『夢をかなえるゾウ』の著者・水野敬也さんに学ぶ「後悔しない生き方」のために大事なこと

日本で一番読まれている自己啓発小説をご存知でしょうか。

『夢をかなえるゾウ』シリーズです。

平凡なサラリーマンのもとに突如現れた謎の生物・ガネーシャの指南によって自らの人生を変えていく物語です。

シリーズごとにテーマがあり、1作目は成功術、2作目はお金と幸せ、3作目は恋愛、そして4作目は死がテーマになっています。

『夢をかなえるゾウ4』の帯には

「自分、今の生き方やったら死ぬときめっちゃ後悔するで」

と、なんともストレートな言葉が。

余命3か月を宣告された家族を愛する平凡なサラリーマンが主人公の物語です。

『夢をかなえるゾウ』の著者・水野敬也さんはこのテーマに取り組んだ目的を「『死』を直視することで『生』を輝かせることである」と語っています。

残された時間を意識することは、今の生き方を見つめ直すきっかけになります。

実際に、水野さんは公式ブログで次のようなエピソードをあげていました。

過去に知人が亡くなったときに、「ああ、人は必ず死ぬ。僕もいつ死んでも後悔しないように頑張って生きよう」と思い、それからしばらくの間は緊張感とモチベーションを保ちつつ仕事ができるが、時間が経つにつれて少しずつその感覚は失われていきいつのまにか元の日常に戻ってしまうという経験をしたのだそうです。

また別の知人が病気で亡くなった際に「この人の分まで自分は頑張ろう」と思ったものの、また同じようにいつの間にか「死」を忘れた日常に戻ってしまうのではないかと不安になったそうです。

色々考えた結果、消えないメッセージとして「死」を刻み込んでしまえば、絶対忘れないだろうと思い立ち左手に方位記号のタトゥを入れることにしました。

なぜこの記号なのでしょうか。

まあ色んな意見あると思いますけどね、理由を聞いてくださいよ。

まず「死」をイメージする意味で「4」的なものを色々探してみたんですけど、

方位記号って数字の「4」に見えるじゃないですか。

しかも方位記号なんで

「お前の人生は『4(死)』から見て正しい『方角』に進んでいるのか?」

と自分を戒めるという効果があるってことなんですね。

(タトゥを入れてみました|水野敬也オフィシャルブログ「ウケる日記」より)

なかなかに大胆な行動ですが、それほど私たちは普段「死」を忘れ去って生きている裏返しとも言えると思います。

しかし自分の死を意識したとき「本当にこのままの生き方で良いのか?」「もっとやるべきことがあるのではないか?」と後悔しない生き方を真剣に問うようになります。

「無常を観ずるは菩提心(ぼだいしん)の一(はじめ)なり」という仏教の言葉があります。

自分は必ず死んでいくのだとありのままに観ることは、死が来ても変わらない本当の幸せを求める出発点と言われています。

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九条えみ

チューリップ企画では、お客様サポートおよびウェブでの情報発信を担当しています。仏教を学んで約10年。仏教の視点からお悩み解消のヒントをご紹介できればと思います。
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