「任せる技術」(自分の仕事を整理整頓する)チェックリストを作る
『いつも忙しそうにしている割に、あまり成果が出せていない人』
『いつも余裕があるのに、多くの仕事をこなし、成果をバンバン出している人』
その違いは、どこにあるのでしょう。
いろいろな要因があると思いますが、仕事は一人でしているのではなく、チームで行っていますので、
「どれだけ自分の周囲の人の力を生かせているか」
これが大きな要因として考えられます。
これを 『 任せる力 』と呼びたいと思います。
他人に任せることは、簡単なように見えて、実は難しいのです。
失敗すると、かえって自分を忙しくさせることにもなりますので、任せたいけど、任せられず、結局、他人に任せずに、自分でそのままやってしまう人も少なくありません。
この『 任せる力 』を身につけるには、「 技術 」だけでなく「 メンタル 」も非常に大事になります。
「 技術 」だけなら短期間に身につくのでしょうが、「 メンタル 」もありますので、身につけるのが難しいのです。
『 任せる力 』を身につけるには、「 メンタル 」と「 技術 」の両方が必要です。
1章 「メンタル」
2章 「何を任せるか」「任せる目的」
3章 「任せる相手」
4章 「任せる技術」(自分の仕事を整理整頓する)
5章 「任せる技術」(引継の方法)
この順番で説明していきたいと思います。
今回から4章「任せる技術」(自分の仕事を整理整頓する)を説明していきます。
荷物をもっていることに例えると、たくさん荷物を持っています。
重いので、渡したいのですが、なかなか渡すことができない。
それが、とにかく渡そうという気持ちになり、たくさんの荷物の中で、どれを渡すか、決まり、渡す相手も決まりました。
次に問題になるのは、どのように渡したらよいか。
たくさん荷物をもっていて、ゴチャゴチャしていたら、この荷物をとってくれといっても、なかなかとってもらえません。
この荷物を整理するのが、自分の仕事をしっかり把握することです。
目次
自分の仕事をしっかり把握する
・重要でしかも緊急度が高いことは →“A”
・重要だが、急がないことは →“B”
・重要でないが、緊急度が高いことは →“C”
・重要でもないし、緊急でもないことは →“D”
この4つに大まかに分類します。
“C”は、重要でないが、緊急度が高いこと
“C”を捨てる、やらない、または減らす
“C”を効率化する、もっと早くできるようになる
“C”を他者に任せる
これができるかどうか。
“C”を捨てる、やらない、または減らす。
これは、決断すれば、終わりです。
“C”を効率化する、もっと早くできるようになる
“C”を他者に任せる
これは、どうすればよいか。
自分の仕事を整理整頓することが大事です。
チェックリストを作る
まずは、“C”を効率化する、もっと早くできるようになる
その一つの方法が、チェックリストを作ることです。
ルーティンワークのように、すでに何をするか、決まっている仕事は、何をするかを、書きだして、それを時系列順に並び変えます。
あとは、それをチェックしながら、仕事をしていけば、誰でも漏れなく仕事をこなすことができるわけです。
日常生活でも、チェックリストをつくると、効率的です。
例えば、出張の時の、もちものチェック表など、忘れ物対策には、なくてはならないものです。
チェックリストの作り方
チェックリストの作り方を「システム理論」の基礎にもとづいて考えてみたいと思います。
システムとは、入力すれば、期待通りの出力がある。それをシステムといいます。
(入力)→│システム│→(出力)
このシステムを保存しておけば、同じ入力をすれば、同じ出力が期待できます。
誰でも同じ結果を生み出せます。(再現性)
完成図のイメージングと共有(出力を確認する)
頭の中で完成図を思い浮かべます。
そして、そのイメージを共有します。
システムでいうと、出力を確認します。
例えば、
・会議やイベントなら、机・イス・資料など、どんな状態にすればよいのか
・手続きならば、どんな書類を作成すればよいのか
この完成図が、上司と食い違っている場合、あとから、面倒なことになります。
当日に、こんな言葉で叱られます。
「なんでこんなことやってるんだ!」
「そんなことやるとは聞いてないぞ!」
本人は尋ねたつもりなのですが、意志の疎通ができてなく、イメージしていた完成図にギャップがあったためです。
こんなことにならないように、よく上司とは意志の疎通をはかりましょう。
(これがなかなか難しいんですが)
要素抽出
完成図にもとづいて、必要と思われることを、ブレインストーミング法等でどんどん挙げます。
洩れなく挙げることが大事です。
これをシステム理論では「要素を抽出する」と言います。
ブレインストーミング法とは
自由に意見を出し合い、あるテーマに関する多様な意見を抽出する技法のことです。
