仕事中でも簡単にできる!職場のチームワークを良くする7つの方法
こんにちは、暮らしを良くする研究家のこんぎつねです。
あなたの職場はチームワークのいい職場でしょうか。
日本放送協会(NHK)が1973年から行っている職場における人間関係の調査によると、「全面的なつきあい」が減少傾向にあり、「部分的なつきあい」は増加傾向にあることから、職場の人間関係はだんだん希薄になっていると考えられます。
「人の出入りが激しいから名前しか知らない人が多い」
「周りの社員はみんな競争相手。馴れ合いはしたくない」
「うちの職場は私語ができる雰囲気じゃない」
という方もあるかもしれません。
また、最近の若い社員には
「飲み会なんて面倒くさいから行きたくない」
「団塊の世代ってアツ過ぎ。自分はそういうノリじゃないんで」
という人もいるようです。
そんな新人を見て、「最近の若いもんは何考えているか分からない」となっている方もあるのではないでしょうか。
そういう職場ではチームワークを良くしようと思ってもなかなか上手くいかず、情報共有や報告・連絡・相談が滞ってしまい、ミスが頻発したり、大きなチャンスを逃したりしてしまいます。
そこで今回の記事では、明日からできるチームワークを良くする方法を紹介します。
職場にチームワークは必要なのか
そもそも利益を追求する職場にとって、チームワークは本当に必要なのでしょうか。
京都大学の若林直樹教授は社員の人脈、業績にも影響 「見えざる資産」形成をの中で、
「社内の人的ネットワークの発達は、職場の中でまとまりを高めるだけではなく、仕事上で同僚に対して相互支援することを強化し業績を上げる効果がある。」
と言っています。
また、大阪府がまとめた企業競争力強化のための社内コミュニケーション形成に関する調査の中では、社内のチームワークがいい企業は、そうでない企業よりも競争力が高いことが明らかにされています。
この調査の中で、チームワークのいい職場には
「社員間で仕事を助け合う」
「部下や後輩を育てる」
「社員間で学び合い教え合う」
「皆が仕事を頑張るので、自分も遅れを取ってはいけないと社員に思わせる」
などの雰囲気があり、
「基本的な挨拶が徹底されている」
「経営者が日ごろから社内各所を回って社員の顔色を見ながら声がけをしている」
「社内の業務上のコミュニケーションが円滑に行われている」
「社員の経営への協力度が高い」
などの特徴があると言われています。
やはり、チームワーク作りは仕事をする上で必要なことのようです。
しかしそうは言っても「そうか、チームワークは大事なのか。よしみんな、今日からチームワークを良くしろ」と指示を出しても、「はい、わかりました。よーし、みんな今日から一致団結して仕事するぞ!」「「「オーッ!」」」と熱血ドラマのようにカンタンに行くものではありません。
ではどうすれば職場のチームワークを良くすることができるのでしょうか。
職場のチームワークを良くする7つの方法
職場のチームワークについて研究した論文「職場交流活動と職場の結束力との関係」の中で、著者の二瓶哲氏は「職場メンバー間の相互関係促進あるいは職場の活気を高めるため、ひいては効果的な業務がなされるための、業務内あるいは業務外での活動」に関する調査を行いました。
その結果、特にチームワークを良くする活動は以下の7つでした。
- 雑談(勤務中・勤務時間外)
- ユーモアのあふれる会話
- モノの貸し借り
- 昼食以外の食事
- プライベートなやり取り・相談
- お菓子の振る舞い
- 休日におけるレジャー活動
この中でも最もチームワークを良くする交流活動は「ユーモアのあふれる会話」でした。
一方で、あまりチームワークと関係のない交流活動は、
- 忘年会
- 打ち上げ会
- 社員旅行
- 運動会
- 誕生日祝い
- スポーツ活動
- 部やサークル活動
でした。
こうして見ると、
日常での軽いコミュニケーションや、社員同士の仕事後や休日の交流はチームワークを良くするのに効果があり、社内行事はあまりチームワークに影響しない
ことがわかります。
「職場内のチームワークを良くするために、みんなで○○をしよう」
とお金と時間をかけて全体で何かをするよりも、お金も時間もかからない日常の小さな交流を促すほうが団結を生みやすいのは、リーダーの立場からすると好都合な結果ではないでしょうか。
ただ注意点は、「じゃあもうお金がかかる忘年会も打ち上げも社員旅行も止めてしまっていいんだ」というわけではありません。
調査結果はあくまで、チームワークとの関係の傾向ですから、飲み会好きな人や、社員旅行を楽しみにしている人にとってはストレス発散になったり、新しい一面の発見につながることもあるでしょう。
チームワークを良くする交流活動は日常で気軽に取り組めることが多いということです。
自利利他(じりりた)と好意とチームワーク
仏教では自利利他(じりりた)という教えが説かれています。
自利利他とは「相手を幸せにするままが自分の幸せになる。だから自分が幸せになりたければ、まず相手を幸せにしなさい」ということです。
その逆が我利我利(がりがり)で、「自分さえ良ければいい、他人なんかどうなってもいい」という心です。
自利利他の精神あふれる職場ならば、雑談やユーモアのある会話がなくても、お互いが助け合ったり、わからないところを教えあったり、後輩を丁寧に育てることができるでしょう。
しかし自分も忙しい中で他人のために時間をかけて何かしようとはなかなか思えません。
私たちの本性は我利我利(がりがり)だからです。
そんな中でも(男女問わず)自分の好きな人が困っていたら、ある程度自分のことを差し置いてでも助けたくなるのではないでしょうか。
私たちが最も頼みごとを聞いてあげたいと思うのは、相手のことをよく知っていて、その人に好意を持っている場合です。
上で紹介した研究結果から、「好意を持った相手は助けたくなる」という心理によりチームワークが生まれ、お互いがお互いを助け合うことにつながることが推察されます。
チームワークを良くする7つの方法はいずれも相手に対して「好意」を抱く行為だからです。
社会心理学では「好意」を抱く要因として「類似性」や「接触」などが挙げられます。
「類似性」とは自分との共通点のことです。
「接触」とは会った回数のことです。
雑談やユーモアのある会話、相談の中で自分と相手の共通点を見たり、仕事後や休日などプライベートで会って接触回数が増えることで相手に「好意」を持ちます。
「好意」を持った相手が困っていたら助けたくなります。
お互いがお互いに「好意」を持つことで助け合い、チームワークが作られていくのでしょう。
まとめ
チームワークのいい職場は競争力が高い傾向があります。
チームワークを良くする方法は
- 雑談(勤務中・勤務時間外)
- ユーモアのあふれる会話
- モノの貸し借り
- 昼食以外の食事
- プライベートなやり取り・相談
- お菓子の振る舞い
- 休日におけるレジャー活動
などが挙げられます。
これらの行動は相手に「好意」を抱く要因です。
「好意」を持った相手は助けたくなります。
「相手を幸せにすることで自分も幸せになる」という自利利他(じりりた)の心によりチームワークが生まれ、職場の競争力となっていくのです。
「なるほど、職場のチームワークを良くするには『ユーモアのあふれる会話』がいいのか。じゃあこれから『ユーモアのあふれる会話』するぞ」と思われた方にはこちらの記事が参考になるかと思います。
→仕事にユーモアは大事。でも仕事に悪影響なユーモアもあるんです!
こんぎつね
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