人間関係が苦しくなるのは○○という一つの思い込みがあった

こんにちは。みさきです。

年末年始は、忘年会や家族の集まり、旅行などがあって、SNS上が華やかになり、フォローしている人のキラキラとした投稿に落ち込んで、人間関係をリセットする人が増加するようです。

「人間関係リセット症候群」といわれ、人間関係が煩(わずら)わしくなって、「あー、なんかもう面倒になってきた」と、自分の周りの人間関係を突然サッパリ断ち切ってしまう症状に名づけられた言葉です。

具体的には

・連絡先を変えて相手に伝えない
・SNSで相手を一方的にブロックする
・SNS停止、違うアカウントで再開
・転職をする、引っ越しをする

などです。

このように人間関係をリセットすれば、今の煩(わずら)わしさからは解放されるでしょうが、新たな職場やコミュニティでまた新たな人間関係に縛(しば)られます。

無人島でロビンソンクルーソーのような生活を覚悟しない限り、一生涯、人間関係がなくなることはありません。

煩わしくなってはリセット、を繰り返すのは大変ですから、人間関係を好転させる力を身に付けたほうが良いですよね。

そこで今回は、身近な人との人間関係のすれ違いの事例を通して、人間関係好転のポイントを1つお話したいと思います。

人間関係のもつれには1つの思い込みがある

先日、友だち数人と会話をしていた時、一人の奥さんが「主人から作った料理を一度も美味しいと言われたことがない」と不平を口にしました。
その場に旦那さんもおられ、心外そうに奥さんにこう返しました。
「美味しいに決まっているだろう。まずかったら残しているよ」

ご主人は「全部食べている」姿で「美味しい」と伝えていたつもりだったようです。
しかし言葉で「美味しい」と言わなかったために、奥さんにはご主人の思いが伝わっていなかったのです。

この話には、私たちが人間関係で失敗しやすいポイントがあります。
それは「言わなくても、これくらい分かるだろう」の思い込みです。

この場合、ご主人の「言わなくても分かってくれている」の錯覚(さっかく)が、奧さんを苦しませていたのです。
夫婦だと寝食ともにする気を許す仲なので、ついこの思い込みが強くなりがちで、気をつけなければならないと思います。

職場のイライラもこの思い込みに注意

夫婦間に限らず、職場でもこの「言わなくても分かるだろう」の思い込みが、イライラを生むことが多いようです。

社会人7年目になる友人は、所属部署のマネージャーをしているのですが、後輩のことで気苦労していました。

3年目になる後輩が、忙しい時間帯にボーっとパソコンを眺めていて動こうとしないのを見て、「新人じゃないんだから、言わなくても自発的に動いてよ」とイライラして仕方ないとのことでした。

ある機会に話をしてみてびっくり、その後輩は目の前の仕事しか見えておらず、周囲の忙しさに少しも気づいていなかったそうです。

こういう人なんだと理解して、しっかり言葉に出すようになってから動いてくれるようになり、イライラが解消したそうです。

これも友人に「言わなくても、これくらい分かるでしょ」という思い込みがあったことからおきた人間関係のもつれでした。

人間関係を円滑にするのに欠かせないこととは

「言わなくても察してよ、分かってよ」というのは、相手に対しての過度の期待です。

言わなければたいてい分かってもらえないものと覚悟すべきです。

夫婦なんだし、同僚なんだし、といっても、元々は他人ですから、考え方や経験が違います。
自分が察して欲しいことを相手は察してくれません。

これを忘れてしまうと、「言わなくても、これくらい分かるでしょ」と、相手に期待を押しつけてしまい、一人でイライラしなくてはならなくなります。

仏教では、みんな一人一人異なる世界に住んでいるのだよと、教えられています。

夫婦は同じ家で暮らし、同僚とは同じ職場で仕事をしていても、「心」の世界は驚くほど異なっています。

だから「言葉」を発するしかありません。
「言葉」は、心の世界が著しく異なっている者同士が、少しでも歩み寄り、信頼関係を築くのに、欠かせない潤滑油(じゅんかつゆ)です。
こちらは当たり前のように思っていることでも、相手の世界では当たり前ではないのですから、言わなければ分かってもらえません。
言葉にして発する努力が大事です。

もちろん言葉は危険なもので、言いすぎて失敗することもあるので難しいのですが、言わないことで受けるデメリットも非常に大きいと思います。

分かりきっているだろうということを丁寧に言葉にすることが、壊れやすい人間関係を長く続けるのに大切なのです。

まとめ

人間関係が苦しくなる原因の一つは、相手への「言わなくても、これくらい分かってよ」という過度の期待です。
一人一人、心の世界が異なるのですから、実は伝わっていないことが多いのです。
相手に「わかってほしい」という時、言葉にすることを心がければ人間関係がグンっと楽になります。

言葉一つで人間関係は大変わりします。
こちらの記事により詳しく紹介しています。

→言辞施(ごんじせ)は「人間関係がうまくいかない」を変える秘訣

→定年後の生活を幸せに過ごすために誰でも実行できること

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みさき

はじめまして、みさきです。 チューリップ企画で「動画で学べる仏教」を制作しています。 10年間、旅のプランニングの仕事を通して、幅広く多くの方々とお話してきました。旅には各々の想いがあり、じっくりとお話をしながら旅のお手伝いをしていきます。人と関わる中で人間関係で悩んでいる人が多いことを知りました。 8年前に仏教とご縁があり、人間の心についてずば抜けた洞察の深さに感動して、今の仕事に至っています。日常の悩みについて仏教ではどう教えられているかを発信してゆきたいと思います。
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