実はよく知らなかった日本の風習「厄年」|どうしたら「厄」を避けられるのか
こんにちは。みさきです。
年末年始に友人と「厄除け」「厄払い」について話題になりました。
厄年に不幸が起こらないようにと、神社や寺へお祓いにいったり、厄除けのお守りを買って身に付ける日本人は多いですが、今回は日本の風習シリーズで「厄年」について深掘りしたいと思います。
厄年とは
厄年とは、災難が多く降りかかるとされる年齢のことです。
陰陽道に由来しているという説がありますが、根拠となる出典がないため起源ははっきりしていません。
「厄年」について文献で確認できるのは平安時代が最初で、当時の貴族社会で厄払いされていたと残っています。
『源氏物語』には、藤壺と紫の上が当時の厄年の37歳にあたり、厄払いをする様子が描かれています。
その後、男性は数え年で25歳・42歳・61歳。女性は19歳・33歳・37歳という厄年の考え方が浸透したのは、江戸時代からだといわれています。
江戸幕府を築いた徳川家康が厄払いをしたといわれる神社や寺が今も複数、現存しています。
現代では一般風習として厄年といわれる年に神社や寺に行って、厄払いの祈祷をする人が多くあります。
神仏は信じないという人でも、厄年は気になるのか、神社や寺でお祓いをしてもらいに行ったり、厄除けにお守りを買う人もあります。
このような慣習から現在では、厄年や厄払いを仏教の行事だと思っている人も少なくありませんが、仏教には「厄年」「厄払い」などは一切教えられていません。
「厄払い」と仏事
それはお釈迦さまのこのお言葉からも明らかです。
如来の法の中に吉日良辰(きちにちりょうしん)をえらぶことなし
「涅槃経」
お釈迦様が説かれた仏教に、日の善悪を選ぶことはない、という意味です。
仏教では、日の善悪を全く問題にしません。
今年1年が厄年で不幸が起こるのであれば、厄年の人全員の身に不幸が起こるはずですが、厄年であっても、仕事で昇進する人やオリンピックでメダルを獲得する選手もあります。
病気一つせず健康に過ごす人もあるでしょう。
では仏教では、幸せ・不幸せなどの運命は何によって決まる、と教えられているでしょう。
未来の果を知らんと欲すれば、現在の因を見よ
「因果経」
未来の運命を知りたければ、現在の自分の行いを見なさい、とお釈迦さまは教えられています。
仕事で昇進するか解雇となるかの違いは、その年が厄年だからではなく、人並み以上の努力をしたか、それとも怠惰であったかの違いだとわかります。
オリンピックでメダルを獲得する選手は、厄年かどうかに関わらず、日頃の厳しい訓練の賜物に疑いはありません。
仏教ではその年が良い年となるかどうかは、自分のまいた種まきによって決まるのであって、厄年の祈祷やお祓いは関係ないのだと教えられているのです。
厄年をどう過ごすか
厄年には科学的根拠はないものの、年齢的に体調を崩しやすい、何らかの変化が起こりやすい人生の節目で、用心する年齢として昔からの生活の知恵として浸透したという説があります。
いつも以上に日常生活で慎重な心がけをして、無事に過ごしたいものです。
そして大事なのは、厄年の年齢に災難な出来事が起きてしまった時の心がけです。
大きな病気に罹った…
事故に遭った…
離婚をした…
解雇された…
そんな時に「やっぱり厄年だからだ」と思うか、それとも「自分の努力不足や不注意だった」と反省して、行動を変えていくかでその後の運命が変わっていきます。
厄年の年齢に、病気を罹って入院をした。
それを機に生活習慣を見直したら、その後何年も元気に過ごせるかもしれません。
厄年に起こった災難を悲嘆するだけに止まるか、自分の行動を反省して改善してゆくかで、その後の未来は大きな差が出てくるのです。
未来の運命が明るいものであるように、自分の行動を日々改善してゆきたいものです。
あなたの悩みが少しでも軽くなり、心穏やかに過ごせますように。
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