「AIスコア」が人間を評価する時代|AIと仏教の視点から「幸せ」を考える
こんにちは、みさきです。
今はAIの話題を聞かない日はないくらいです。
「AIに奪われる職業ベスト20」
「プロ棋士がAIに完敗」
「AI(人工知能)って本当に信用できるの?」など、テレビでも雑誌でも盛んに特集が組まれます。
今、私たちはAI紀ともいえる歴史上の大きな分岐点に立っていると感じます。
私が知って驚いたのは、AIによる「AIスコア」です。
AIが人間を評価する?「AIスコア」とは
「AIスコア」とは、個人の信用力や信頼性をスコア化(数値化)したものです。
AIが個人の学歴や性格、金銭感覚、ライフスタイルなど、ネット上の行動傾向から大量のデータを分析して、その人の信頼度を数値化するのです。
今後AIスコアが高いほど、様々な良い条件や待遇を受けられるようになります。
例えば
・ローンを低金利で組める
・融資審査などの審査に自動的に合格
・旅行やレストラン、ゴルフクラブなどでおもてなし・優遇を受けられる
・結婚相手が見つかりやすい
すでに「AIスコア」の活用はアメリカや中国でかなり実用化されており、日本でも複数の大手企業が導入を発表しています。
AIは人間のような偏見や感情が入りませんので、今までよりずっと分析の精度が高く、今後は企業の人材採用も優良顧客の分析も、「AIスコア」で判断するのが一般化する時代が訪れようとしています。
「AIスコア」が高ければ幸せになれる?
「AIスコア」が普及する社会では「私のスコアは今、○○点」「あと○○点獲得したい」という会話が日常で繰り広げられるかもしれません。
結婚も「AIスコア」が釣り合う人とするようになり、人付き合いも「AIスコア」が優先されるようになっていきそうです。
そうなると周りからも「AIスコア」が高い人は幸せな人と思われ、低い人は不幸な人と見做され、自分自身もスコアを比較して「あいつよりも幸福だ」「不幸だ」と思う時代になるでしょう。
しかし仏教を学んでいると「AIスコア」の高い人が、そのまま「人生に喜びを感じている」「人生に深い意味を感じている」真の幸福と比例しないということが知らされてきます。
仏教で教えられる幸せな人とは
実は仏教では私たちの幸せには2通りあると教えられています。
一つ目の幸せは「比較による幸せ」です。
「AIスコア」が高くて感じる幸福は、この「比較による幸せ」です。
自分の「AIスコア」を他人と比較して、高いか低いかで幸福感が決まります。
「AIスコア」の高い人は、幸福感があるに違いありません。
ところが、世の中には自分よりさらにスコアの高い人がいるのです。
そんな人と比較したら幸福感はどうでしょうか。
また、高いスコアを持続することは大変です。
トップ歌手として一躍脚光を浴びていた人がドラッグに溺れた原因を「次から次に才能に溢れる若手歌手が現れ、自分が忘れ去られていくことに不安と焦りからだった」と吐露しました。
ミリオンセラーを続出していた頃は、まさに、高スコアで抜きん出た人だったのです。
しかし数年後、自分より高スコアな歌手が続々と現れたことにより、幸せは続きませんでした。
これでは比較する人によって心はめまぐるしく浮き沈みすることになり、安心できません。
二つ目の幸せは「比較によらない幸せ」です。
自分の前にどんなAIスコアの人がいようと、全く動じることのない幸せです。
この幸せを、有名な仏教古典『歎異抄』には「無碍の一道」(むげのいちどう)と書かれてあります。
私たちは常に他との比較の上で判断をしていますが、「無碍の一道」という幸せは他人と比較することなく、一人居て喜べる幸せです。
私が初めて「無碍の一道」の幸せを知った時は「本当にそんな幸せがあるのだろうか」と疑問でしたが、仏教を深く知っていくうちに理解できました。
仏教の目的は、崩れることのない「無碍の一道」の幸せになることなのです。
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