくれた母に、感謝の気持ちでいっぱいです。
(『月刊なぜ生きる』令和2年9月号より)
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子どもが親に感謝しないのは、自分自身が育ててもらって当たり前と思っているからかもしれません。
育ててもらって当たり前と思っていると、自分の親に感謝する気持ちも出にくいでしょう。
自分が親に感謝したり孝行しなければ、子どもはその姿を見て育つので、同じように接してしまうかもしれません。
そんな姿をあらわした歌があります。
親捨てた 報いで子にも 捨てられる
今回紹介したお二方のように、育ててもらったことを感謝することが、冷めた親子関係を改善する第一歩になるのでしょう。
「育ててもらって当たり前」と思っていると、なぜ感謝が起きないのか。
▼こちらの記事でくわしく書いています。
九条えみ
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