敏感で生きづらい人はHSPかも|HSPとは?心を軽くする2つの方法もご紹介
(*この記事は約5分で読めます)
はじめまして。HSPという特性を知ってからずいぶん気持ちが楽になった九条えみです。
この記事にたどり着いたあなたは敏感で繊細な自分に悩んでいるのではないでしょうか?
かつての私がそうだったからです。
敏感で繊細な気質を生かしてあなたがあなたらしく生きていくために、何か参考になることがあれば幸いです。
目次
敏感で繊細な自分を責めなくていい
最初にこの記事を書いている私が悩んでいたことについてお話しさせてください。
「人や環境の変化に敏感」
「他人の気持ちが流れ込んでくる感覚がある」
「急に環境が変わるとドッと疲れる」
と物心ついた頃から感じていました。
それゆえに、なんでもない普段の生活でも刺激に圧倒され、涙が出たり頭痛となって現れたりしていました。
そんな自分は 「些細なことで心も体も疲れてしまう弱い人間なんだ」と長年、自己嫌悪に陥ってばかりでした。
そして「もっと鈍感になることができれば、他の人と同じように生活ができるのに」と、この敏感さ繊細さを克服しなくてはと思っていました。
しかし「HSP」という存在を知り「敏感で繊細なのは病気ではなく個性。せっかくの個性だから否定するのではなく、生かしていこう」と心がふっと楽になりました。
あなたやあなたの周りに敏感で繊細と思う人があれば「HSP」かもしれません。
もしあなたがHSPの特徴に当てはまるならば、HSPがどんな特性かを知るだけでも、自分を客観的に見ることができ心が落ち着くと思います。
もしあなたがHSPでなくても、周りにHSPと思われる人がいるならば、「なぜ細かいことを気にするのか」「どうして些細なことで心身ともに不調になるのか」を少しでも理解でき、接するときの余裕が変わってくると思います。
HSPとは
HSPとは、Highly Sensitive Personの略で、「とても敏感な人」という意味です。アメリカの心理学者、エレイン・N・アーロン博士が提唱した概念です。
研究の結果、HSPは環境や性格などの後天的なものではなく、先天的な気質、つまり生まれ持った性質であることが分かりました。しかも、先天的にとても敏感な人は、人口の20パーセント、5人に1人は当てはまるといいます。
案外、悩んでいる人は多いのですね!
HSPチェック
自分に当てはまるものに「はい」と答えてください。
まったく当てはまらないか、あまり当てはまらない場合に「いいえ」と答えてください。
1.自分を取り巻く環境の微妙な変化によく気づくほうだ
2.他人の気分に左右される
3.痛みにとても敏感である
4.忙しい日々が続くと、ベッドや暗い部屋など、プライバシーが得られ、刺激から逃れられる場所にひきこもりたくなる
5.カフェインに敏感に反応する
6.明るい光や強い匂い、ざらざらした布地、サイレンなどの音に圧倒されやすい
7.豊かな想像力を持ち、空想に耽(ふけ)りやすい
8.騒音に悩まされやすい
9.美術や音楽に深く心動かされる
10.とても良心的である
11.すぐにびっくりする(仰天する)
12.短時間にたくさんのことをしなければならない時、混乱してしまう
13.人が何かで不快な思いをしているとき、どうすれば快適になるかすぐに気づく
(たとえば電灯の明るさを調節したり、席を替えるなど)
14.一度にたくさんのことを頼まれるのがイヤだ
15.ミスをしたり、物を忘れないようにいつも気をつける
16.暴力的な映画やテレビ番組は見ないようにしている
17.あまりにもたくさんのことが自分のまわりで起こっていると、不快になり、神経が高ぶる
18.空腹になると、集中できないとか気分が悪くなるといった強い反応が起こる
19.生活に変化があると混乱する
20.デリケートな香りや味、音、音楽などを好む
21.動揺するような状況を避けることを、普段の生活で最優先している
22.仕事をする時、競争させられたり、観察されていると、緊張し、いつもの実力を発揮できない
23.子供のころ、親や教師は自分のことを「敏感だ」とか「内気だ」と思っていた。
いかがでしたでしょうか。
12個以上に該当した場合は、HSP(とても敏感な人)の気質があります。
また当てはまるものが多いほどHSP度は高いと言われます。
敏感なゆえにストレスを感じやすい
他の人にはなんでもないような日常でも、敏感にキャッチしてしまうHSPにとってはストレスを感じる要因になります。
HSPは人口の2割、5人に1人といわれます。裏を返せば、人口の8割、5人に4人は刺激に対して敏感ではないということです。
敏感ではない人たちとの差に自己嫌悪したり、敏感ではない人に合わせようと無理がかかるので、HSPは生きづらさを感じやすくなります。
私の場合、環境的な要因で刺激に圧倒され体調が悪くなるため、これではいけないと思いながらも、具体的にどうすれば良いか分からず、悪循環を断ち切れずにいました。
しかし、ある2つの方法で、ずいぶんと気持ちも身体も楽になりました。
HSPの心を軽くする方法1:環境を整える
私が環境の大切さに気づいたのは大学生になってからです。きっかけはアルバイト。
昔から憧れていた花屋でアルバイトをするようになり、身体も心も元気になっていくのを実感しました。
好きな花に囲まれ、店内には爽やかな花の香りが漂い、植物は光合成をしているので空気もきれいで、軽快なジャズが耳に心地良い…。
