休む勇気があなたを守る|休むことに罪悪感を抱いてしまう方へ
こころ寄り添う研究家の九条えみです。
「みんな頑張っているのに、自分だけ休むわけにはいかない」
「自分が休めば、他の人の負担が増えて迷惑をかけてしまう」
こんな風に休むことに罪悪感を抱いてしまうことはないでしょうか?
本当に休むことは「悪い」ことなのか、考えてみたいと思います。
目次
休むときに罪悪感を抱いてしまう理由
休むときに罪悪感を抱いてしまう時の心境を考えてみましょう。
たいていが、休んでいる自分を周りがどう思っているか?を気にしているのではないでしょうか。
私自身も仕事が忙しい時期に、早朝から夜遅くまで働いた次の日は、どうしても朝起きられず、午後から出勤させてもらうことが何度かありました。
そのたびに、身体はしんどいので本当はゆっくり休みたいのに「休んでいる自分のことを周囲の人はどう思っているか」を気にしてしまい、休んでも休んだ気になれませんでした。
一般的に考えて、若くて病気もない自分が家で休み、60歳を越えた人が朝から晩まで仕事をしているのは、おかしいと思っていたからです。
「甘えてる」「不真面目だ」と取られてもおかしくないと感じていたので、なるべく休まずに、身体だけは仕事に出ようと頑張っていました。
そもそも「休む」とは
そもそも、”休む”とはどういうことでしょうか。
休むといっても、身体面と、精神面があります。
身体的な休みは、睡眠です。
睡眠を取らなければ、身体的にも精神的にも問題が起こることが分かっています。
人はどのくらい眠らずにいられるのか、断眠記録に挑戦したサンディエゴの高校生ランディ・ガードナーは、264時間(11日間)の記録を樹立しました。
その間、妄想や幻覚、視力低下や被害妄想、極度の記憶障害などが生じたそうです。
幸いなことに、断眠後にわずか15時間の睡眠を取っただけで、なんの後遺症も残さなかったそうです。
(参考:「不眠時間」の世界記録は約19日。人が極限まで眠らないと体と心にどんな影響がでるのか?)
以上の実験からも、適切な睡眠を取らなければ、正常な活動は難しくなることが分かります。
精神的な休みは、気分転換といえるでしょう。
人によって、何が気分転換になるかはそれぞれですが、心のエネルギーが充電できるような行動をしたいものです。
歴史に名を残した天才は休むのが上手で、パフォーマンスを上げるためには戦略的休息が必要であることが「シリコンバレー式 よい休息」という本には詳しく書かれています。
人間は機械ではありません。
食べ物を食べ、身体を動かし、眠りにつく。
これを土台に生きています。
だから、食事・運動・睡眠の3つのバランスが崩れると、不調をきたすものなのです。
休むことは「良い」でも「悪い」でもなく、生物であるかぎり「必要」なことなのです。
休むことへの罪悪感を和らげる考え方
そうは言っても「自分が休んでいる間に周りの人に迷惑をかけたり、悪く思われたりしているんじゃないか」と不安に思う気持ちが出てくるかもしれません。
休むことに罪悪感を和らげる考え方を3つご紹介したいと思います。
1.休む勇気をもつ
忙しい時期や人手不足の職場では、休むことに抵抗を抱いてしまうものです。
休む勇気をもって上手に休んでいる人はどう考えているのでしょうか?
休んで良い悪いではないです。
自分は今は休みきるぞ~と、どれだけ思えるかだと思います。
僕は周りが自分に対して、どう思っているか気にし過ぎるたちなので何か後ろめたいなと思ってしまえば、休んでも休んだ気になれないです。
自分が休んでいる事に対して自分がどう思えるかこれが一番だと思います。
今は活動するエネルギーを充電することに集中する。
そして、充電できたら、また一歩ずつ頑張れば良いのではないでしょうか。
次の活動への投資だと思って、休むことを前向きにとらえ、休む勇気をもちたいものです。
楽器の弦でも、緩すぎると音が出ないですし、逆に張りすぎると弦が切れてしまいます。
楽器の音色がきれいに奏でられるように、弦の張り具合を調整します。
私たちも同じように、体調や精神面でのバランスを取っていくことが大事ではないでしょうか。
必要な休みをとって精神的にゆとりが持てたら、生産性も向上するでしょう。
そうなれば、会社の利益に繋がりますし、自分も楽しく仕事ができ、会社も自分も双方の幸せになるのだと思います。
2.休むことに罪悪感を抱く理由を知る
休むことに罪悪感を抱いてしまうときは、他人からの評価を気にしすぎる場合です。
小学校の夏休みに「1か月も休んで友達や親から悪く思われないだろうか」と不安に思う子供はいないでしょう。休むのが当たり前だからです。
しかし、仕事となると責任がかかってきますので、他の人が仕事をしているときに休んでいると「みんな頑張っているのに、自分は休んでいて良いのだろうか」と気にしてしまうのです。
私たちは自分の価値を、他人の評価によって計る側面があります。
他人から褒められれば、自分の価値が上がったように感じます。
反対に貶(けな)されると、自分の価値が下がったように感じます。
では果たして、他人は正しい評価をしてくれるのでしょうか?
