「自分の話を聞いてくれない」と悩む方へ|話すときに一番大事なポイント
「一生懸命話しても、全然聞いてくれない」
そんな経験はないでしょうか。
会社なら上司が部下に話すとき、家なら妻が夫に、親が子どもに話すとき。
話を聞いてくれない相手に伝えたい場合、一番大事なポイントは何でしょうか。
実体験を通して紹介します。
「口下手で話すのが苦手」という悩み
口下手で大人しい性格の知人が、オンラインで一対一で話をすることになったそうです。
「自分なりに一生懸命話すけれども、いまいち話が盛り上がらない。頑張っても空回りして、どんどん自信をなくしてしまう」と相談を受けました。
口下手な人が一対一で話を続けるのは大変です。
とても緊張して無理に明るく振舞っている姿が目に浮かびます。
しかし、元の性格とかけ離れた自分を演じると「この人、相当無理しているな・・・」と何となく相手に伝わってしまうものです。
そこで、こう伝えてみました。
「今の状態は“自分がどう見られるか”ばかりに気を取られて、相手に向き合っていないような感じがします。
無理に明るい自分を演じるのではなく、相手の幸せを想って、自分らしく誠実に話してみてはどうですか?
たとえ、たどたどしい口調でも、真面目さや真剣さが伝わってきて、かえって好感を持つことはよくあるものですよ」
後日、相談を受けた人から「聞いた通りにアドバイスしてみたら、上手くいくようになった」と喜んでいました。
話すときに一番大事なポイント
「自分の話を聞いてほしい」
「なんで真面目に聞いてくれないんだ」
という心が出てきたら要注意です。
話す目的が自己満足を満たすためになっているからです。
話をする目的は相手に分かってもらうためです。
それには、まず相手に目を向けることです。
いまの相手の心理状態はどうだろうか。
気が散っていないか。
落ち込んでいないか。
テンションが上がっているか。
など、相手の心理状態によってこちらの対応も変わってきます。
相手が悩みを抱えていて、その悩みを聞いてほしい状態のときに、自分ばかり話しては相手は満足しません。
そういう時はあえて何も話さずに「何かあったんですか?」と問いかけてみる。
すると、話したい人はつらつらと今の気持ちを話すでしょう。
話しをするときは、利他に徹する心がけが大事です。
利他とは、他人に利益を与えると書き、相手を幸せにすることです。
相手の幸せを念じた言動が、相手を満足させ、結果的にこちらの話も受け取ってもらえるのです。
経営者の稲盛和夫さんも利他の心を重んじています。
経営判断する際に、「自分だけがよければいい」という利己の心では誰の協力も得られず、視野が狭くなり間違った判断をしてしまいます。
「人によかれ」という利他の心は、周りの人も協力してくれ、視野が広くなり正しい判断ができると言います。
仏教では幸せになりたければ与えることだけ考えよと言われます。
「自分の話を聞いてくれない」の心を回れ右して「相手が望むことは何か?」とまず相手の心を考えることが大切ですね。
九条えみ
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