陰口を言う人に腹が立つ、でも陰口を言う心は私たちの中にも
こんにちは。こころの悩みサポーターのこうへいです。
職場でも学校でも地域のコミュニティでも大きな悩みは人間関係でしょう。
こんな声を聞きました。
職場の同僚にすごく嫌な人がいる。
私の前では「すごいね」とか「尊敬する」とか言ってくるくせに、陰では私のことをバカにしたり、からかったりするようなことを言っているのを耳にした。
腹が立つというか、呆れてしまう。
言いたいことがあれば、面と向かって言えばいいのに。
本当に信じられない。
悪口を言われたのも腹が立つのでしょうが、陰で悪口を言いながら、自分の目の前ではそんな素振りを全く見せないところに余計に腹が立っている様子でした。
実際に面と向かって言われたら、それこそ激怒すると思いますが、本音では自分のことをバカにしているのに、表面上はいいことを言っていることに強い不信感と怒りを感じるのだと思います。
陰口を言う人は信用されなくなる
人のことをバカにしている本心を隠して、不誠実な言葉を並べ立て、陰で悪口を言う人は、周りの人から信頼されなくなっていくものです。
私の以前の知り合いにも、会うたびに誰かの批判をする人がありました。
非難する相手はその日によって変化しますが、別れるまでに必ず誰かの悪口を聞かされました。
私もはじめは真に受けて聞いていましたが、ただ単に悪口を言いたいだけなのだと分かりました。
そして、この人は私に対しては友好な雰囲気だけれども、私のいない所では私のことをボロクソに言っているのだろうなと思うようになりました。
他人の陰口を言う人は、それを聞いている人からも内心では信用できない人だと思われ、誰からも相手にされていないものです。
そんな人の言動を気にしていても疲れるだけかもしれません。
悪口は一つの趣味と言えるかも
人間は他人の悪口が大好きだと言われます。
今も昔も毒舌を芸風にしている芸能人は多くいます。
またテレビのワイドショーでも不正や失言のあった人を出演者全員で批判するのがお決まりになっています。
問題のあった人に対して、インターネットやSNS上で大勢で非難する、いわゆる炎上させるという行為がよく聞かれます。
私たちは絶えず批判する相手を探しているとさえ言えるかもしれません。
反省し自戒しないといけないことだと思います。
そんな状態ですから、私のことを批判していたとしても、それは一種の趣味みたいなものだと言えると思います。
ちょうど悪口を言うネタを見つけた、それが私だったというだけのことです。
他人が休日にどこに旅行に行こうとどんなテレビを見ていようが、私とは直接関係はありません。
そんな趣味や娯楽の一環として私の悪口を言っていると思えば、つまらないことを気にするよりも、もっとしないといけないことがあると思えるかもしれません。
陰口を言う心は私たちの中にも
この陰口を言う人の言動を通じて、私たちが考えてみないいけないことは、これはこの人だけのことかということでしょう。
本人を前にしてはとても言えないようなことを思いながら、そんな様子は全くおくびにも出さず、言葉や態度を飾っている。そんなことは私たちにはないでしょうか。
仏教を説かれたお釈迦さまのお言葉に
心口各異 言念無実 (しんくかくい ごんねんむじつ)『大無量寿経(だいむりょうじゅきょう)』
心と口は、おのおの異なり、言っていることと、念(おも)っていることに、まことが無い
というお言葉があります。
すべての人は、心で思っていることと、口で言っていることが異なる。
だから言っていることにも、思っていることにもまことがない。
ウソ偽りばかりだ。
と言われています。
なるほど、あの人は本当にウソばかりだと思う人もあるかもしれませんが、このお言葉はすべての人のことを仰ったお言葉です。
自分自身の毎日の言動を振り返ってみるとどうでしょうか。
知り合いが似合っていない服装を堂々としていたらどうでしょうか。
思った通りをそのまま口にできるでしょうか。
ひそかに見下していた同僚が先に出世したらどうでしょうか。
「なんであいつが」と思っても、そんなことはとても言えないのではないでしょうか。
本心を心の奥深くにしまい込んで見せないようにと、いかに神経を使っていることでしょうか。
どれだけ自分をごまかし、他人を欺いているか分かりません。
陰口を言う人は、そんな私の姿を分かりやすい形で、見せてくれているのかもしれません。
先ほども触れたように、そんな人の受ける結果は哀れなものです。
あの人はひどい人だ。許せないという気持ちが出てくるのはどうしようもありませんが、私はどうかと見つめ直すよい機会ともできます。
私が信頼される人間になる、そして幸せな人生を歩む勝縁としたいものです。
まとめ
本人がいる前ではいい顔をして、その人がいない所では非難したり悪口を言うという人がいたら、腹が立つし不信感を抱くと思います。
しかし、心では相手に言えないようなことを思いながら、うわべではいい顔をすることは私たちにもないでしょうか。
陰で言うか、言わずにしまっておくかの違いはありますが、心は同じではないでしょうか。
お釈迦さまは、自分をごまかし、他人を欺いている私たちの姿をすっぱ抜かれています。
そんな場面に遭遇したら、自分の姿を見つめる機会にしましょう。
同じ場面でも、違った見方ができるかもしれません。
悪口を言う人に具体的にどう対処すればよいのでしょうか。
こちらの記事でまとめています。ぜひお読みください。
他人の悪口を言う人にはどう対処するのが正解?3つのおすすめ対処法
こうへい
最新記事 by こうへい (全て見る)
- 醜いねたみの心に悩む青年が心惹かれたのは仏教だった - 2018年12月30日
- 高齢者の孤独が犯罪を生む|お釈迦さまの示す孤独を生きる力 - 2018年11月17日
- いつの時代も変わらぬ願い「自由に生きられたら幸せ」は本当か - 2018年11月10日