嫌味や不機嫌オーラを放つ人への健全な向き合い方とは
悪意ありありの嫌味を言ってくる人。
挨拶しようにも眉をしかめて不機嫌オーラを放ち近寄りがたい人。
心当たりはないでしょうか。
かくいう私自身も、余裕がないと態度に出てしまい、こういう言動はすべきでなかったと反省することがあります。
嫌味や不機嫌オーラを放つのは得すること?損すること?
嫌味を言ったり、不機嫌オーラを放ったりするのは、自分の気持ちに“素直”な表れだと思います。
しかし、本人にとって得することなのでしょうか、損することでしょうか。
嫌味を言えば「悪口言われた」と相手の人は怒りますし、不機嫌オーラを放てば「感じの悪い人だ」と周りから距離を置かれます。
そういう言動を続けていけば、だんだん人が寄り付かなくなり、自分が本当に困ったときや相談したいとき、あるいは誰かと一緒になって楽しみたいときなどに「誰に声をかけたらいいんだろう…」と一人ぼっちの寂しさを味わうことになりかねません。
仕事をするにも、人間関係がうまくいかないと協力が得られなくて、当人が困ることになります。
「感情のままに振舞うことは損だ」と学習した人は、腹が立っていたり、恨みの気持ちがふつふつ沸き起こっていても、そこを耐え忍んで言葉や態度に出さないよう気を付けるでしょう。
嫌味や不機嫌オーラを放つ人の心理とは
嫌味や不機嫌オーラを放つ人の共通点として「余裕がない」ことが挙げられます。
友人から聞いた話ですが、普段は物静かな人が職場で突然、声を荒げて怒鳴ったことがあったそうです。普段の穏やかな性格を知っているだけに、非常識と思うよりさきに「どうして?」と驚いたそうです。
状況が落ち着いてから話を聞くと、次のような背景があったそうです。
- 仕事が忙しくて不眠が続いていた
- 高い目標を上司から与えられ切羽詰まっていた
- 心外な言葉を職場の人から言われストレスになっていた
本人としては長い間、我慢に我慢を重ねていたのでしょう。ある時、ささいなことで限界に達し、キレるという言動となって表れたのですね。
嫌味や不機嫌オーラを放つ人への健全な向き合い方
最近読んだ本に、こんな話が載っていました。
「さるべき業縁(ごうえん)の催せばいかなる振る舞いもすべし
(人間とは、そういう縁<環境、きっかけ>がくると、どんなことでもやってしまうものだ)」
(中略)
やりたくないと思っていることでも、そういう環境や立場に立たされると、やってしまうのが人間です。
嫌味を言ったり、不機嫌オーラを放つ人を見ると、「なんて人だ!」と苛立ちや嫌悪感を抱くことがあります。
そんなときは、嫌味や不機嫌オーラを放つようになった背景にまで目を向けるようにすると、案外、苛立ちや嫌悪感はすーっと治まるものです。
その背景を知るほどに、「自分も同じ立場だったら、同じような言動をとっていただろうな」という、あたたかな気持ちになるから不思議です。
まとめ
嫌味や不機嫌オーラを放つ人に対して、反射的に苛立ちや嫌悪感を抱くことがありますが、良い気分とは言えません。
そんなときは言動の背景に目を向けるようにしてはどうでしょうか。不用意な苛立ちが減ることでしょう。
今回は嫌味を言ってきたり、不機嫌オーラを放ったりする人に対してどう対処するか、という観点で書きましたが、裏を返せば嫌味や不機嫌オーラはそれだけ周囲の人を不快にする言動であると言えます。
余裕がないからと心で思った通りを表情や態度に表せば、周りを傷つけて恨みを買うことになります。自分も相手も心穏やかに生活するためにも、注意していきたいですね。
私たちは、相手に対してレッテルを貼ったり、嫌な人だなと決めつけて、敬遠してしまうことがあります。そういうときに見落としていることがあります。
「何を考えているかわからない」相手に対して見落としていること
九条えみ
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