袖触れ合うも多生の縁|因縁を懐かしみ今のご縁を大切にする

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心穏やかアドバイザーのヒロカズです。
久しぶりにあった知り合いが1年前に離婚していたことを知りました。

20代で借金して建てた家のローンの返済がまだ残っているにもかかわらず、突然、妻が2人の子供を連れて家から出て行ったそうです。

妻や子供のために朝早くから夜遅くまで働き、土日返上で仕事に明け暮れていた知り合いだったので、妻や子供が離れていった事実に私もショックでした。

夫婦になるとはよほどの因縁だと聞いていますが、何の前触れもなく縁が離れていくことがあるのですね。

今日は『袖触れ合うも多生の縁』という言葉から書いてみたいと思います。

袖触れ合うも多生の縁

「袖触れ合うも多生の縁」という言葉を聞いたことがある人が多いのではないでしょうか?

袖が触れ合っただけでもそれは多生の昔に縁があったという意味だそうです。
袖とは着物や浴衣の袖のことですが、袖が触れ合うということはよほど近づかないとないことでしょう。

「多生」とは生まれ変わり死に変わり、生まれ変わり死に変わりしてきたずっと昔ということです。
「多生の縁」とはそんな昔に縁があった、関係があったということです。

今日1日皆さんも職場や電車で隣に座った人があったでしょう。
その人がどうして隣に座ったのか?考えてみるとちょっと謎めいていますよね?

地球上に人間は70億人いると言われますが、70億人いる中でどうしてその人が隣の席に座ったのか。
たまたまだったのでしょうか?それとも必然だったのでしょうか?
実はそこに深い関係があるのだよと言われたのが「袖触れ合うも多生の縁」という言葉です。

隣の席に座った人はちょっとやそっとの関係ではないでしょう。
友達になる人、恋人になる人は隣に座った人よりもっと深い関係のある人達ですが、結婚する人、親子になる人はもっともっと深い関係がある人達ということでしょう。

「あの人が好き」「あの人が嫌い」と言ってもアフリカにいる人やドイツにいる人に好き嫌いの感情を抱くことはありません。

好き嫌いと言っても身近な人に対してです。
仲良くするのも近くの人、ケンカするのもそばの人でしょう。

「袖触れ合うも多生の縁」ということを知ると自分の身近な人は実はずーと昔から深い関係のあった人だったと知らされます。

嫌いな人が側にいる謎が解ければ感情を超えて懐かしい気持ちを抱くのではないでしょうか?

100%影響を受ける縁

かつて世界のホンダ自動車を経営面から支えたと言われる藤沢武夫氏の言葉に

「大概の社員は、直属の上司の影響をもろに受ける。善きにつけ悪しきにつけ、100%影響を受ける。社員がダメになったり、やめていくのはほとんどが上司の問題、上司とのトラブルだとわかった」

というものがあります。

これは『人間は一番身近な人から最も大きな影響を受ける』ということでしょう。
上司と部下の仕事ぶりだけでなく、しぐさ、言動まで似てくるのは、けだし当然なのかもしれません。

影響が大きいからこそ嫌いになったら最後。大嫌いな人に大変わりしてしまうのでしょう。

これは上司と部下の話ですが、家庭に入れば夫と妻の関係になるのではないでしょうか?

『プロポーズ あの日に帰って 断りたい』

という川柳を聞いたことがありますが、そんなことになったら悲しいですよね。

しかし、考えてみれば、長く付き合い、長く影響を受ければ受けるほど、長く付き合った人の嫌いなところや苦手なところは自分自身の言動そのものなのかもしれません。
そうと知れば、最悪の事態は避けられるのではないでしょうか?

因縁を懐かしむところから和する努力が生まれる

かつて仲良くしていくときの秘訣を尊敬する方から教えていただいたことがあります。

☆和は努力して築くもの
「和を以て貴し」と言う人もあるが、「和するを以て貴し」と言いたい。
みんなと仲良くやってゆくことは、決して、そんなになま易しいことではないからである。
「和する」とは、好きなもの同志の「仲良しクラブ」とは違うのだ。
好き嫌いは誰にでもある。
そんな人たちの、和を保ってゆくことの困難さは容易に想像できる。
「和」は出来上がっているものではなく、努力して築いてゆく処に貴さがあるのである。
「和」を築くには、言いたいことでも言ってはならないし、言いたくないことでも言わねばならない。
したくないことでも、しなければならないし、したいことでも堪えねばならぬ。
「袖触れあうも多生の縁」と言われる。

善きにあれ悪しきにあれ、60億を越すなかで、身近に接する人々とは、よほど深い因縁があったに違いない。
「和する」貴い努力は、この過去の因縁を懐かしむ心からうみだされるであろう。

リアルもネットも身近に接している人はよほど深い因縁のある懐かしい方々なのでしょう。

離婚という結果になり、落ち込んでいた知り合いは妻との因縁をもっと懐かしむ気持ちが必要だったのかもしれません。
また、妻との因縁がなくなったのではなく、しばらく縁が離れただけなので、再び元のさやに収まる可能性もあります。

悠久の生命の歴史から見れば、大河の一滴の中での出来事だとお釈迦さまは教えられています。

(関連)親鸞聖人と歎異抄を書いたといわれる唯円房

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ヒロ☆カズ

チューリップ企画のヒロ☆カズです。 31歳で肝臓の病気にかかり、2度の入院を経験しました。朝起きて仕事に行く。休日は友人と出かけるという当たり前の日常を失い、初めて、朝起きて仕事に行けることが当たり前でないことに気が付きました。 当たり前の1日がかけがえのない1日であることに気づけば、悩みが感謝の心へ変わるのかもしれません。闘病中に読んだ本や勇気をもらったさまざまな言葉からヒントを紹介したいと思います。
心が穏やかになった人へ
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