【礼儀】たった一言で礼儀に差がつく言葉遣いのマナー
こころ寄り添う研究科の九条えみです。
会社では主に電話対応をしていて、月に2回は言葉遣いの講習を受けています。
その中で「たった一言の使い分けで、礼儀正しくなるか、失礼になるか変わってしまう」という話がありました。
礼儀を欠いた言動は、相手との間に摩擦を生みやすくなります。
反対に、礼儀正しい言動は、社会生活を円滑にします。
(礼儀の大切さについて知りたい方は、「礼儀の心得|礼儀はなぜ大切?礼儀の基本とは?」に書いています)
今回は「たった一言で差がつく言葉遣いのマナー」をご紹介します。
礼儀に差がつく言葉遣い~希望の伝え方~
1.「で」と「が」の違い
具体例を通して考えてみましょう。
<奥さんから晩ごはんの希望を尋ねられたとき>
奥さん:「今日の晩ごはんはカレーと肉じゃがどっちがいい?」
主人:「あぁ、カレーでいいよ」
ありがちな会話だと思いますが、この時の奥さんの気持ちを想像してみます。
「カレーで」というと、「本当は肉じゃがが良いんだけど、カレーでいいよ」という印象を与えかねません。
また、投げやりな言い方なので作る気力を削いでしまうと思います。
こういう場合は、「が」を使う方が印象が良くなります。
主人:「そうか。じゃあカレーがいいな」
せっかく希望を聞いているので、ハッキリと言ってもらえた方が、喜んで作ろうという気持ちが起きますね。
ただ、「が」を使って希望を伝えると、強い響きで相手に伝わりますので、立場が同程度の場合に使う方が無難だと思います。
次は、目上の立場の人への希望の伝え方を見てみましょう。
2.「が」と「を」の違い
<訪問先で飲み物の希望を尋ねられたとき>
訪問先:お茶とコーヒーどちらがよろしいですか?
自分:お気遣いありがとうございます。コーヒーがいいです。
「が」を使うと指定が明確になり、あつかましい印象を与えかねません。
こういう場合は「を」を使って答えましょう。
自分:お気遣いありがとうございます。それでは、コーヒーをお願いします。
「が」を使った時よりも、聞こえが柔らかくなりますね。
ただ、相手から選択肢がない状態で希望を伝える場合は注意が必要です。
たとえば、訪問先で飲み物の希望を聞かれた場合に、「紅茶が好きですね」など答えると、無かった場合に相手を困らせてしまうことになります。
反対に聞く立場としては、選択肢を明示するか、事前に好みを把握しておくなどの配慮が必要です。
礼儀に差がつく言葉遣い~お礼の伝え方~
3.「は」と「も」の違い
<お世話になった方へお礼を伝えるとき>
「今日はありがとうございました」
事実としては間違いないのですが、「今日は」と使うと「じゃあ、普段は何もお世話になってないのか」という印象を相手に与えてしまう可能性があります。
こういう場合は「も」を使って答えた方が無難です。
「今日もありがとうございました」
こういえば、日頃の感謝も伝わります。
しかし、特にお世話になった日には、やはり差をつけた方が相手への感謝が伝わります。
<特にお世話になったとき>
「いつもお世話になっております。今日は特別なお心遣いを頂きまして、誠にありがとうございました」
普段の相手とのやり取りや、相手の方の配慮などを感じて、上手に使い分ければより感謝の気持ちが伝わりますね。
まとめ
たった一言で、伝わる印象が変わってしまいます。
悪気なく発した言葉であっても、誤解や不快な気持ちを与えてしまう場合があります。
逆に、たった一言の差で気分よく言葉を受け取られ、関係が円滑になることもあります。
言葉はただの記号ではなく、力を持っていることを自覚して、相手も自分も明るくなる言葉遣いを心がけていきたいものです。
「職場の人間関係が何だかギスギスしている…」という場合も、普段飛び交っている言葉に注目してみてはいかがでしょうか。
→職場の人間関係がギスギスするのはなぜ?|ギスギスした職場が改善する「言辞施」
九条えみ
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