任せる力 「暗黙知」と「形式知」のそれぞれの引継ぎ方法
『いつも忙しそうにしている割に、あまり成果が出せていない人』
『いつも余裕があるのに、多くの仕事をこなし、成果をバンバン出している人』
その違いは、どこにあるのでしょう。
いろいろな要因があると思いますが、仕事は一人でしているのではなく、チームで行っていますので、
「どれだけ自分の周囲の人の力を生かせているか」
これが大きな要因として考えられます。
これを 『 任せる力 』と呼びたいと思います。
他人に任せることは、簡単なように見えて、実は難しいのです。
失敗すると、かえって自分を忙しくさせることにもなりますので、任せたいけど、任せられず、結局、他人に任せずに、自分でそのままやってしまう人も少なくありません。
この『 任せる力 』を身につけるには、「 技術 」だけでなく「 メンタル 」も非常に大事になります。
「 技術 」だけなら短期間に身につくのでしょうが、「 メンタル 」もありますので、身につけるのが難しいのです。
『 任せる力 』を身につけるには、「 メンタル 」と「 技術 」の両方が必要です。
1章 「メンタル」
2章 「何を任せるか」「任せる目的」
3章 「任せる相手」
4章 「任せる技術」(自分の仕事を整理整頓する)
5章 「任せる技術」(引継の方法)
この順番で説明していきたいと思います。
5章「任せる技術」(引継の方法)について、説明しています。
「暗黙知」と「形式知」
「暗黙知」と「形式知」は、マイケル・ポランニーが『暗黙知の次元』の中で「私たちは、言葉に出来るより多くのことを知ることができる」と言い、言語などの明示的・形式的表現では伝達不可能な知を「暗黙知」、言語などの明示的・形式的表現での伝達が可能な知を「形式知」と呼びました。
ポランニーは、私たちは、他人の顔を見分けることができるが、その見分け方を具体的には説明できない、という例で、暗黙知と形式知の違いを例示しています。
一橋大学の野中郁次郎氏と竹内弘高氏は、長嶋茂雄氏は素晴らしいプレーヤーだったが、どうしたらそんなに打てるのかを言葉でうまく説明はできなかったという例を出しています。
いわゆる「名プレーヤー、必ずしも名監督にあらず」です。
「暗黙知」の伝え方
「形式知」は記録に残っていますが、「暗黙知」は記録されていない、記録できません。
「暗黙知」を知るには、一緒にさせてもらう、実際に見るしかありません。
昔に比べて、動画を簡単に扱えるようになりましたので、言葉で説明が難しければ、動画を取ればよいのですが、それでも、わからないところはあります。
やはり直接、教えてもらう機会は、必要になります。
身近に教えてくれる人がいることは、大変幸せなことだと改めて知らされます。
任せられる人は、頭を下げて、時間をつくってもらいましょう。
「形式知」、言葉にできるものは、できるだけ言語化して、短時間で共有できるようにし、言語化できない「暗黙知」を、限られた時間で、できるだけ早く伝えることが大事なんですね。
まとめ
インターネット時代・AI時代は、「形式知」の価値は、限りなく0に向かいます。
「形式知」を言語化し、どんどん多くの人に伝え、豊富な「暗黙知」を備えている人が余人に代え難い、会社に必要な人なのかもしれません。
あさだ よしあき
最新記事 by あさだ よしあき (全て見る)
- 任せる力 「ハインリッヒの法則」があてはまる - 2018年9月23日
- 任せる力「人間は必ず失敗するもの」の前提で業務システムを構築する - 2018年9月16日
- 任せる力 「暗黙知」と「形式知」のそれぞれの引継ぎ方法 - 2018年9月9日