恋人ができれば孤独がなくなる?恋人と孤独の関係

こんにちは。こころ寄り添う研究家の九条えみです。

恋人探しは孤独をなくしたいから?

知人の女性が「結婚はしたくないけど、恋愛は常にしていたい」と話していました。

インターネットで恋人を探せる「マッチングアプリ」に登録し、男性とメッセージのやり取りをしているそうです。

今はインターネット上で知り合い、結婚する人もある時代なので、そういうものかぁと聞いていたのですが、暇を見つけては返信が来ていないか確認する彼女が心配になり、少しつっこんで質問してみると、次のように話してくれました。

「縁を切った方が良いんじゃないかと前々から思っていた男性から久しぶりにメッセージが来て、心がかき乱れています。
その人は、自分が寂しい時だけ 『会いたい』 とメッセージを送ってきます。
本当は会いたくないし、返信もしない方が良いと頭では分かっていながら、無視できずに結局返信してしまうんですよね。
結局はかまって欲しいんだと思います」

誰しも認められたい気持ちや、異性を求める気持ちがありますので、彼女を特別とは思いませんでした。

ただ、話を聞いていると「恋人ができれば孤独がなくなる」との思いが強いように感じました。

・優しくしてもらいたい
・自分をまるごと受け止めてほしい

恋人探しに夢中になるのは、孤独感をなくしたいからなのかもしれません。

恋人同士はすべて分かり合えるのか

孤独は一人でポツンといる時にも感じますが、誰かと一緒にいても孤独を感じる時があります。

「自分のことを理解してもらいたいのに、なかなか理解してもらえない」
「相手のことを理解したいけれど、どうしても理解できない」

こういう関係性は、孤独を感じやすいでしょう。

実際に、恋人同士が結婚に踏み切る決め手の第1位は 「性格が合う」だそうです。

性格が合う相手とは、ささいな会話や食事でも楽しく感じるもの。

互いに理解しあえる安心感は、孤独を埋めるでしょう。

では、好き同士であればすべて分かり合えるのでしょうか?

実は、離婚原因の第一は「性格の不一致」です。

「性格が合う」と思って結婚した相手に「やっぱり性格が合わなかったから離婚してくれ」というのです。

この人となら理解しあえると信じ込んでいるほど、実際の生活では、違いばかりが浮き彫りになり失望するのでしょう。

料理の味付けに違和感を覚え、洗濯物のたたみ方が違うことにもストレスを感じる。

「分かり合えると信じていたのに、なんで分かってくれないんだ」と気持ちが離れ、共同生活にピリオドを打つ。

好き同士であっても、すべては分かり合えない現れです。

完全に理解し合えない理由

私たちは理解し合えたと思っても、それは一部分です

たとえば、好きなアーティストが同じであったとしても、どの曲が好きか?どういう点が好きなのか?と深く掘り下げてみると、完全に一致するということはないでしょう。

同じものを見て、同じ経験をしても、「同じ感じ方」をする人はないのです。

「水」をとってみても、日本人なら水道水をひねれば出てきて、喉が乾けばいつでも飲める身近なものです。

しかしアフリカの人がみれば、水は片道1,2時間もかけて汲みにいく貴重なもので、泥水でそのまま飲むと病気にかかってしまう怖い存在かもしれません。

私たちは、経験や能力や知識などを通して、世界を見ています。

その経験や能力や知識などは、一人一人異なるので、世界の見え方も一人一人異なるのです。

各自が生み出した世界に、各自が生きています

だから、分かり合えたといっても一部分であって、完全には理解できないのが私たち人間なのです

「理解しあえない」と理解するところから

そんな私たちが良好な関係を築くには「理解しあえない」と理解することが大事といわれます。

「理解しあえる」という立場に立つと、不平不満が出てきます。

この見方を反転して「一人一人が異なる世界に生きているのだから、理解しあえなくて当たり前」と思えばこそ、相手との理解の差異を埋めようと、伝え方や言動に配慮が生まれます。

そんな相手の配慮を感じ取れば、感謝も生まれます。

恋人に限らず、親子、兄弟、友人や同僚でも、お互いに歩み寄ろうという姿勢が大事なのですね。

大勢の人に囲まれていても、孤独を感じるのはなぜでしょうか?

傍にいるのに寂しいのはなぜ?|孤独感との上手な付き合い方

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九条えみ

チューリップ企画では、お客様サポートおよびウェブでの情報発信を担当しています。仏教を学んで約10年。仏教の視点からお悩み解消のヒントをご紹介できればと思います。
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