高齢者と若者の付き合い方を考える|世代間ギャップの乗り越え方
こんにちは。こころ寄り添う研究家の九条えみです。
仕事柄、50代~80代くらいまでの方とお話しする機会が多くあります。
それぞれに育ってきた時代や環境が違うため、世代間ギャップは身近に感じます。
肩身が狭い?若者との共同生活
NHKの朝ドラでよくある家族会議の時代設定は、たいていが古き良き昭和の時代。
「おばあちゃんの知恵袋」と言われるように、生活の知恵は年長者から伝授してもらっていました。
家の中にいてもらえると、ピンチの時に頼りになる存在だったのでしょう。
時代は流れ、仕事を求めて、田舎から都会へ行く若者が増えました。
親とは離れて生活をする子供が多くなったのです。
そんな時代の流れの中、子供と同居している方もありますが、朝ドラに描かれる家族風景とは異なる場合もあるようです。
二世帯住宅で、息子家族と一緒に暮らしていますが、なかなか上手くいかないです。
気を遣い落ち込んでいっちゃいます。(71歳 女性)
家庭内における実権は若くて体力のある息子家族が握っているのか、親の言葉に耳を傾けない様子が目に浮かぶようでした。
また、ある70代の男性は、こう語られました。
動作が遅いのであまり動きすぎると若い者の迷惑になる。
だから、なるべく陰へ陰へと隠れるようにしているんだ。
「最近の若い者は・・・」という高齢者
高齢者が「若者から理解されない」と嘆かれている一方で、若者にも悩みはあるようです。
孫が25歳になるけれど仕事に就きません。
一度、就職しましたが、重労働で、体がついていかず、
職場の人にも「最近の若いもんは・・・」というようなことを言われてやめたようです。(83歳 女性)
それぞれに育ってきた時代や環境が異なるので、世代間ギャップが生じるのは当然のことです。
それを考慮せずに「最近の若者は・・・」とレッテルを貼ってしまうと、若者は心を閉ざし余計に溝を深めてしまうようです。
仕事をしていると、若い部下との世代間ギャップに悩むことがあります。
それを乗り越えるヒントについては、「部下との関係に悩んでいる人へ|世代間ギャップを乗り越える3つのカギ」をご覧ください。
高齢者と若者はどう付き合うべきか
高齢者と若者の付き合い方を考えさせられる、次の言葉があります。
子供叱るな来た道じゃ
年寄り笑うな行く道じゃ
この歌を私なりに解釈してみたいと思います。
「最近の若い者は・・・」と言っている人も、過去を振り返れば、同じように年長者に叱られたこともあったでしょう。
そうして少しずつ常識や教養を身につけ、大人になっていったはずです。
また、年長者を見て「こんなこともできないのか」と思う心があるとすれば、大事なことを忘れているのです。
それは、その笑っている姿に、自分自身も向かっているのだ、ということです。
今は健康でも、やがては老いて思うままに体が動かせない時が来るでしょう。
高齢者と若者の間で衝突が起きる原因は、「自分はあんなふうではない」と見下す気持ちがあるからではないでしょうか。
子供や若者を叱るときには、「自分が若い時はあんなに非常識な言動はしなかった」との思いがあるでしょう。
高齢者を笑うときには、「なんでこんな簡単なことにも手間取ってしまうんだ」との思いがあるのでしょう。
世代間ギャップを乗り越えるためには、「若者は”過去の自分”であり、老人は”未来の自分”」という視点に立つことが大切でしょう。
他者のなかに、自分の過去と未来を見出せば、上から目線にはならないはずです。
まとめ
育ってきた時代や環境が異なるため、高齢者と若者の間に世代間ギャップが生まれるのは当然のことです。
高齢者と若者の間で衝突が起きる原因は、相手を見下す気持ちにあると言えます。
しかし、若者は過去の自分であり、老人は未来の自分ということに気が付けば、上から目線にはならないでしょう。
過去を見れば、年長者の恩恵を受けて成長してきたのだし、未来を見れば、若者に支えられて生きていくことが分かります。
年齢に関係なく、お互いに感謝する気持ちを大切にしていきたいものです。
自分はまだまだ若いと思っていても、知らず知らずのうちに「老い」は近づいているかもしれません。
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九条えみ
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