人生つまらないの原因は|ミッドライフクライシスを克服したブッダの智恵
こんにちは。仏教を学びはじめて6年のみさきです。
私は30歳を過ぎてから仏教講座に行き、仏教を続けて聞くようになりました。
おそらく20代のときに仏教講座があると聞いても、行こうとは思わなかったと思います。
30歳を過ぎて、人生に「生きづらさ」を感じ始めたのがきっかけで、生きる意味を問いかける仏教に関心を持ったのです。
目次
人生を迷わせるミッドライフクライシス
「ミッドライフクライシス」という言葉があります。
人生の半ばに入り、人生の進むべき方角が分からなくなり、心の危機的状況に陥(おちい)ることです。
”中年の思春期”ともよばれており、80%以上の人が経験するとも言われています。
人は生まれてから家族の一員となり、小学校・中学校・高校・大学という人生のガイドラインが用意されています。やがて働き始め、結婚、子育て、起業…と続いていきます。
順調のときもあれば、不調のときもありますが、人生のガイドラインに沿って毎日を生きています。
ところが、転職や病気、離婚などの人生の転機に、ふと人生のガイドラインが見えなくなる時が訪れます。
それがミッドライフクライシスに陥った時です。
ミッドライフクライシスに悩んだ人たち
ミッドライフクライシスはいつの時代も、どんな人もなり得る心の危機です。
イタリア文学で有名なダンテ
人生の旅なかば、正しい道を見失い、私は暗い森をさまよった
『神曲』
ハリウッド俳優のキアヌ・リーヴス
40歳になってから数年間は、青春時代の自分に別れを告げなければならないことに愕然とし、とてもつらかった。
自分がどこにいるのか、どこから来たのか、何をしているのかさえ、わからなくなるほどだった。
と苦しかった時期を告白しています。
新聞やネット上からも、ミッドライフクライシスに苦しんでいる声
アラフォー男性です。既婚、小学生の息子が2人います。
不惑と呼ばれる40歳になりましたが、時々、自分はこの先もこのままでいいのか、何とも言えない漠然とした不安、不満を感じる事がどうしてもなくなってくれません。
それがここ2~3年続いているような気がします。
仕事もそれなりに落ち着いていて、家庭も子供2人に恵まれて幸せなはずだし、これで幸せじゃないと思ったらバチが当たる。それは十分過ぎるくらい、分かっています。でも、このままじゃ、なんか物足りないのです。
必死に何かに打ち込んで、みんなに注目されるような目立つことを達成して、皆に認められたい気もします。
でも同時に冷めていて、どうせ出る杭は打たれるんだから、目立たないよう、余計な事はしゃべらない方がいいとも思います。
もう40歳で、能力的にも体力的にも昔ほどの成長は期待できないし、だいたい自分の先も見えているから、普通で満足するのが一番かしこいし。
でも、そんな人生ってつまんなくないか?とも思うのです。
特に仕事が忙しくなく落ち着いていて、平穏な状態の時に、この問いが逃げようもなく襲ってきます。
私にも、あの時はミッドライフクライシスの状況だったなと思う時期がありました。
30歳で腫瘍が見つかり、入院をした時です。
入院中、罹った病気についての本を読むと、95%の人は日常生活に戻れると書いてありました。
しかし病気の当事者になると、95%よりも5%の数字が脳裏に焼き付いてきます。初めて、自分と死との距離が縮まった感覚でした。
その時に私が思ったのは「30歳で死ぬのと、この先80歳ぐらいまで生きるのとでは何か違いがあるだろうか」という問いでした。
「生きる目的って何だろうか」
その答えが、私の中にないことに気づいてしまったのです。
言い表しようのない虚無感が、病気で日常から離れた私に迫ってきました。
ミッドライフクライシスの原因は
ミッドライフクライシスに陥ると仕事をしていても、家事をしていても、休暇で旅に出ても、何となくつらいと感じます。
この「何となく」の正体は何なのでしょうか。
心のモヤモヤを紛らわすために、不倫や離婚をしたり、突然仕事を辞めて、周囲を驚かす人があります。
これは一時的に心の危機的状況をごまかしているだけで、ミッドライフクライシスの克服にはなりません。
またミッドライフクライシスに陥る原因は、高い理想を夢見て、目の前の現実に不満を持っているからだと考える人もあります。
今の健康、仕事、家族や友人、生き甲斐がある自分は恵まれている。
世界には貧困で苦しんでいる人がいるのだから、恵まれた環境に感謝して生きよう。
こう言い聞かせると、心が落ち着いてくる気がします。
しかし、ミッドライフクライシスに苦しんでいる人の中には、その心の安定はいつまでも続かないと感じている人もあるようです。
これは他人の人生との比較によって、自分の人生が幸せかと判断しているからです。
自分の周りにもっと仕事が成功し、多くの人に認められている人
自分よりも良いマイホームに住み、家族円満に過ごしている人
同じ年齢で自分よりも美人(ダンディ)な人
など…
こういった人と比較すると「自分の人生は普通で、なんかつまらないな」という心が湧いてきます。
これでは比較する人によって、心がめまぐるしく浮き沈みするので心の満足は得られないのです。
では、ミッドライフクライシスの原因は何なのでしょうか。
仏教では、まず生きる方角が大事だと教えられています。
ミッドライフクライシスの克服法
ミッドライフクライシスに陥った多くの人は、この先、どう進めばよいかアドバイスを求めて、カウンセラーや書籍から情報を探します。
私の場合は、哲学や心理学などいろいろ試しましたが、仏教の心の分析がストンと心に落ちました。
特に仏教で説かれている、人生を海にたとえた話が心に刺さりました。
こんな話でした。
あなたは海の真ん中に放り出された。
360度水平線、見渡す限り空と海。
さて、どちらへ向かって泳ぎますか。闇雲に泳いでいても、行けども行けども景色は変わらず、ただ水平線が広がるばかりです。
ひょっとしたら沖に向かって進んでいるのではないか、と不安になってくるので、泳ぐ腕にも力が入りません。
もし陸や島がうっすらとでも見えるなら、がぜんファイトがわいてきます。
その方角に向かって一生懸命泳ぐでしょう。
泳げば泳ぐほど陸地が近づくので泳ぐのにも力が入ります。
泳ぐ前にまず確かめなければならないのは、陸地のある【方角】です。
人生も同じように、生きる【方角】が大事ですよ、と仏教を教えられたブッダは示されています。
生きる方角を知れば、つまらないと思っていた人生が一転し、充実感があふれます。
この話を聞いて、私の人生の陸地ってなんだろうか、もっと聞きたいという気持ちになり、今にいたっています。
仕事を懸命にしていた時は、ちょうど目の前の波を乗り越えようと泳ぎ続けていた時。
そんな私が病気になり、ふとどこに向かって泳いでいるんだろう、と見渡した時、周りは空と海だけだ、と不安になったのです。
あれが私の「ミッドライフクライシス」であり、同時にまた仏教を聞きたい心になったきっかけでした。
仏教に説かれている人生の陸地とは何か、関心のある方はこちらの記事も読んでみてください。
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みさき
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