任せる力「人間は必ず失敗するもの」の前提で業務システムを構築する
『いつも忙しそうにしている割に、あまり成果が出せていない人』
『いつも余裕があるのに、多くの仕事をこなし、成果をバンバン出している人』
その違いは、どこにあるのでしょう。
いろいろな要因があると思いますが、仕事は一人でしているのではなく、チームで行っていますので、
「どれだけ自分の周囲の人の力を生かせているか」
これが大きな要因として考えられます。
これを 『 任せる力 』と呼びたいと思います。
他人に任せることは、簡単なように見えて、実は難しいのです。
失敗すると、かえって自分を忙しくさせることにもなりますので、任せたいけど、任せられず、結局、他人に任せずに、自分でそのままやってしまう人も少なくありません。
この『 任せる力 』を身につけるには、「 技術 」だけでなく「 メンタル 」も非常に大事になります。
「 技術 」だけなら短期間に身につくのでしょうが、「 メンタル 」もありますので、身につけるのが難しいのです。
『 任せる力 』を身につけるには、「 メンタル 」と「 技術 」の両方が必要です。
1章 「メンタル」
2章 「何を任せるか」「任せる目的」
3章 「任せる相手」
4章 「任せる技術」(自分の仕事を整理整頓する)
5章 「任せる技術」(引継の方法)
この順番で説明していきたいと思います。
5章「任せる技術」(引継の方法)について、説明しています。
システム内のヒューマンエラー対策
マニュアル、システム通り、実行するのは、人間なので、どれだけ完璧にしようとしても、ミスはなくなりません。
期待した出力と違うものがでてくることもあります。
「決定版 失敗学の法則」(畑村洋太郎著)には「すべてのエラーはヒューマンエラーである」と書かれてあります。
人間のやることに「完璧」はありません。
人間の動くところには必ず失敗が起きるものです。
その時に、どのように説明すればよいでしょうか。
どこに当たり前を置くか「人間は必ず失敗するもの」
失敗しないと思っていれば、失敗が起これば驚きます。
失敗するものだと思っていれば、失敗が起きても驚かず、失敗した時にはどうすればよいか、その対応を粛々と進めます。
どこに当たり前を置くかによって、失敗が起きた時の初動が変わってきます。
「人間は必ず失敗するもの」、ここに当たり前を置きましょう。
人の命を扱う仕事ではどうしているか
「人間は必ず失敗するものだ」といっても、人の命を扱う仕事で開き直って言われても困ります。
人命救助、交通機関の運行システムなど、絶対にエラーが許されないようなシステムに関しては、コンピュータでシステムを制御しようとします。
ところが、それでもエラーは起きています。
それはなぜか。
どんなに完璧に見えるシステムでも、それを作るのはエラーをする人間だからです。
さらに、たとえ完璧なシステムだったとしても、それを運営する上で人間がミスをすれば致命的な事故へと発展するケースはいくらでもあります。
そう考えますと、システムエラーを防ぐ上で重要なのは、エラーが起きない完璧なシステムを作ることではありません。
エラーをした時に、すぐに対策を打てるようなシステムを作ること、「人間は失敗をする」ということを前提にしたシステム運営をすることが大事になります。
まとめ
「人間は必ず失敗するもの」、ここに当たり前を置きましょう。
エラーをした時に、すぐに対策を打てるようなシステムを作ることが大事です。
任せる時も任せる相手がエラーすることを想定して任せましょう。
あさだ よしあき
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