任せる力 ボトルネックを踏まえて計画を立てる
『いつも忙しそうにしている割に、あまり成果が出せていない人』
『いつも余裕があるのに、多くの仕事をこなし、成果をバンバン出している人』
その違いは、どこにあるのでしょう。
いろいろな要因があると思いますが、仕事は一人でしているのではなく、チームで行っていますので、
「どれだけ自分の周囲の人の力を生かせているか」
これが大きな要因として考えられます。
これを 『 任せる力 』と呼びたいと思います。
他人に任せることは、簡単なように見えて、実は難しいのです。
失敗すると、かえって自分を忙しくさせることにもなりますので、任せたいけど、任せられず、結局、他人に任せずに、自分でそのままやってしまう人も少なくありません。
この『 任せる力 』を身につけるには、「 技術 」だけでなく「 メンタル 」も非常に大事になります。
「 技術 」だけなら短期間に身につくのでしょうが、「 メンタル 」もありますので、身につけるのが難しいのです。
『 任せる力 』を身につけるには、「 メンタル 」と「 技術 」の両方が必要です。
1章 「メンタル」
2章 「何を任せるか」「任せる目的」
3章 「任せる相手」
4章 「任せる技術」(自分の仕事を整理整頓する)
5章 「任せる技術」(引継の方法)
この順番で説明していきたいと思います。
現在は4章「任せる技術」(自分の仕事を整理整頓する)について、説明しています。
今回は業務システムのボトルネックについて、具体的に説明したいと思います。
目次
業務システムのボトルネックを知る
あるイベントの責任者をしました時に、ボトルネックだったのは参加人数の最終締切日でした。
●完成図のイメージング
●要素抽出
●時系列で整理
●階層化
この順番で計画を立てると、以下の2つに大きく分けられます。
1.参加人数の最終締切日前
2.参加人数の最終締切日後
参加人数の最終締切日後、ここで正確な人数がわかりますので、それまでは曖昧だったものがハッキリしてきます。
正確な人数にもとづいて、実務は大変慌ただしくなります。
ここがボトルネックになります。
ボトルネックを踏まえて計画を立てる
そこで、ここがポイント!!
1.最終締切日をいつに設定するか
2.最終締切日後に慌ただしくなることがわかっているので、最終締切日前にできることは、それまでに、やり終えておく。
最終締切日の設定を間違えると、大変なことになります。
最終締切日後は、追い込み状態になり、どうしても慌ただしくなるので、忙しくなるのは避けられません。
だからこそ、ある程度、余裕をもった期限を設定する必要があります。
計画が甘いとどうなるか
それなのに、ギリギリな設定にしてしまうと、物理的に時間が足りなくなります。
「徹子の部屋」ならいいですが、「徹夜の部屋」のゲストに呼ばれて睡眠時間が短くなります。
朝から晩まで、いつも1.25倍のスピードで動き続けることになり、肉体的にも精神的にも疲労が蓄積します。
心の余裕がなくなりますので、ちょっとうまくいかないことが起きると、自分にいらだったり、周りの人に、とげとげしくなったり、いいことはありません。
慌ただしくなると、普段しないミスを起こりやすくなります。
そのミスの修正で、余計、時間がとられてしまい、負の循環が始まります。
これに陥ったら、毎日、暗くなります。この世の地獄です。
このような状態から脱出するには、相当、時間を費やさないといけません。
自分の力だけでは難しい場合もあります。
第三者の力を借りるしかないこともありましょう。
しかし、時間をとることもできず、今さら、上司に相談できないよと、何も報告せず、また、虚偽の報告をしてしまったりで、そのまま、当日に突入!
目も当てられません。
失敗の典型例となってしまいます。
ミスの少ない人はどんな人か
ミスの少ない人は、期限ぎりぎりなどの精神的プレッシャーを受ける時でも、ミスなくできる人ではありません。
こんな人は特別な人で、滅多にいないと思います。
精神的プレッシャーをできるだけ受けないように、優先順位を考え、期限ぎりぎりにならないよう、スケジュール管理をしている人なんです。
洩れがないように他者と確認する
当日の動きも、事前に確認しておきましょう。
自分一人で考えていると漏れているところもありますので、日程表にそって、それぞれの係が何をするか、抜けていることはないか、誰が担当するのか、など、係で集まって、検討します。
これは自分の仕事ではないと、お互いに思っていると、野球でいう「ぽてんヒット」状態になってしまいます。
誰がするか、責任を明らかにすることで、自覚も高まります。
他者の確認が入らない業務は、自分一人で確認することになるので、ボトルネックになりますので、気をつけましょう。
情報の共有
情報の共有も大事ですね。
進捗状況など、係で、情報を共有します。
ある一人しか知らない情報があると、その人がいないとわからない、その人が病気になってしまうと計画がストップしてしまいます。
その人自身がボトルネックになってしまいます。
また、ある一人に仕事が集中すると、その人が仕事に押しつぶされてしまうこともあります。
これを「ハイヒール状態」といいます。
一点に集中してしまうということです。
これもボトルネックになります。
どうしても、できる人に仕事は集中してしまうのですが、ハイヒール状態になる前に、解消しましょう。
そのためにも情報を共有することは大事です。
まとめ
いろいろなところにボトルネックが生じます。
どこにボトルネックが生じるか、知った上で計画を立て、管理していきましょう。
あさだ よしあき
最新記事 by あさだ よしあき (全て見る)
- 任せる力 「ハインリッヒの法則」があてはまる - 2018年9月23日
- 任せる力「人間は必ず失敗するもの」の前提で業務システムを構築する - 2018年9月16日
- 任せる力 「暗黙知」と「形式知」のそれぞれの引継ぎ方法 - 2018年9月9日