いろいろ手に入れても心が満たされないのはなぜ?|人生を豊かにする方法(後半)
いつもお読みいただき、ありがとうございます。
お悩み解消研究家のわかです。
以前、70代の男性で次のように仰っていた方がありました。
若い時は財欲とか、名誉欲を満たすのに一生懸命だった。
それなりに得たのは得たんだけど、心は満たされないものだよね。
前回は、このことから心が満たされない理由について考えました。
今回は引き続き、心が満たされない原因と、人生を豊かにする方法を考えていきます。
欲を満たす幸せの根底にある心
前回、私たちが幸せを感じるのは欲が満たされた時であると書きました。
しかし、欲は際限のないものなので、満たせば満たすほど広がっていきます。
ですから、これで満足ということがなく、心が満たされないと感じるのです。
また、欲の本性は我利我利(がりがり)だと言われています。
これは、「自分さえよければいい、他人はどうなってもいい」という自分勝手な心です。
何かを手に入れるには、他人と争わなければいけないことが多いのではないでしょうか。
そういう時、自分の欲を満たすためには他人を押しのけていかなければならないでしょう。
ところが、「自分さえよければいい」という思いを押し出すと、どんどん人は離れていきます。
気づいた時には一人ぼっちになっていた、ということもあるかもしれません。
それでは、欲を満たすことはできても、心は満たされないでしょう。
幸せになるために勧められる心がけ
仏教では、我利我利の反対に自利利他(じりりた)の精神が勧められています。
「他人を幸せにするままが、自分の幸せとなる」ということです。
仏教には、他人を幸せにする行いとして布施(ふせ)が挙げられています。
これは、お金やものを他人に施すことを言われます。
しかし、人にあげたら自分の分が減ってしまうから幸せではないと思われる方もおられるかもしれません。
ところが、それでも幸せに恵まれると教えられるのが仏教です。
『とどろき』平成30年9月号の中に、次のように書かれていましたので紹介します。
例えば、リンゴ狩りに行って、5個取ってきたとします。
帰り道、いつもお世話になっているご近所さんに会ったので、2個あげた。
手元に残ったのは、もちろん3個。
ところが仏教では、リンゴを5個持っていて、相手に2個あげたならば、私の手元は2個増えて7個になるようなもの、といわれるのです。“与えたのに、増える?そんなこと、あるわけない”と思うかもしれません。
確かに、手元のリンゴは減りますが、喜ぶ人は2人になり、笑顔が増えます。「自利利他」とは、相手の幸せを第一に考えて施す(利他)ままが、私の幸せになる(自利)ということ。
他人に施せば、必ず私が幸せに恵まれるのです。(平成30年9月号「大人の仏教塾」より)
他人も自分も幸せにする心がけが自利利他なのですね。
人生を豊かにする方法
冒頭で紹介した70代の男性は、仏教を学ばれて次のように仰っていました。
話しを聞いて良いタネまきしようと決めてやっていっても、つい悪い習慣に戻ってしなくなる。
また聞きに行ってねじ閉めて良いタネまきをする。するとやはり良い結果が来るんだ。
きのうも郵便局に行って知った人にあったから350円の海苔巻あげたら喜んでくれてね。
こんな感じで何かすぐにあげられるように準備してるんだ。
もっと早くに仏教に出会えてたら人生がもっと豊かになってたのにと思うよ。
他人の幸せを最優先に考えて行動したら、最終的に自分の心が満たされる。
そういうことはよくあるのではないでしょうか。
それこそ、人生を豊かにする方法であることが分かりますね。
まとめ
多くの人は自分の欲を満たすことで幸せになれると思っています。
しかし、一時的には満足できても、それでは心が満たされないようです。
仏教では、他人の幸せを最優先に考えることで自分も恵まれるという自利利他の精神を勧められています。
自分の人生を豊かにしていくためにも実行していきたいですね。
わか
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