まさに私が好きなものを詰め込んだような環境で、花屋で働くことがストレス発散であり、生き生きした面の自分でいることが多くなっていきました。
刺激に敏感なHSPは、ニガテな環境にいるとストレスを感じやすく、心身に不調が出ることもあります。
大学卒業と同時に花屋で働くことはなくなりましたが、自分に合う環境に身を置く大切さを知ることができたことはとても大きな学びでした。
どんな環境が前向きになりやすいかを知ったことで、心身の調整がしやすくなったからです。
もしあなたが今いる環境が自分に合わない、耐えられないと思われるのでしたら、自分の好きなことや居心地が良い環境をふり返ってみられることをおすすめします。
そして、できる限りそういった環境に自分がいられるように生活を調整すれば、心も体も今よりずーっと楽になるのだと思います。
HSPの心を軽くする方法2:良き理解者と出会いを大切にする
HSPという特性を知るまでは、自分のことを「こだわりが強い」「完璧主義」「せねばならない思考」に囚われすぎているだけだと思っていました。
自分を縛る思考からなかなか抜け出せないこと自体も嫌に思っていて、自分の弱さを打ち明けるということはあまりなかったように思います。
しかし、大学時代に良くしてもらった人たちは、心理学や仏教哲学など人間の心を深く学んでいる人が多かったので、人は誰でも欲や怒りや愚痴などの醜い心があることを前提に接してくれたおかげで、変に自分を繕(つくろ)わなくて良いんだなぁと気持ちが楽になりました。
そして、短所と思っていたことを長所の面から捉(とら)えてくれたことも大きいことでした。
敏感で繊細なことに困っていると「よく気がつくってことは、気遣いができるってことじゃないかな」と捉え直してくれ、そのままの自分を認めても良いのかなぁと思えるようになっていきました。
「そのままで良い」と受け止めて理解してもらうことは、HSPの人にとってとても大事なことだと思います。
善い縁を選べば人生はどんどん変わる
「朱に交われば赤くなる」とは、人は関わる相手や環境によって、良くも悪くもなるという意味です。
仏教哲学を専攻していた先輩から、関わる相手や環境の大切さを教えたお釈迦さまの言葉を教えてもらったことがあります。
「あらゆる結果は、因と縁が結びついて現れる」
一切法(万物)は因縁生(いんねんしょう)なり (お釈迦さま)
その時は、「そういうものかなぁ」くらいの受け止め方だったのですが、縁があって私も仏教を学ぶようになり、実生活でそのまま使える知識であることに驚いています。
先輩からは、「お米」という結果が現れる因と縁を例に教えてもらいました。
お米は何からできるかといえば、「モミダネ」 です。
モミダネがなければ、そもそもお米はできません。
しかし、因であるモミダネさえあればお米になるかというと、そうではありません。
モミダネを机の上や南極の氷の上にまいてもお米にはなりません。
モミダネという「因」に、土や水、日光などの生育環境がそろって初めて、お米という「結果」になります。
この場合、モミダネがお米になるのを助ける生育環境が「縁」です。
このように、因だけでも結果は現れないし、縁だけでも結果は現れません。
因と縁がそろって初めて結果が現れます。
これは、私たちが日ごろ受ける結果も例外ではありません。
なぜ幸せや不幸といった運命が起きるのか。
運命を引き起こす「原因」は自分自身の「行い」だと仏教では教えられます。
(自分の運命は何によって決まるのか、詳しく知りたい方は「因果の道理(因果応報)とは?因果応報の本当の意味|カルマとは何か?」をお読みください)
因が変われば結果(運命)は変わりますから、「幸せになりたければ、悪い行いをやめ、善い行いをすることが大切ですよ」とお釈迦さまは勧められています。
ところが、すでにやってしまった行いは変えようがありません。
しかし「どうせ自分なんて・・・」と落ち込む心配はありません。
なぜなら「因は同じでも、縁が変われば結果は変わる。 だから、より善い縁を選ぶことで運命も好転するのですよ」とお釈迦さまは教えられています。
たとえば、同じコシヒカリのモミダネでも、新潟県の魚沼地区で栽培されたコシヒカリは、日本有数の豪雪地帯でコシヒカリの理想的な生育環境という良い縁がそろっているので、日本で最もおいしいと評されるほどです。
善い環境に身を置き、善い人と積極的に縁をもつようにすれば、思いもしなかった幸せな運命が開かれることでしょう。
たとえ今までが恵まれていなくても、あきらめる必要はないのだよ、とお釈迦さまは背中を押してくださっているのですね。
まとめ
敏感で生きづらさを感じていた私の心が軽くなったワケは、
1.自分に合う環境を整えることができたこと
2.良き理解者との出会い
にありました。
HSPという特性を知るまでは、原因も分からず対策のしようもなく、ただ嫌な気持ち、不調に悩まされるだけだったのが、「事前に何に注意すればよいかが分かる」ことで、対策を取りやすくなりました。
HSPは、想像力豊かで、他人の気持ちに寄り添うことができる素晴らしい気質です。
HSPの良い面を理解し、認めていくことがまず大切だと思います。
九条えみ
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