【放っておくと人生が無駄になる】人生でいちばん大事なことの見つけ方
こんにちは。みさきです。
「『命の閉じ方』をレッスンする」という本のキャッチコピーに惹かれて、『エンド・オブ・ライフ』を読みました。
2020年のノンフィクション本の大賞となった本です。
患者本人、家族、友人・医療関係者の視点から、人生の最期のあり方についてストーリーが進んでいきます。
(※本の内容のネタバレがあります)
人生の最期のあり方は、これまでの生き方で決まる
本に登場する一人の患者は、死に近づいてこう語っています。
生きてきたようにしか、最期は迎えられない。
自分が生きてきた中でどうしたらいいか。
世の中のしがらみの中でだけ生きてきた人は、その時になって考えろって言われてもどうしていいか分からないんじゃないかな。
その一例に、ガン患者の生活としてこう書かれてありました。
確かに僕はガンだけど、病人だからベッドに寝て、病院食を食べるのではなく、医療や看護といったフレームワークをとっぱらったところに人生を見出した
そのがん患者は、自分の好きなように過ごし、自分の好きな人と、身体の調子を見ながら「よし、行くぞ」と言って、好きなものを食べて、好きな場所に出かける。病院では絶対にできない生活を選択しました。
人生の残された時間をどう過ごしたいか、それは一人一人の課題です。
人それぞれの命の閉じ方があると思います。
・夫と子供との思い出を残したい
・誰にも病気のことを伝えずに、心静かに人生を終えたい
・次世代の人たちに何かを残したい
・家族に迷惑をかけないために、自分は病院で過ごしたいなど
人生の最期に後悔に打ちのめされないよう、自分にとって大事な価値観を今から持っておくことが大事だなと考えさせられる本でした。
人生でいちばん大事なことの見つけ方
仏教で「無常を観ずるは菩提心の一なり」という教えがあります。
ここでいう「無常」とは「自分の死」のこと。
「菩提心(ぼだいしん)」とは「本当の幸せ」のことです。
「自分の死をみつめることは、本当の幸せのはじまり」だということです。
私たちはいつかは死ぬと分かっているつもりですが、身近な家族や自分自身が末期ガンといった大病の診断結果を受けると、非常に驚きます。
その時初めてリアルに「自分(家族)は死ぬ人なんだ」と理解します。
元気なときの「自分の死」は、檻の中にいるトラを見物しているようなものです。
自分の余命を知ったときは、野生のトラにジャングルで突然出くわしたようなもの、その時の「死」は普段想像している「死」とはまったく違います。
私は死ぬんだ、という驚きから、初めて生を真剣に見つめると言われます。
自分の人生が限られていることに気付くからです。
そして限られた人生を大切にしようという心が起きます。
これを仏教では「無常を観ずるは菩提心の一なり」といいます。
「自分の死」を意識すると、人生は有限であることを自覚し、一日一日の過ごし方が変わってきますよと教えられています。
『エンド・オブ・ライフ』の中の患者の言葉からも、そのことが知らされます。
僕には、人に腹を立てたり、何かを悲しんだりする時間はないんですよ
自分の死を意識した今からが、自分の人生でいちばん大事なことを見つける最短ルートといえるでしょう。
あなたの心が少しでも軽くなり、心穏やかに過ごされますように。
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みさき
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