任せる力|任せられた仕事を行う上での基礎(2)
『いつも忙しそうにしている割に、あまり成果が出せていない人』
『いつも余裕があるのに、多くの仕事をこなし、成果をバンバン出している人』
その違いは、どこにあるのでしょう。
いろいろな要因があると思いますが、仕事は一人でしているのではなく、チームで行っていますので、
「どれだけ自分の周囲の人の力を生かせているか」
これが大きな要因として考えられます。
これを 『 任せる力 』と呼びたいと思います。
他人に任せることは、簡単なように見えて、実は難しいのです。
失敗すると、かえって自分を忙しくさせることにもなりますので、任せたいけど、任せられず、結局、他人に任せずに、自分でそのままやってしまう人も少なくありません。
この『 任せる力 』を身につけるには、「 技術 」だけでなく「 メンタル 」も非常に大事になります。
「 技術 」だけなら短期間に身につくのでしょうが、「 メンタル 」もありますので、身につけるのが難しいのです。
『 任せる力 』を身につけるには、「 メンタル 」と「 技術 」の両方が必要です。
1章 「メンタル」
2章 「何を任せるか」「任せる目的」
3章 「任せる相手」
4章 「任せる技術」(自分の仕事を整理整頓する)
5章 「任せる技術」(引継の方法)
この順番で説明していきたいと思います。
3章「任せる相手」を説明しています。
自利利他の心がけで「まだ任せられないではなく、任せるから任せられるようになる」と思い、任せようという気持ちになりました。
何を任せるかも、整理できました。
では、誰に任せればよいのか。
どんな人にでも、任せてよいのではありません。
任せる相手を間違えますと、後から、しばらくして、また、自分が受け持つようになる、「リバウンド」状態になるだけです。
では、どんな相手に任せればよいのでしょうか。
仕事内容によって、適材適所、能力、経験等が関係するのは、もちろんですが、その前の段階で、考えてみたいと思います。
「お伺い → 実行 → 事後報告」
今回は、任せられた仕事をちゃんと行う上での基礎をマスターしているかどうかで、考えたいと思います。
「任せられた仕事」を行う上での基礎は「お伺い → 実行 → 事後報告」です。
これがマスターできれば、任された人は、しっかり仕事を行うことができ、信用を築くことができます。
前回、「お伺い」を説明しました。
「実行」とは
「実行」とは、その名の通り、お伺いした通り、実行することです。
実行のポイント「期限を守る」
「いつまでに、何をする」と決まりますから、その期限を守るのが大事です。
自分一人ならいいですが、チームでの仕事の場合、周りの人に迷惑をかけることになります。
とはいえ、様々な事情により、期限が守れないこともあります。(あってはなりませんが)
1.期限が守れないとわかったら、すぐにお伺いする。
2.期限ギリギリになってから、お伺いする。
3.期限を過ぎてから、報告する。(すでにお伺いの時期を過ぎています)
4.問い合わせがあって、はじめて報告する。
皆さんは、1~4のうち、いずれになりますでしょうか。
4は論外(間違いなく信用を失う)ですが、2や3でも無責任といわれるかもしれません。
期限が守れないとわかったら、すぐにお伺いしましょう。
長期にわたる仕事で、期限がかなり先の場合は、中間報告など、進捗状況を報告すると、安心されます。
中間報告する日を事前に決めて、それを目途に、仕事を進めていくと進めやすいです。
「事後報告」とは
「実行」しましたら、ちゃんと実行したことを「事後報告」します。
大事の案件ほど、本当にやっているかどうか、依頼した上司は心配していますから、事後報告があると安心し、また、信頼されるようになります。
この事後報告がしっかりできるかどうか。
これが、信用が得られるかどうかの紙一重の違いといってもよいかもしれません。
「お伺い」→「実行」、ここまでは、多くの人ができると思うのですが、「事後報告」が抜けると、信用を築くところまでいきません。
「お伺い」→「実行」→「事後報告」、これが一つのフォームで、事後報告までして、はじめて一つの仕事が終わります。
事後報告が終わって、はじめて「to do list」に、線を引いて消すことができるのです。
例:上司から部下の○○さんに書類を渡してくれと依頼された時
1.○○さんに渡したら、すぐに事後報告する。
電話・携帯メール・パソコンメールかは、上司の予定と状況に使い分ける
2.次に上司に会った時に、事後報告する。
3.上司に会った時に、上司から聞かれて、はじめて報告する。
その時に「すいませんでした」と、まだ悪気がある。
4.上司に会った時に、上司から聞かれて、はじめて報告する。
しかし、全く悪気がない。
5.そもそも、○○さんに渡すのを忘れていた。
★5は事後報告の問題ではなく、実行の問題なので、まずはポケット一つの原則の適用から入りましょう。
★4は論外ですが、忙しい時、思わず忘れてしまって、3の事態になることもあるかもしれません。
★忙しいと、事後報告を忘れてしまいますから、忘れないうちに、携帯メールで送るのもポイントの一つです。
★案件に応じて、1と2を使い分けましょう。
この場合、受け取った部下の○○さんも、受け取った時に、上司に報告すると、素晴らしいと思います。
すぐに事後報告ができない案件の場合、例えば、長期間に渡る仕事 など、そういう時は、節目節目に、中間報告を入れましょう。
「任せられた仕事」を行う上での基礎は、「お伺い → 実行 → 事後報告」です。
これがマスターできれば、任された人は、しっかり仕事を行うことができ、信用を築くことができます。
「お伺い → 実行 → 事後報告」の基礎を伝えていきましょう。
まとめ
・「任せられた仕事」を行う上での基礎は「お伺い → 実行 → 事後報告」
・「実行」 → 期限を守る
・「事後報告」ができるかどうかが、信用が得られるかどうかの分かれ目といってもいい
・長期間にわたる仕事は、中間報告を入れる
あさだ よしあき
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