若手社員との円滑なコミュニケーションは加点方式【中編】|加点方式コミュニケーションとは?

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心穏やかアドバイザーのヒロカズです。

前回は加点方式の接し方として話し方について紹介しましたが、話し方よりもっと簡単に若手とコミュニケーションを良好にする方法はないかと問い合わせを頂きましたので、今回は心がけ一つでできる加点方式コミュニケーションを紹介します。

加点方式にシフトした背景

まずは簡単に減点方式から加点方式のコミュニケーションにシフトした背景についておさらいします。
これはインターネットの発達によるところが大きいと思います。インターネットの世界では

①事実(行動)がある。
②事実(行動)をもとに情報をアップする。(最近は加工してアップする技術が特に進歩している(笑))
③アップされた内容をもとに評価する。(「いいね!」やシェア、リツイートなどリアクションボタンを押すかどうかが決まる)

という構図になっています。

その上、インターネットの場合マイナスの評価は書き込みにくい(マイナスの評価は好まれない)という特徴があるので、プラスの評価の場合は「いいね!」ボタンを押しますが、マイナスの評価の場合は「いいね!」ボタンを押さないという評価の仕方になっています。
これは加点方式の形をとっていないでしょうか?

インターネットが生活になくてはならない存在になっている現代人はこの評価形式の影響を少なからず、受けているでしょう。
特に小さい頃からやかんや鍋のようにインターネットを使っている若者にとっては、自分は評価されているのかいないのかという自分の立ち位置を確認する時には減点方式よりも加点方式のほうがわかりやすいのかもしれません。

加点方式の話し方より簡単な加点方式

前回紹介した加点方式は「二択で聞いて発言を求めない」という方法でしたが、これを身に付けるにはちょっと時間がかかるように感じた人もあるでしょう。
確かにちょっと時間がかかるかもしれません。
そこで、今回はもっと簡単な方法で若手とのコミュニケーションを円滑にする加点方式のコミュニケーションを紹介します。

それは若手を「褒める」ということです。
「褒める」と聞くとすでに実践されている方もあると思いますが、ここでいう「褒める」というのはただ褒めるのではありません。
加点方式の仕方で褒めるということです。
では、加点方式の褒め方とはどんな褒め方かというと。。。ズバリ「2回褒める」ということです。
しかも「同じ言葉で2回褒める」というのが加点方式の褒め方のポイントです。

ここ数年、仕事のでき栄えについて「素晴らしいね」と若手を褒めても、ほとんどの若手から「いえいえそんなことありません」と否定的な反応が返ってくることが多くなりました
今の若手は端からは自信があるように見えても、実際は非常に謙虚な人が多いのではないでしょうか?

ところが、そんな若手でも再度同じ言葉で「本当に素晴らしいよ」と褒めてみると、2回褒められた若手は笑顔になったり、「ありがとうございます」という肯定的な言葉を発するようになりました

同じ言葉で2回褒める

これが今の若手とのコミュニケーションでは大切なのでしょう。次に実際にあったやりとりを簡単に紹介します。

顧客に提案する資料作成時のやりとり

私:「ダイキ君。この文章はわかりやすい!素晴らしいね!」
若手:「いや~そうですかね~」
私:「そうだよ。本当にわかりやすいよ。素晴らしい!」
若手:「ありがとうございます!」

食事会の際のやりとり

私:「フミヒロ君。この料理、自分で作ったの?おいしいね!」
若手:「いえ、そんなことありません」
私:「いやー。そんなことあるよ。本当においしいよ。素晴らしい!」
若手:「ありがとうございます!」

褒め言葉には「スゴイね」「立派だね」「素晴らしいね」「気が利くね」「ステキだね」などさまざまな言葉がありますが、若手を褒める時のたった一つの心がけは「同じ言葉で2回褒める」ということでしょう。
加点方式のコミュニケーションで褒める場合は「同じ言葉で2回褒める」というのが褒める時の基本です。

ワンランク上の加点方式を目指して

加点方式の褒め方として「同じ言葉で2回褒める」ということを紹介しましたが、さらにもうワンランク上の加点方式の褒め方を紹介するならば「比較して褒める」という方法があります。

この場合、何と比較するかがポイントですが、私の場合、思い切って動物と比較して褒めました。
人間と比較する場合でも赤ん坊や小学生のように本人とかけ離れた年代を比較対象としました。
それにより若手から肯定的な反応を引き出すことができました。以下は実際にあった若手女子とのやりとりです。

仕事の手順を覚えようとした時のやりとり

若手:「仕事の手順をなかなか覚えられないんです。。」
私 :「確かにちょっと面倒かもしれないね。ただ、この手順を猫は覚えることができるかな?」
若手:(笑いながら)「できないですね」
私 :「猿には覚えることができるかな?」
若手:(さらに笑いながら)「できないですね」
私 :「そうだよね」
若手:「がんばります」

普通、動物と比較されると腹を立てそうに思いますが、その女子社員は前向きに手順を覚えようと努力し始めたのです。

「自分はできない」と言っている人に「あなたはできる」という肯定的なメッセージを送る時には動物との比較で肯定的なメッセージを送るのが加点方式の褒め方の一つです。
ここで比較して褒めるという方法の際、猫と猿という2種類の動物をあげていますが、比較対象は2種類くらいあげるのが効果的だと思います。
このように本来比較対象にならないような相手と比較して褒めるという方法がワンランク上の加点方式の褒め方と言えるでしょう。

加点方式の精神

ここまで加点方式の褒め方を2つ紹介しましたが、褒めるときに一番大切なことは「心から褒める」ということです。
どれだけ褒め方を身に付けても、肝心の心が抜けていては相手の心に届かないのではないでしょうか?
今の若手はこれまでの若者以上に人間関係に敏感な人が多いので、「口先だけ」か「心から」かは簡単に見抜かれてしまうようにも感じます。
インターネットの発達で個人の行動が不特定多数に筒抜けになる時代になればなるほど、裏表のない澄み切った心で若手に接していくことが一番大切なのかもしれません。

まとめ

  1. 心がけ一つでできる加点方式とは「褒めること」
  2. 加点方式の褒め方は「同じ言葉で2回褒める」
  3. ワンランク上の加点方式の褒め方は「比較して褒めること」
  4. 加点方式の褒め方で大事なのは「心から」の褒め言葉

(続き)若手社員との円滑なコミュニケーションは加点方式【後編】

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ヒロ☆カズ

チューリップ企画のヒロ☆カズです。 31歳で肝臓の病気にかかり、2度の入院を経験しました。朝起きて仕事に行く。休日は友人と出かけるという当たり前の日常を失い、初めて、朝起きて仕事に行けることが当たり前でないことに気が付きました。 当たり前の1日がかけがえのない1日であることに気づけば、悩みが感謝の心へ変わるのかもしれません。闘病中に読んだ本や勇気をもらったさまざまな言葉からヒントを紹介したいと思います。
心が穏やかになった人へ
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