質より量を重視し、お互いの意見に批判をせず、自由に意見を出し合うことで、周辺知識を列挙することができます。
例えば、誰かが意見を言った時、すぐにお局さん的な人が「それはダメ」「昔、やった」「100年早い」などと言ってしまうと、もう意見を言えなくなってしまいます。
上司が、どんどん意見を出そうと言っていても、すぐにダメ出しをしてしまっては、意見が出るはずがないですよね。
完成図にもとづいて、必要と思われることを、洩れなくブレインストーミング法等でどんどん挙げます。
例えば
・交通の手配
・必要な準備物
会場で借りられるか、レンタルするか、持っていくか、購入するか もっと安く手配できないか
・必要な係の配置
前任者・経験者に聞く(過去の資料・反省を読む)
もれなく要素を抽出する為には、自分だけでなく、前任者・経験者からも話を聞くことが大事です。
経験者だからわかることもあります。
過去、その仕事をしていた人に話を聞きます。
直接、聞けない時(初の試み、その人がいない、忙しい)は、その資料、反省を読みます。
わからないことがあれば、その点にしぼって、聞きます。
そのためにも、過去の資料、反省はしっかり残しておくのが大事です。
特に、反省は、実際にやってみて始めてわかる情報が詰まっていますので、情報の価値としては、非常に高いです。
反省は、イベントが終わってから残すことになりますから、余程、意識を高くもっていないと、
・しっかりとした反省もせず(当然、資料も残らず)
・そのままお流れになってしまう
反省をしっかり残す人があれば、その人は、将来を見据えた、素晴らしい人と言えるでしょう。
反省など、過去の資料をしっかり残して下さっている先輩がおられたら、手を合わせて、感謝しましょう(笑)
かつて戦争において、戦史を残すことは大事な仕事でした。
アナログの時代、それは大変なことだったと思います。
現在は、デジタルの時代なので、最初から、記録を残すことを考えていれば、業務の記録のままが、反省の記録にもなりえます。
最初から反省を残すことも考えて、件名を考えたり、キーワードを決めたりしておくと、検索する時に便利です。
他の人が読んでもわかるような文章
私の場合、自分が読んだらわかるのはもちろんですが、他の人が読んでもわかるような文章を心がけています。
かつて自分が携わっていた仕事について、聞かれることがあります。
できるだけ丁寧に答えたいと思いますが、自分にも予定があります。
相手と自分の共有できる時間は、それほど多くはありません。
できるだけ早く、相手に仕事のことをわかってもらいたい。
その為には、限られた時間で、記録を読んだだけではわからないことを説明したいと考えます。
そこで、これを読んでもらったらわかってもらえるものを目指して、記録を残しています。
時系列で整理
要素抽出で、でてきた必要な仕事を、順序づけをします。
A、B、Cと仕事があれば、並列でできるか、AをしなければBができないかなど、考えます。
A→B→Cならば、Cをやる為には、AとBを先にしなければならないとわかります。
★例えば、
・場所が決まらないと、参加費が決められない。
・会計係を決めないと、誰に参加費を納めて下さいと連絡できない。
階層化
時系列で整理できたら、大きくまとめて階層化できます。
それぞれの要素の仕事が、どれぐらい時間がかかるか等も考慮して、それぞれ、どの時期に、何ができるかを整理します。
例えば、
a → b
a → c
ならば、b と c は同時並行で、できます。
※ b と c は、同じ階層と言います。
a → c
b → c
ならば、a と b が終わらないと c に入れない、です。
※ a と b は、同じ階層と言います。
そうすると、こんな感じなものができあがります。
アルファベット1つ1つが階層です。
A → B → C → D → E → F
いわゆる「段取り」です。
A、B、C・・と、それぞれの階層で、チェックリストを作成することができます。
チェックリストで仕組化される効果
このチェックリストで仕組み化されると、
・うっかり忘れがなくなる
・あせりやストレスから解放される
・能力や感性に頼らずに結果が出る
・同じことでも短い時間でできるようになり時間を捻出することができる
“C”を効率化する、もっと早くできるようになる
↓
・仕事が一気に楽になる
・ストレスが起こらなくなる
・全体像が把握できているので、計画的に進めることができる
心と時間に余裕ができる
↓
・“B”(重要・非緊急)に取り組める
・他人に任せる為の時間を生み出すことができる
まとめ
・チェックリストをつくる。
・チェックリストの作り方
1.完成図のイメージング
2.要素抽出
3.前任者・経験者に聞く(過去の資料、反省を読む)
4.時系列で整理
5.階層化
あさだ よしあき
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