「良い人」「悪い人」というのは、「都合」によってコロコロ変わるものです。
一休さんは、人の評価についてこんな歌を詠んでいます。
今日褒めて 明日悪く言う 人の口 泣くも笑うも ウソの世の中
自分も他人も、「都合」によって、人を評価しているのですから、その評価で自分の価値が上がったり下がったりすることはないのです。
他人から誉められたら仕事ができるようになり、悪く言われたら失敗が増えるのでしたら他人からの評価で仕事の良し悪しが変わりますがそうではありません。
他人の評価に一喜一憂するのではなく、必要な休息を取って、高い生産性を維持していきましょう。
3.休む「目的」を知れば、休む勇気もついてくる
休息は、生きていくための手段です。
目的の大きさに比例して、手段も重要になるもの。
ある程度までは休息を取らなくても、人間は頑張れるものだと思います。
しかし、人間はそこまで強いものでしょうか。
日々の疲労の蓄積が、ミスや失敗を繰り返したり、身体に不調をきたしたり、イライラから不要に人間関係を壊してしまっては本末転倒です。
明日の活力のために、休むのも忍耐と思って休息すれば、その休息した時間は有意義なものでしょう。
しかし、休む目的が、現実逃避や暇つぶしであれば、そこに費やした時間は自分への投資にはなってないかもしれません。
休むこと自体が「良い」「悪い」ではありません。
あくまで目的を果たす手段です。
だからこそ、一番確認したいのは「目的」です。
苦労して働くのは、お金を稼いで、食べて、生きてくためです。
では、何のために生きていくのでしょうか?
この生きる目的が明確になるほど、手段である休み方も自分に合ったものに工夫していこうとなります。
そのためには他人の目を気にしては十分に休めないので、休む勇気も自然とついてくるでしょう。
まとめ
休むことに罪悪感を抱いてしまう時は、たいていが休む自分に対する周りの評価を気にしすぎる場合です。
仕事の繁忙期や人手不足の職場では、周りの目を気にせずに休む方が難しいでしょう。
しかし、休むことは良い・悪いの問題ではなく、生物にとって「必要」なものです。
睡眠を取らなければ身体的にも精神的にも問題が起きることが実験で明らかになっています。
まずは、休むことは「必要」という意識をもっていただきたいと思います。
そして休む罪悪感を和らげる3つの考え方をご紹介しました。
1.休む勇気をもつ
2.他人の評価で自分の仕事の成果は変わらない
3.休む「目的」を知れば、休む勇気もついてくる
たしかに、休むことで職場の人に迷惑がかかることは否めません。
けれど、必要な休みを取らずにミスや失敗を繰り返して、その後始末でさらに仕事が増えてしまえば、それこそ会社に迷惑をかけてしまいます。
仕事へのモチベーションも下がってしまい、会社も自分も双方が損をします。
勝手に仕事を休むのは無責任ですが、職場の人と相談し今後のスケジュール調整をすれば、会社も自分も双方が喜ぶ結果につながると思います。
「それでも休む勇気が持てないなぁ…」という方へ。
休む勇気が必要な3つの理由をご紹介していますので、参考になれば幸いです。
「休む勇気がなかなか持てない」という場合は、休む勇気を振り絞ってまで、今の現状を変えたいと思っていないのかもしれません。
目の前の仕事をただこなして、月日が流れていく。
ふと、時間ができると「自分の人生これでいいのかな?」「これからどんな方向に進んでいけばいいんだろう・・・」と何となく不安な気持ちが出てくる。
そういった人生の半ばで進むべき方角が見えなくなることを「ミッドライフクライシス」といいます。
どの方角に進んでいこうか、生きる目的に関心がある方は、あわせてご覧ください。
人生つまらないの原因は|ミッドライフクライシスを克服したブッダの智恵
九条えみ
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