「目には目を歯には歯を」は間違い|嫌がらせされたときにこそ大事なこととは?
いつもお読みいただき、ありがとうございます。
お悩み解消研究家のわかです。
知人が職場で嫌がらせにあったそうです。
「気にしなければいいとはわかっているけど、腹が立つし、やり返したい気持ちになる」と言っていました。
それは当然の心理でしょう。
しかし、そこでやり返してしまうのはよくないのです。
それはなぜなのか、考えてみたいと思います。
嫌がらせされたら嫌がらせを返すのがいいの?
学生時代、歴史の授業で「ハンムラビ法典」の言葉を聞いた人は多いのではないでしょうか。
「目には目を、歯には歯を」という有名なフレーズです。
危害を加えられたら、危害を加えてきた相手に対し同じことを返す、ということだと聞きました。
そこから、この言葉には「復讐」というイメージがあります。
嫌がらせをされた場合、何か仕返しをしてやりたいという思いになるのではないでしょうか。
そして、「先に向こうがしてきたんだから、同じことをされても文句は言えないはず」という心理が働きます。
それは、やられっぱなしでは腹立ちが収まらないからなのでしょう。
復讐は復讐を呼ぶ
では、やり返したとして、それで終わるでしょうか。
仕返しをされた相手は、そのことに対して更に仕返しをしようとしてくるはずです。
「お互いに痛い目を見たんだからこれであいこ」とはなりません。
相手が仕返しをしてきたら、更にこちらも仕返しをして…と際限なく続いていくでしょう。
仏教では、「悪因悪果 自因自果」と言われます。
悪い行いをしたならば、それはすべて自分に災難としてやってくるということです。
先に仕掛けてきたのは相手でも、相手を傷つけるという悪い行いの結果は自分が受けていかなければならないのです。
仕返しをするよりも大切なこと
平安時代に法然上人という方がありました。
大変優れた高僧で、智恵第一と言われていたほどです。
その法然上人は、幼名を勢至丸(せいしまる)と言い、武士の子として美作の国(今の岡山県)に生まれました。
しかし勢至丸が9歳の時、お父さんが夜半に襲撃を受けるという事件がありました。
血を流して倒れている父を前にかたき討ちを誓う勢至丸でしたが、父は勢至丸を止めるのです。
そして、「立派な僧侶になって、菩提を弔ってくれ」と告げるのでした。
法然上人は実際に立派な僧侶となられています。
詳しいエピソードはこちらの記事をご覧ください。
恨みを抱く人に復讐するのは損か?得か?|法然上人のお父様の遺言
嫌がらせをされたときにするべきことは?
人間ですから、仕返しをしたいと思う気持ちは当然です。
しかしそこで仕返しをすれば、他の誰でもない自分自身が悪い結果を受けていかなければならないでしょう。
それでは相手の思うつぼではないでしょうか。
嫌がらせをされたときにまずするべきなのは、仕返しの算段ではなく、その人からなるべく離れることです。
物理的に距離を置くことで、接する機会がなくなれば嫌がらせもできなくなります。
もし距離を置くのが難しい場合は、嫌がらせに対して一切反応しないようにしましょう。
相手はこちらが怒ったり悲しんだりしてダメージを受けることを期待しています。
その期待に反して、何のリアクションもしていなければ、つまらなくなってそのうちやめるはずです。
まとめ
嫌がらせをされたら仕返ししたいと思うのは当然の心理です。
しかし、「悪因悪果 自因自果」で仕返しをした結果は自分が受けなければなりません。
嫌がらせをされたときは、何よりも仕返しをしないことが大事です。
そのために、距離を置いたり、反応を返さないように心がけましょう。
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